シニアボランティア15人が交流会 NISVAが初開催 [2010年05月12日(Wed)]
交流会に参加したボランティアたち これまで培った技術を生かしてもらおうと、シニアボランティアをアジアの途上国に送り出している技能ボランティア海外派遣協会(NISVA)は4月15日、本年度派遣予定のボランティアを集めて、派遣前の交流会を初めて開催した。この交流会には、派遣予定の15人(うち夫妻ペアー5組)のほか、フィリピンから帰国したばかりのボランティア夫妻などが参加、それぞれが今後の抱負を語り、現地での留意事項などについて熱心に意見交換した。 |
NISVAは、草の根交流をモットーに、日本財団の支援で2005年1月から本格的に活動を始め、確かな技術を持ったボランティアをアジアの途上国に派遣している。同日集まったボランティアの派遣先はフィリピンに9人、スリランカとインドネシアに各3人で、5月から6月にかけて現地に入り、日本語や縫製、品質管理、衛生指導などをする。(写真:原田さん夫妻から海外での暮らし方を聞く参加者)
このうち、スリランカ・コロンボ市の日本スリランカ技術文化協会に日本語指導で行く横須賀市の横田孝子さん(62)には夫の慎二さん(64)が同伴する。孝子さんはこれまでNISVAとは別の団体から派遣されて中国・浙江省に2回、ウズベキスタンに1回日本語指導で行っており、「スリランカではどんな出会いがあるか楽しみです」と、意欲を見せている。また航空自衛隊を昨年12月に退職したばかりの東京都の波多野均さん(56)は、定年後はボランティアを目指し、日本語教育の集中講座に3か月通った頑張り屋だ。6月にフィリピン・バンガシナン州ダグーパン市の私立ラサレット学校に向け出発する。 横須賀市の横田さん夫妻/元自衛官の波多野さん スポーツニッポン新聞社で42年間記者として原稿を書き続けた横浜市の植野純寛さん(65)は、スリランカに行く。甲子園の高校野球や競艇の取材も担当したという植野さんは、趣味の釣りを生かして、既にスリランカで活動中の村上清一郎さん(72)=横浜市=とともに、北部のトリンコマリーという町で干物づくりの指導をする。 小柳津事務局長からスリランカの説明を聞く元新聞記者の植野さん(右端後ろ姿) この日は、フィリピンから帰国したばかりの波多野さんの前任者である東京の原田昭司さん(67)、恵津子さん(64)夫妻も参加し「1年間楽しんで行ってきた。あまり張り切らないで行ってください」(昭司さん)、「健康で行き、健康で帰ることができました」(恵津子さん)と話した。またフィリピン・南カマリネス州ナガ市で自動車整備の指導に当たり、一時帰国中の灰野正良さん(54)=北海道登別市=は、「フィリピンは待つ国です。現地の人たちが時間にルーズでも怒らないで、力を抜いてやってください」とアドバイスした。NISVA側も、シニアボランティアの基本として「日本の文化を持ち込まないで、自分がやれる範囲でやってください」と、注意喚起した。 NISVAは、創設5周年を記念して5月26に記念セミナーを開催、既に帰国した人やこれから派遣される人たちが参加して海外でのボランティア活動の在り方などを話し合う。(石井克則) |