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タンカーの進水式に歓声 愛媛の造船所でちびっ子たち [2007年05月22日(Tue)]


進水したタンカー


小学生を造船所に招待し、タンカーの進水式を見てもらおうと、愛媛県の伯方島にある伯方造船(今治市伯方町)で16日「進水式見学会」が行なわれた。日本中小型造船工業会が日本財団の助成を受けて2005年から実施している「課外授業」だ。今回で23回目になる見学会には、地元の今治市立伯方小学校の5年生約80人が参加し、地元の住民や保護者らもタンカーが海に浮かぶ瞬間を見守った。

今回進水したのは、伯方造船で建造した霧島汽船(今治市)所有のタンカー第十五泊菱丸(全長76メートル、幅12メートル、深さ5・7メートル、999トン)。午前10時45分から行なわれた進水式では神事のあと祝いの餅がまかれ、子供たちが懸命に拾った。


(写真:投げ餅を取ろうと懸命な児童たち)


この後、支綱が切断され、くす玉が割られるとタンカーが船台から海に滑り始め、テープをなびかせながら30秒足らずで着水。子どもたちや見物の人々から歓声と拍手が起きた。子どもたちの中には船上から飛ばされた祝いの風船を拾うため、走り回る姿もあった。


(写真:テープをなびかせ海に)


父親が造船関係の仕事をしているために既に進水式を見たことがあるという児童もいたが、大多数は初めての経験で、迫力満点の進水式に多くの児童から「すごい!」という感想が返ってきた。子どもたちは、この課外授業の感想文を書くという。

伯方島がある旧愛媛県伯方町は、2005年1月、町村合併で今治市になった。本州と四国を結ぶ瀬戸内しまなみ海道がこの島にも通っている。伯方造船など造船所が4つあり、造船と海運の島だ。しかし、島の人口は減少傾向にあり、4つあった小学校も児童が減ったためこの春から統合され伯方小の1つだけになった。

見学会は、同工業会が時代を担う小学生にものづくりの大切さを知ってもらうために企画したもので、本年度も国内の造船所の協力を得て、全国12ヵ所以上で開催する計画だ。多くは平日に開いているが、4月21日の土曜日に広島県大崎上島町の佐々木造船で開催した進水式見学会では、小学生だけでなく保護者も参加した。

―――― ・ ――――

造船業界は1970年代のオイルショック後、造船不況に見舞われた。世界的な景気低迷、海運不況が重なり、受注量と建造量が激減し、工場閉鎖、雇用削減に追い込まれた。名門企業の造船部門から撤退というニュースも伝えられた。そんな中でも独自の技術力で頑張る中堅の造船会社も少なくない。今回、伯方造船が小学生を進水式に招いたことは、地元の造船会社が健在であることをアピールするものであり、子どもたちに船の大事さを教えることにつながるものだと考えた。男子児童に「将来、船関係の仕事をしたいですか」と聞いたら、満更でもないのか、ニコッと笑ってくれたのが印象に残った。(I)
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Posted by 日本財団 広報チーム at 09:05 | 海と船 | この記事のURL | コメント(0)
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