伝統医薬品の置き薬制度に高い評価 13カ国参加しモンゴルで国際会議 [2007年08月29日(Wed)]
伝統医療国際会議 日本財団とWHO(世界保健機関)の共催による「伝統医療国際会議」が8月23日から4日間、WHOをはじめUNICEF(国連児童基金)など4つの国際機関とアジア地域を中心にした13カ国の代表が出席してウランバートルで開催され、日本財団が中心になって2004年からモンゴルで進めている伝統医薬品の置き薬制度が遊牧民らの初期治療に大きな役割を果たしている点を高く評価。モンゴル政府も「伝統医療の活用を先駆的な成功例として海外に発信していきたい」(ブジン保健医療政策調整局長)と意欲を見せている。 富山の置き薬制度を活用した地域医療サービスの強化に関しては、1978年のアルマータ宣言で伝統医療・医薬品の活用を提唱したWHOもその成果に注目しており、宣言から30年、WHOの発足60周年に当たる来年には伝統医療の一層の活用に向けた国際会議の開催構想も浮上している。 ウランバートル市内のホテルで開かれた会議には、国際機関、各国代表約100人とモンゴル国内で伝統医療に携わる医師や伝統医薬品の製造業者ら約120人が参加。日常的な医療サービスが確保しにくい地方の遊牧民を対象に進められている伝統医薬品の置き薬制度の現地視察を含め幅広く意見交換した。 初日のオープニングセレモニーでは日本財団の笹川会長が「世界60億の人口のうち20億人は近代的な医薬品に接することなく死亡している。近代医薬品に比べれば安く手に入る伝統薬を、300年前に日本の富山地方で始まった置き薬制度を使って届けるのが有効と考えこの試みに着手した。世界に通用する制度に育てたい」と挨拶。 (写真:挨拶する笹川会長) 尾身茂WHO西太平洋地域事務局長も「日本財団の活動を見てWHOも伝統医療の重要さに気付いた。置き薬制度はプライマリーケアを進める上で大きな役割を果たすと確信する」と述べ、マーガレット・チャンWHO事務局長はメッセージを寄せ、伝統医療の有効活用に期待を表明した。(詳細はコチラ) (英文記事はこちら) |