雨だってヘッチャラさ! 日野の屋外型保育所の子どもたち [2010年11月26日(Fri)]
円陣をつくって朝のあいさつ 「雨にも負けず、風にも負けず」と、宮沢賢治の詩の世界を再現したような、屋外型の保育所が東京都日野市にある。NPO「子どもへのまなざし」(中川ひろみ代表理事)が日本財団の支援で運営する「野外保育 まめのめ」で、1歳から6歳までの23人が土日・祝日を除く毎日、外の空気を胸一杯に吸い込んで元気に遊んでいる。 |
中川代表理事(左)と藤波事務局長 同NPOは、子どもの幼稚園が一緒だったことから知りあった中川ひろみさん(保育士)と事務局長の藤浪里佳さんが2008年3月「子どもの遊び場について感じていることを語り合う場」を企画したことがきかっけとなって活動を始め、日野市の「仲田の森」で毎週金曜と毎月第2土曜日に子どもたちを集めて子育てサロン・仲田の森で遊ぼうを定期開催している。09年4月には年齢の異なる子どもたちを充実した外遊びの中で育つようにとの狙いで東京・世田谷の「あおぞら園」を参考にして屋外型保育所「まめのめ」をスタートさせた。 みんなでリヤカーをひいて多摩川へ まめのめの基本は「子どもが自然の中で仲間と自由に遊ぶ」ことで、仲田の森や多摩川周辺で午前9時から午後3時ごろまで遊び回る。雨が降ってもカッパを着て、「とことん外で過ごす」のが特徴だ。猛暑が続いたこの夏も多摩川で真っ黒になって遊んだ。11月15日、子どもたちに付き合った。午前9時ごろから、日野市の運動公園に母親に連れられた子どもたちが集まってきた。寒くなってきても子どもたちは元気いっぱいで、公園内を歩きまわる。全員がそろうと、中川さんの「おはよう」というあいさつに続いて、子どもたちも一斉に「おはようございます」と声を合わせる。 段ボールを使って土手滑り この日は徒歩で10分ほどの多摩川に行き、川の中に石を投げたり、ススキの穂をとったりしたあと、小さなリヤカーで運んだ段ボールを使って土手滑りをやった。最初はうまく滑ることができなかった子どもたちだが、次第に要領が分かり、中川さんらと一緒に思い切り土手を滑った。勢い余ってほかの子どもにぶつかるケースもあるが、だれも気にしない。母親からは「自分の意見を言えるようになった」「危険なこともあると心配したが、自分で技を身につけることを知ったようだ」などの感想がある。藤波さんも「みんな丈夫で暑さや寒さを自然に受け入れている」と語っている。 河原は自然があふれている 同NPOはまめのめの活動のほか、子育て真っ最中のお母さんたちが企画した「母のための親育ち講座」を10月から11月にかけて連続して4回開催、子育ての不安や悩みなどについて語り合っている。(石井克則) |