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女性や子供を暴力から守る〜奈良のNPO法人が宿泊所を整備 [2011年12月06日(Tue)]


とまり木ハウスの内部

古都・奈良の奈良公園に近い住宅地の一角に、その家はあった。暴力を振るう夫らから妻と子供を守るための施設「とまり木ハウス」。日本財団の支援で整備された木造2階建ての民家。小さな門とガラス戸の玄関、広いダイニング、ソファのあるリビング、畳敷きの部屋…と一見、普通の家だが、室内にはあるべきはず(?)のテレビはなく、部屋も個室というよりは大部屋の佇まい。「昔の家のように、誰が何をしているかひと目で分かる、コミュニティ重視の家なのです」。運営するNPO法人地域密着型相談センターとまり木(奈良市高畑町)の山村悦子理事長はこう話した。
とまり木スタッフたち、前列左が山村理事長

「とまり木」は任意団体として2006年に設立。お年寄りらが気軽に集まって談笑できる「山の家のサロン」の運営や母子家庭の子供らと伝統行事を楽しむ「とまり木キッズ」など、地域とのつながりを大切にする活動を展開してきた。そのうちDV(家庭内暴力)問題の深刻さを知り、翌年サロンを宿泊所としても使うようになった。2008年、NPO法人に認定されてからは行政や警察などとの連携も強まり、奈良県内だけでなく、遠方のDV被害者らの救済にも当たってきた。日本財団からは「山の家」の内外装修繕費に続いて、今回新たに近くの民家を改修する整備費の助成を受け、1か月前に工事が完了した。

とまり木ハウスにテレビはない

新しい施設の現在の入居者は6人。A子さんは18歳、母親と一緒にとまり木に逃れてきた。母はとまり木のDV被害者のケアにあたるスタッフとして働き、自分は近くのすし店に店員として就職。山村理事長らがしばしば店に様子を見に来たという。今は別の仕事についているが、人手が足りないときはとまり木の手伝いもする。B子さんは20歳。今年3月定時制の高校を卒業し、ヘルパー養成講座に通っている。来年1月には資格を取り、社会に巣立っていく見通しだが、虐待で知的障害者になったC子さん(26)や、父親と継母から虐待を受けたD子さん(30)ら1人立ちまでまだまだ時間がかかる入居者も多い。

山の家のサロン。警察に頼まれ、DV被害者を匿ったこともある

肉親から虐待を受けたDV被害者は、素直に物事を受け取ることができず、立ち直るまで時間がかかるケースが多いという。それなのに児童相談所は18歳になると退所しなければならず、そのあとを受けとめてくれる施設は少ない。山村理事長は「こうした施設は今後も需要が増えてくるでしょう。ここでは家庭内の団欒を大事にしていますが、社会に巣立っていく準備が整うと、ワンルーム・マンションなど1人で生活する場所に移ってもらいます」「そのためにも就職先を確保したいが、現実は厳しい。リサイクルショップなど私たちで働く場所を持つことができるのが理想なのですが」と課題を話した。(平尾隆夫)
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Posted by 日本財団 広報チーム at 09:04 | 文化・教育・社会問題 | この記事のURL | コメント(0)
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