聴覚障害者に遠隔通訳 支援センターを設置 [2011年09月29日(Thu)]
テレビ電話を介し手話で会話 東日本大震災で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島3県の聴覚障害者を支援するため日本財団は大震災から半年に当たる9月11日、東京・赤坂の日本財団ビル内に遠隔情報・コミュニケーション支援センターを立ち上げた。アナウンスや放送など災害情報を得にくい聴覚障害者にテレビ電話を使って手話通訳をする試みで事業は当面1年間。関係団体などに広く活用を呼び掛けている。 |
センター立ち上げを記者発表 3県で障害者手帳を持つ聴覚障害者は岩手5391人、宮城6130人、福島7761人。大震災発生後、救援物資や仮設住宅など多くの生活情報が地域放送や臨時災害FM局などを通じて住民に届けられるが、聴覚障害者は入手が難しく、仮に入手できてもコミュニケーション手段がないため手続きが遅れるケースが目立っている。 事業内容を説明 さらに大震災から半年を経て被災地が復旧から復興局面に入り、各種証明書の発行や求職、通院など手話通訳の必要性が一層高まっているが、3県で資格を持つ手話通訳士は計83人と少なく、自治体による手話通訳の派遣事業も需要に追い付かないのが現状。健常者との情報格差解消に向けセンター.立ち上げとなった。開設時間は午前8時から午後8時まで、年中無休で受け付ける予定。 財団ビル2階のセンターには3つのボックスが設けられ、それぞれにカメラ付きのパソコンや電話が置かれ3人のオペレーターが待機。ここに聴覚障害者がテレビ電話を掛けるとオペレーターが手話で内容を聞き取った上、当該の市町村に相談、その結果を手話で本人に伝える仕組み。聴覚障害者が直接、役所の窓口を訪れる場合は、役所の連絡を受けセンターが双方をつなぐ役目もする。(写真:事業を案内するポスター) 行政機関が発信した情報をオペレーターがメールなどを通じ障害者に伝えることも可能で日本財団では窓口となる3県147市町村の福祉課や病院など公共施設に必要に応じテレビ電話機能を持つタブレットを配備するほか、関係団体にも広く活用を呼び掛ける方針。(宮崎正) 日本財団遠隔情報・コミュニケーション支援センターの連絡先は次の通り。 電話:0120-522-499 FAX:0120-522-899 メール:nf-support@plusvoice.jp |