イタリアで見つけたジェラートづくり〜鹿児島・花の木冷菓堂の女性施設長 [2012年04月16日(Mon)]
![]() 中村祥子さん 鹿児島・桜島を眼前に望む錦江湾ウオーターフロントに、観光客相手の物産品店やレストランが並ぶ「ドルフィンポート」がある。その一角に昨年10月、社会福祉法人「白鳩会」(中村隆重理事長)が運営する花の木冷菓堂の小さなジェラート店がオープンした。車で10分ほどの住宅街にある直売店からの『出店第1号』。加えて日本財団の助成で近く移動カフェ車が増強され、一気に販路が拡大する。ジェラートづくりを始めて3年目の飛躍。その原動力は女性施設長のイタリア修業にあった。 |
![]() ドルフィンポートの外観/ドルフィンポート内のお店 中村祥子さん、36歳。大学卒業後、父が運営する白鳩会の農業施設を任され、お茶や野菜、果物などの栽培に取り組んだ。「もっとたくさんの食材、さまざまな食文化に触れたい」。27歳の時に一念発起、イタリアの料理学校に留学した。卒業証書を手にイタリア国内のレストランで“修業”する日々。1年半の間に巡り歩いた場所はアマルフィ海岸を抱くサレルノ、生ハムで有名なパルマ、音楽祭で知られるサンレモ…。レストランは夜の営業。昼間は時間を持て余す。サレルノのお店で「昼間、ジェラート店を手伝わないか」と声をかけられた。 ![]() ジェラートづくりに励む利用者ら 「そこでジェラートを作っていたのは自閉症の職人さんでした。砂糖の量などレシピ通りにきちんとやる。この仕事は健常者よりも生真面目な障害者に適しているのでは…」。帰国後、理事長に話し、3年前に日本財団の支援を受けて住宅街の一角に工房兼直売所「花の木冷菓堂」を開設した。白鳩会の農園から取り寄せたブルーベリーやハープのブレンド、鹿児島らしく焼酎レーズンなどジェラートの種類は20種以上。約20人の利用者とともに味の工夫を重ね、週末直売所に来る客は40〜50人。夏には3倍ほどにもなりそうという。県下1のデパート「山形屋」への納品契約が結ばれ、「イベントに出してほしい」の要望を受けて移動カフェ車の増強も決まった。経営は順調な歩みを続けている。 ![]() 中村隆重理事長 「頑固な娘だが、留学生活を自分の力でやり遂げたので(ジェラートを)信用して任せた。この部門では県内トップ。国に頼る福祉じゃなく、障害者が自活できるジェラート商法を期待している」と父の隆重さん。祥子さんは「ジェラートは食材を工夫することで新商品開発の余地はいっぱいある。でも、ジェラートにこだわるのではなく、障害者が自立できる活動を続けることが大事。それは何か、時代が求めるニーズに応えていきたい」と話した。(平尾隆夫) |













