特別車両でパンや豆腐を移動販売 障害者が運転を担当 [2011年10月07日(Fri)]
運転席を改造した車両/運転担当の山下さん 櫻苑で導入したのは、移動販売に利用する乗用車で、運転席の下には、木製の四角い箱が置かれている。さらに荷台には冷蔵庫もあり、豆腐などの冷蔵食品の保管に役立っている。運転を担当するのは、山下直哉さん(22)で、高校卒業後、就労のため2年間同苑に通ったあと、昨年8月から職員として採用になった。障害のため身長が低い山下さんは、通常の車ではブレーキとアクセルとブレーキに足が届かない。新しい車はこれらを「かさ上げ」という改造を施し、足が届くようになった。木製の箱は、かかとを乗せるのに使っている。山下さんは「通勤用に使っている軽自動車に比べると視界もよくて、運転がしやすい」と話し、張り切りながら運転をしている。 販売車に商品を積む山下さん 同苑では、安来市をはじめ、松江市、隣の鳥取県米子市などで車による豆腐(北海道産の豆乳とオホーツク海のにがりを使っている)、パン(クロワッサンを中心にアンパン、食パン、パイなど)、スイーツ(焼きドーナツ)類の移動販売をしている。市役所、警察署、社会福祉協議会などが中心で、山下さんは往復60キロを運転することも珍しくないという。岩本真友水施設長は「楽天から問い合わせがあるほど評判がいい。新しい車が入って、山下さんも一生懸命だ。全体の売り上げも昨年より伸びそう」と、話している。 移動販売は好調だ 日本財団は障害者や高齢者の地域生活を応援するため、社会福祉団体に福祉車両を提供している。2006年に障害者自立支援法が施行されて以来、障害者の就労を支援するための車両の配備にも力を入れている。3日から始まった移動販売車など改造を伴う障害者就労支援車両の「10月募集」は今月31日まで。(石井克則) |