海洋基本法が成立 日本の海洋政策を一元化 [2007年04月20日(Fri)]
第10回海洋基本法研究会(2006年12月7日) 海を四方に囲まれる海洋国家日本の権益守るための「海洋基本法」が、20日の参院本会議で可決、成立した。この法律は、資源開発や環境保全などの海洋政策を一元化し、総合的に進めるのが狙い。日本財団が設けた海洋管理研究会が2005年5月に「21世紀におけるわが国の海洋政策に関する提案」を発表して以来、法制化の動きが進み、自民、公明、民主3党による超党派の議員立法で今国会に提出され、4月3日に衆院本会議で可決し、参院で審議していた。法律の成立によって日本の海洋政策は「海に守られた日本から海を守る日本へ」と転換することになる。 海洋基本法は、基本理念に (1) 海洋の開発・利用、環境の保全と調和 (2) 海洋の安全の確保 (3) 海洋産業の健全な発展 (4) 海洋の総合的管理−などを上げ、これらを総合的に推進するために、政府が海洋基本計画を定めることを打ち出している。海洋に関する施策を集中的に行なうために内閣に「総合海洋政策本部」を置くことも明示され、本部長に総理大臣を、副本部長に官房長官と新設する海洋政策担当大臣を充てる。 この法律成立までの経緯を振り返ると、日本財団の提案の後、05年11月海洋政策研究財団が日本財団の提案より一歩踏み込んだ「21世紀の海洋政策への提言」をまとめて公表。これを受けた形で06年4月に国会議員と民間有識者で構成する「海洋基本法研究会」が発足、同年12月に「海洋政策大綱」と「海洋基本法案」(概要)を作成した。これをさらに条文化し、超党派で今国会に法案が提出された。 日本財団は海洋を守るためにさまざまな活動をしており、03年5月から翌04年2月には船の科学館で北朝鮮工作船の一般公開を行い、04年11月と05年3月には沖ノ鳥島への視察・調査団を派遣した。この報告書の中で灯台設置の必要性を訴え、ことし3月の海上保安庁の沖ノ鳥島灯台設置につながった。さらに、海洋船舶に関する研究開発や安全航行のための国際協力、青少年に対する海事知識の普及活動への支援も事業活動の重要な柱にしている。 |