ベトナム少数民族の教育者を招聘 岩手で木造校舎の落成式に出席 [2007年05月01日(火)]
![]() 星山小の落成式に参加の2人(右がトラン校長、左がグェン担当官) 教育が大事であることは万国共通の認識だ。しかも機会均等であるはずなのに、教育を受けることができない子どもたちが世界に数多く存在する。そうした実情を背景に、日本財団は発展途上国で貧しいがゆえに教育を受けられない子供たちのために、学校建設を進めている。南米のペルーを皮切りに、東南アジアのカンボジア、さらにミャンマーへと活動は続いている。 アジアの山岳少数民族の学校建設のため日本財団の支援で設立されたアジア教育友好協会(AEFA、谷川洋理事長)も、現地での学校建設と日本の学校とのフレンドシップ(FS)協定というユニークな取り組みをしている。4月下旬には、AEFAの仲介でベトナムの教育関係者2人が来日、岩手県紫波町(藤原孝町長)を訪れ国際交流を果した。2人は同町の人々の歓迎ぶりに感激しながら、初めての日本での時間を過ごした。 来日したのは、ベトナム南部メコンデルタ地帯のチャビン省フーカン村にあるフーカンB小学校のトラン・バ・リン校長(34)とベトナム教育庁のグェン・ホー地区担当官(51)。2人はフーカンB小とFS協定を結んでいる紫波町立星山小学校(小池朝子校長)の新校舎の落成式に出席したほか、財団の支援で建築したベトナム・フートー省ヴァンフォン小とフレンドシップ関係にある町立上平沢小学校(花篭和博校長)、星山小の両校でそれぞれ児童を相手に交流授業を行なった。木の香りがする木造の新校舎 紫波町は盛岡市近郊の農業の町で、人口約3万3600人。「銭形平次」を書いた野村胡堂の出身地だ。環境・循環基本計画を策定し、循環型社会を町づくりの目標にしている。星山小はことしが創立130周年の伝統校。老朽化したため、建て替えるに当たって、循環型の町づくりの方針に沿って「百年使える」学校を目指して町産のスギ、アカマツ、カラマツ、ツガをふんだんに使い、町の大工さんたちで新校舎の建設に着手した。木造2階建ての新校舎は床面積が1505平米、総工費は3億7000万円。落成式に当たって、日本の民間からの寄付で同じく木材の校舎を建てたFS校・フーカンB小関係者を式典に招こうと、建設業者らが費用をカンパし、2人の訪日が実現した。 |
2人は4月25日に来日、浅草や東京タワーなど東京を見物し、その印象を「人が多い、忙しそうで何か心配しているようだ」「環境がよくて清潔だ」と話した。翌26日に日本財団などを表敬訪問した後紫波町に入った。この日同町は季節外れの雪に見舞われ、2人は初めて見る雪に驚き、そして喜んだ。27日の交流授業では、トラン校長がベトナム語の「こんにちは」「ありがとう」などの言葉やベトナムの子どもの遊びの「羽根けり」を児童たちに教えた。同夜の歓迎会で藤原町長の歓迎のあいさつに対し、グェン担当官は「ここまでくることができたことに感動している。将来は子どもたちが直接交流できたら素晴らしいと思う」と語った。(写真:木造の保育園も見学) 28日は2人が出席して星山小の落成式と130周年の記念式典があった。児童たちが旧校舎の解体から新校舎完成までの様子をリレー形式で報告、会場の保護者たちの中には涙を流して聞き入る姿もあった。この後の祝賀会では、昨年11月3日の建前の行事の際に星山地区総出で1万個の餅をつくり、祝いの「投げ餅」にしたというエピソードも紹介された。トラン校長は「このような式典に出席できて光栄だ。素晴らしいFS協定が長く続くことを願っている」とあいさつ。2人の周りには多くの住民が集まり、交流が続いた。(写真:星山小の小池校長(右から2番目)、AEFAの谷川理事長(左から2番目)と)![]() 2人は紫波町で満開に近い桜と季節外れの雪に感激し、さらに同町関係者の温かいもてなしに感謝しながら29日帰国した。(写真:満開に近い桜に見入る) AEFAは、日本財団の支援などで2005年からこれまでにタイ、ラオス、ベトナム、中国雲南省で山岳少数民族の子どもたちの学校23校を建設、日本の25の学校とFSを結んでいる。07年も10数校を建設するが、FSを結ぶ日本の学校が既に7校見つかり、さらに選定中だ。FSは学校同士の生活や自然環境、学校生活などをビデオ、手紙、絵などで交換し実情の理解を深め、国際交流を図るのが狙いだ。一方、日本財団はこれまでにペルー(50校)、カンボジア(100校)両国で計150校を建設した。ミャンマーでも建設を進めており、間もなく100校目が完成する。ミャンマーでは今後も建設を継続する方針だ。 4月24日に、41年ぶりに全国一斉の学力テストが実施された。世界的に見て日本の子どもたちの学力が低下しているといわれているが、この結果はどう出るのだろうか。途上国にはテスト以前に勉強をする機会すらない子どもたちがまだ少なくない。宮沢賢治を生んだ岩手の自然の中、木の香りがして温もりのある落ち着いた校舎で学ぶ子どもたちの姿を見ながら、教育とは何かと考えた。 *・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・* ≪お知らせ≫ 「メルマガを使ったマーケティング力UPとは?」5月10日、日本財団ビルで開催。 http://blog.canpan.info/dojo/archive/6 「障害者生活支援用具・設備の展示会」5月7日から、日本財団ビルで開催。 http://www.nippon-foundation.or.jp/org/press/2007/0704271.html *・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・* |






来日したのは、ベトナム南部メコンデルタ地帯のチャビン省フーカン村にあるフーカンB小学校のトラン・バ・リン校長(34)とベトナム教育庁のグェン・ホー地区担当官(51)。2人はフーカンB小とFS協定を結んでいる紫波町立星山小学校(小池朝子校長)の新校舎の落成式に出席したほか、財団の支援で建築したベトナム・フートー省ヴァンフォン小とフレンドシップ関係にある町立上平沢小学校(花篭和博校長)、星山小の両校でそれぞれ児童を相手に交流授業を行なった。
2人は4月25日に来日、浅草や東京タワーなど東京を見物し、その印象を「人が多い、忙しそうで何か心配しているようだ」「環境がよくて清潔だ」と話した。翌26日に日本財団などを表敬訪問した後紫波町に入った。この日同町は季節外れの雪に見舞われ、2人は初めて見る雪に驚き、そして喜んだ。27日の交流授業では、トラン校長がベトナム語の「こんにちは」「ありがとう」などの言葉やベトナムの子どもの遊びの「羽根けり」を児童たちに教えた。同夜の歓迎会で藤原町長の歓迎のあいさつに対し、グェン担当官は「ここまでくることができたことに感動している。将来は子どもたちが直接交流できたら素晴らしいと思う」と語った。
28日は2人が出席して星山小の落成式と130周年の記念式典があった。児童たちが旧校舎の解体から新校舎完成までの様子をリレー形式で報告、会場の保護者たちの中には涙を流して聞き入る姿もあった。この後の祝賀会では、昨年11月3日の建前の行事の際に星山地区総出で1万個の餅をつくり、祝いの「投げ餅」にしたというエピソードも紹介された。トラン校長は「このような式典に出席できて光栄だ。素晴らしいFS協定が長く続くことを願っている」とあいさつ。2人の周りには多くの住民が集まり、交流が続いた。