タスクフォースの設置など提言 国際専門家会議福島で開催 [2011年09月15日(Thu)]
![]() 世界14カ国から専門家が出席した 世界14カ国の放射線医学や防御学の権威を集めた国際専門家会議「放射線と健康リスク 世界の英知を結集して福島を考える」が9月11、12両日、福島県立医科大で開かれ、福島県が全県民を対象に実施を計画している健康調査を極めて重要とするとともに、チェルノブイリ原発事故(1986年)で設けられたフォーラムのようなタスクフォースを日本政府や地方自治体、国際機関などが参加して設置するよう求める提言をまとめた。 |
![]() 挨拶する笹川会長 会議には14カ国の専門家31人のほか国内の研究者やメディア関係者ら約400人が参加。大震災の犠牲者に対する黙とうの後、主催者を代表して日本財団の笹川陽平会長は「情報の錯綜が福島県民だけでなく、国民や世界の人々をも混乱させ、風評被害を引き起こしている」と指摘、原発事故と健康リスクについて科学的根拠に基づいた協議をしてほしいと要請した。WHO(世界保健機関)のマーガレット・チャン事務局長もビデオで「福島の人々の不安を科学が取り除くことが重要だ。日本人は世界で最も立ち直る力を持っている」とメッセージを寄せた。 ![]() 多くの研究結果が報告された 2日間にわたる会議では「福島の現状」「放射線被ばくによる健康影響」「チェルノブイリ原発事故の教訓」など6つのセッションに分け議論が進められ、これに先立つ基調講演で放射線医学総合研究所の明石真言理事は、多くの専門家が自分の考えを基に多様な情報を発信した結果、何が本当か分からず国民の不安が広がっている、としたうえ「専門家は科学的知見を基に放射能から身を守るための知識を一つの情報として発信すべきである」と強調した。同様の視点から「グッドニュースもバッドニュースも分かり易い言葉で公平に住民に伝えられる必要がある」(仏原子力防護評価研究所ジャック・ロシャール氏)といった指摘も出た。 ![]() 記者会見にも多くの専門家が臨んだ 健康影響に関してもチェルノブイリ事故との違いが何点か指摘され、会議終了後の記者会見で英国王立国際問題研究所のデイヴィット・ヘイマン氏は「事故発生後の保護や避難対策が即座に実施されているほか、報告されている放射線被ばく量などを考慮に入れると、住民の健康に対する影響はチェルノブイリ事故に比べ非常に小さいと考えられる」と語った。原子力事故後の被ばく線量を年間1〜20ミリシーベルトとした国際放射線防護委員会(ICRP)基準も議論の対象となり、ICRPのアベル・ゴンザレス氏は「インドなどにはこの程度の放射線を自然に発生する地域もあるが住民は健康に暮らしている」と説明した。 その上で提言では福島県が予定する県民の健康調査について、国際的レベルで利用可能な情報を集めるためにも住民の協力が必要とするとともに、住民も調査に参加することで自らの被ばく量を知ることができ有用と位置付けた。タスクフォースに関しては(1)福島に関する国際的なプロジェクトの調整(2)放射線による環境保護と健康影響に関する専門家の統一見解のとりまとめ、などを期待するとしている。 また佐藤雄平・福島県知事は11日の会議終了後行われたレセプションで「新生福島の復興に向け世界のモデルとなるような復興を成し遂げたい」と挨拶、会議出席者に協力を求めた。(宮崎正) |













