子どもたちが安心して過ごせる場所を 南相馬で支援活動の白井さん [2012年05月01日(Tue)]
![]() 落成式後の親子ワークショップ 「子どもたちが安心して過ごせる場所をつくりたい、その気持ちだけでここまで来ました」。発達障害や不登校の子どもたちのケアに取り組むNPOトイボックス(大阪府)の代表理事・白井智子さんは、4月7日、福島県南相馬市にオープンした「みなみそうまラーニングセンター」の落成式で、東日本大震災から激動の1年間を振り返った。NPOスタッフの協力や同市出身の支援者との出会いを支えにした白井さんらの活動の結果、子どもたちに明るい変化が見られるという。 |
![]() 落成式であいさつする白井智子トイボックス代表理事 白井さんは震災直後から自分たちにできることはないかと考え、日本財団やほかの3団体と協力して、被災地の子どもたちを支援する「ハタチ基金」を立ち上げ、支援活動を始めた。支援を必要としている場所はどこだろうかと調査する過程で、南相馬では東京電力福島第一原発事故の影響で多くの支援者が去り、子ども達が取り残されていることを知った。白井さんはこの時「ここでやろう」と、子どもたちの支援を誓ったという。 ![]() 1年を振り返る鴫原明子さん 支援の枠組みを構築する段階から南相馬市との連携体制をつくることができ、市内の子ども達の状況を把握し、最善の支援策を練った。発達障害の子ども達に適切なケアを実施するには、専門知識を持つスタッフの養成が必要だが、そうした余裕はなく、大阪のスタッフ含め全員体制で向かうしかなかった。しかも原発事故直後の現地は、多くの情報が錯綜し安全性にも不安があった。そんな中、大阪で長年にわたり白井さんとともに支援に携わってきた石本智一さんらが「ぜひ行かせてほしい」と手を挙げ、白井さんの心は奮い立った。南相馬市原町地区出身の鴫原明子さんとの出会いも大きかった。 ![]() お礼の言葉を述べる子ども達 鴫原さんは原発事故後、勤めていた保育園を解雇され、東京で避難生活を送っていた。そのころ、南相馬で支援活動を始めようとしている白井さんを知った。「私がすべきことはこれかもしれない」と思った鴫原さんは南相馬に戻り、白井さんらと活動を共にする。現在、鴫原さんは南相馬の責任者として、東奔西走する日々が続いている。 ![]() 石本先生から「おやくそく」を聞いている子ども達 白井さんらのこれまでの活動で学童保育での見守り支援体制が構築され、発達障害児のケアを実施できるスタッフの養成やラーニングセンターの開設までたどり着いた。白井さんが嬉しいのは子どもたちに変化が見えてきたことだ。泣きじゃくり、落ち着きなく、他の子どもにいたずらを繰り返していた男の子が「みんな、約束は守ろうね」と言えるようになったという。南相馬ではいま、原発事故という暗雲を吹き飛ばすように、たくさんの小さな芽が育っている。(益崎慈子) |














