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荒地に伝統の太鼓が響いて、笑顔がこぼれた〜気仙沼大島の磯草虎舞 [2011年09月27日(Tue)]


広場を仮設住宅に使われ、道路上で奉納芸能

ドン、ドッドッ…大小の太鼓が打ち鳴らされる。横笛の演奏がそれにゆるやかにからむ。虎の衣装を被った2人の踊り手が、子供が操る扇子を求めて体を揺らし、舞う。丈夫な子に育つようにと赤ちゃんが虎の前に差し上げられ、車いすのお年寄りも虎に頭をかじられて「ホッ、ホッ、ホー」とはしゃぎ声。江戸時代から気仙沼大島に伝わる伝統芸能「磯草虎舞」が9月11日、例年通りに島内の各地を巡回した。東日本大震災からちょうど半年。傷跡がまだ生々しく残る中、それでもいつもの祭りが戻ってきたと、島に笑顔がこぼれた。
廃屋をバックに、バチにも力がこもる

宮城県の東北部、気仙沼市から船で約25分の大島は陸中海岸国立公園の中にある。面積約9平方キロの「緑の真珠」と詩に読まれた島。毎年大島神社の秋季例大祭には磯草地区の虎舞が御神輿とともに島内の各集落を巡回、伝統芸能を奉納してきた。古老の千葉勝衛さん(85)によると、東北地方は獅子舞と違って虎頭を被った虎舞が主流で、江戸時代に始まり、太鼓演奏が加わったのは70年ほど前から。ところが今年は震災で祭りの衣装も、太鼓も、練習場もみんな流され、死者・行方不明者は31人に。孤立した島は米軍のトモダチ作戦によって救われたが、今も道路の一部は寸断されたままで、がれきも山積されている。

巡回した御神輿に手を合わせる島民たち

「こんな時こそ祭りをやるべえ」「やるべえ、やるべえ」。こんな会話が続けられたころ、日本財団から支援の話が届いた、と大島神社の小松勝麿宮司は話す。長胴太鼓3台、桶胴太鼓5台、締太鼓3台。総額約1000万円相当が磯草虎舞保存会(小野寺清次会長)に寄贈された。この保存会は会員が100人ほどいるが、現在は離島者もいて3分の1に減少。それでも、地区ごとに集まってきた観衆を前に、気持ちが弾む太鼓演奏と、ユーモアあふれる舞を披露した。

防波堤前で。所々に震災の爪痕が残る

広場が仮設住宅で塞がれた新王平地区では、道路を隔てた観衆に向けて太鼓を響かせた。建物の土台だけを残して雑草が生える長崎地区では、海との共生を願って作られた「海潮音」(ニシオネ)の囃子に心を込めた。この地は砂浜がきれいなことで知られ、日本の海水浴場の百選にも選ばれているが、今夏の遊泳者はゼロだという。駒形地区では防波堤を背に舞った。奉納芸能は例年の半分の規模。それでも「支援の太鼓がこんなに揃うとは思わなかったので、予定より時間が延びた。でも島の人たちの笑顔がこれだけ揃い、うれしい限りです」と小松宮司は話した。

伝統芸能を担う子供らへの期待は大きい

日本財団の被災伝統芸能に対する支援は、岩手県釜石市の虎舞、宮城県石巻市の石巻日高見太鼓に次いで3件目。姉妹財団の日本音楽財団(塩見和子理事長)がヴァイオリンの至宝と言われるストラディヴァリウスの「レディ・ブラント」を国際オークションにかけ、11億円余の売却金を日本財団に寄付した。この資金を活かすには伝統芸能の復興がふさわしいと基金を創設した。財団では今後、岩手県大船渡市、大槌町からの要請に応えていく。(平尾隆夫)
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Posted by 日本財団 広報チーム at 09:10 | 海と船 | この記事のURL | コメント(0)
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