通算で100上回る学校建設へ 福島の村ぐるみで支援も [2010年05月14日(Fri)]
ラオスの農村 アジアの途上国の山岳地帯に日本財団の支援で学校を建設しているアジア教育友好協会(AEFA)は、2010年度、25校の建設を計画、これまでの累計で102校となる見通しだ。設立して6年目を迎えたAEFAは、日本の学校と現地の学校の間の交流事業に自治体も参加してもらうよう見直しすることを計画、福島県飯舘村をモデルとして事業を進める方針だ。 |
新しくなるドンニャイ中の現校舎 AEFAによると、10年度の学校建設計画は、ベトナムが20校、ラオスが5校の計25校で、このほかタイでは遠隔地から登校する子どものために寄宿舎1棟を建設する。このうち、日本財団の助成で進めているベトナムの学校建設は、これまでに33校が完成しており、本年度は18校を計画、将来的に100校を目指す。さらに日本財団の寄付プロジェクト「夢の貯金箱」との提携も強化する方針だ。 ワンコインスクール・ポンタン小の開校式 AEFAは、建設した現地の学校と日本の学校でフレンドシップ協定を結んで交流する事業も進めているが、10年度は福島県飯舘村が、国際協力のために現地の学校建設と交流を希望しているため、ラオスの学校建設を目指して提携する。同村は福島県北部の標高約400メートルの阿武隈高地にあり、人口は6156人(推計、10年3月末現在)。周辺の市長村との合併をせず、自立の道を歩んでいる。09年9月、AEFAの関係者が同村内の小学校でラオスの子どもたちの実情について講演したが、これを聞いた子どもたちが学校建設を提案。村は12月にふるさと納税を活用した「ラオスに学校を贈ろう」というプロジェクトを発足させ、これまでに約100万円が集まった。 完成したポンタン小の校舎 AEFAはこれを基に、ラオス南部のサラワン県ドンニャイ村のドンニャイ中を11月にも着工する予定だ。自治体の支援による学校建設はこれが初めてという。同村では村内の学校に「弁当の日」を設け、年数回子どもたちが家庭で作った弁当を持ちより、浮いた給食費でドンニャイの井戸掘り用に寄付することも検討中だ。日本の子どもたちが1人500円を出し合って、辺境の子どもたちに学ぶ場を提供しようという「ワンコイン・スクール」の第1号がことし2月開校した。サラワン県のポンタン小で、仙台市立広瀬小はじめ全国から協力があったが、AEFAは、本年度もこのプロジェクトを継続する。6年目を迎えたAEFAについて谷川洋理事長は「教師の補充・養成に対する支援、教材の供給、中等教育奨学金制度と学校菜園・水田導入など資金創出プログラムの立ち上げなど多くの課題に果敢に挑戦したい」と述べている。(石井克則) |