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シュバイツァーの願い 「命」を考えたmemento mori広島 [2007年04月24日(Tue)]


パイプオルガン演奏も行われた会場で講演する日野原先生


「生かされて今を生きる」をテーマにした講演と演奏の催しが22日、広島市で開かれた。日本財団が笹川医学医療研究財団ライフ・プランニング・センターとともに1999年から開催している「memento mori」セミナーで、会場の広島エリザベト音楽大学セシリアホールには600人が訪れ、「生命と平和」について考えた。

聖路加国際病院理事長で、笹川医学医療研究財団の理事長でもある日野原重明医師が「いのちのめぐみに応えたシュバイツァーに学ぶ生き方」と題し講演、アフリカでの医療奉仕に生涯を捧げたアルベルト・シュバイツァー博士の生き方と、日本のハンセン病医療に尽くした神谷美恵子さんの人生を重ねながら、「与えられた命をいかに使うかを一人一人が考え、すべての命を大切にしていくことが私たちの使命です」と語りかけた。

この日は、ノーベル平和賞を受けたシュバイツァー博士が、オスロのラジオ放送を通じて核兵器廃絶を世界に訴えて50年目となる日で、世界中で「核廃絶に向け地球をつなぐ運動」が一斉に行われた。この催しもその運動に参加しており、講演に先立って鈴木雅明東京藝術大学教授が、パイプオルガンによる「シュバイツァーが愛し奏でたバッハの音楽」をテーマに演奏した。

今年度のmemento moriセミナーは、このあと6月2日東京、6月16日埼玉県秩父市、7月21日金沢市、10月14日秋田市で開催される。
「memento mori(メメント・モリ)」は「死を想え」というラテン語。そこには「いかに今を生きるか」との意味合いが含まれており、ホスピス啓発活動に力を入れている日本財団は、人生の終末をよりよく生きるためのホスピスを象徴的に表現するものとして、この「memento mori」をセミナーのタイトルとしてきた。広島セミナーは24回目になる。

今回は社団法人「シュバイツァー日本友の会」と「新老人の会・山陽支部」「広島女学院」が主催に加わり、多くの会員らがボランティアとしてセミナー開催に協力した。開催に当たり、柳瀬正人シュバイツァー日本友の会会長と紀伊國献三笹川医学医療研究財団専務理事が、会の活動やアフリカのシュバイツァー病院の現状などを報告した。

日野原理事長の講演要旨は以下の通り。

◎このセミナーは、一般市民に「死」について考えてもらう機会を提供するため、日本財団が8年前に始めた事業で、中世の教会で聖職者らが挨拶の際に交わしていた「memento mori」の表現を用いて、「だれにも必ず来る死に、心の備えをしておく」という考えを普及しようと続けてきた。

◎今回はシュバイツァー博士について、彼がなぜ、30歳にして医師を目指し、ヨーロッパで確立していた音楽での名声を捨ててアフリカに渡ったのか、その生涯を振り返ることによって、若いときに経験した感動が後にその人の人生を決定していくということを考えてみたい。

◎私はここで一人の日本女性を紹介したい。神谷美恵子さんという方で、父親は文部大臣を勤めた前田多門氏。津田塾から米国コロンビア大学へ語学留学しているとき、自分が最も取り組みたい仕事は19歳で出会ったハンセン病施設での献身であると思い至り、それから医師を志して勉強し、42歳になって長島愛生園に赴任している。

◎このよく似た二つの人生が物語っていることは、若い日の感動に従って「命の大切さを想い、与えられた命をいかに大切に使って生きるか」を実践したことであり、そこにあるのは「生命への畏敬」ということである。

◎シュバイツァー博士は「人類は文明の中に倫理を取り入れなければ滅亡する」と言った。生命への畏敬とは、すべての命を大切にすることである。日本人は相互の命を大切にしているだろうか。自殺者の数はスペインに次いで世界で2番目に多く、65歳以上では世界で一番多い。そのうち8割の高齢者がだれにも相談することなく死を選んでいる。もっと命を大切にしなければならない。

◎命を大切にすることは、武器をなくすということだ。長崎市長の事件でも、バージニアの大学でも、21世紀に入って武器による殺傷がエスカレートしている。世界の人がまず核兵器をやめる、そして銃もやめる、自分も他人も命を大切にしなければならない。

◎シュバイツァー博士は21歳の折、「私だけがこんなに幸福を享受してよいのか」と感じたと言っている。神谷恵美子さんもそれとよく似た思いを書いている。「人間が最も生きがいを感じるのは、したいことと義務が一致すること」といった考えだ。死は必ずやって来るものだが、それをきちんと認識してよりよく生きていく、そうした生き方を共に考えていきましょう。
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Posted by 日本財団 広報チーム at 10:43 | 福祉・医療 | この記事のURL | コメント(0)
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