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よりそって〜子育て相談室の窓から〜 [2011年11月29日(Tue)]

事務局 はちくぼですカエル

山科醍醐こどものひろばは、「コッペパン」という機関誌を発行しています。山科醍醐こどものひろばの前身である「山科醍醐 親と子の劇場」が発足した1980年に創刊し、30年以上続いているものです。

この「コッペパン」には、内容の濃い記事がたくさんあるので、これから時々ブログでもご紹介していこうと思いますクローバー
今日は、昨年から掲載のコラム「よりそって」より、記事をひとつ転載ですドキドキ大


よ り そ っ て  【第1回】 〜 子 育 て 相 談 室 の 窓 か ら 〜
 【渋谷郁子】(臨床心理士・スクールカウンセラー)
 <コッペパン 2010年6月掲載分>

「 ゴールデン・ウィークのある日,福井県にある恩師の家にお邪魔し,山菜とりに出かけた。恩師は現役を退いて数年たつが,足腰が達者でずんずん里山に分け入っていく。そんな彼女を必死で追いかけながら,私も目をこらしてワラビを探した。

つれられるがまま,数か所ある「ワラビ・ポイント」をめぐったが,どこに行ってもイノシシよけの錆びた鉄格子が地面にささっていた。聞けばここ数年,土地開発や天候不順で,食べ物が不足したイノシシが,ワラビや農作物を掘って食べるようになり,根こそぎ掘られたワラビは年々,その数を減らしているそうだ。あたたかい日ざしに包まれた,一見のどかなこの山で,人間とイノシシの攻防がくり広げられているのだった。

ちょうどそのとき,イノシシがワラビを食い荒らした現場を発見。イノシシが走り下りたと思われる崖には,黒々とした足あとが残されており,鼻息荒くワラビに突進するイノシシの姿が目に浮かぶようだった。その勢いにたじろぎ,「おのれイノシシ!春の楽しみを台無しにするとは」と思ってみれど,もともとイノシシの食べ物を奪ったのが人間だとすれば,口をつぐむほかはない。
「すべての物事は循環しているね。」と恩師は淡々と言い,私たちは山を後にしたのだった。

 帰りの電車で「すべての物事は循環している」ことに思いをめぐらした。私は,子育て支援の場や小中学校などに出向き,お母さんや子ども,学校の先生などの話を聞き,問題解決の糸口をさぐることをなりわいとしている。

メディアでも報じられているように,今の子育てや教育の現場は多くの課題を背負っていて,出口の見えない重苦しさを感じることもしばしばである。それでも,人と人との関係の中で,日々の生活が営まれていくとき,悪者さがしをしても仕方ないと,イノシシが教えてくれたような気がした。

親を,子どもを,先生を,誰かを断罪することで終わらせるのではなく,彼らが作り出す「人の輪」に寄りそって,そこに働きかけるのが私の仕事だと,確認できた。そして,何より印象的だった,イノシシのあのふかぶかとした足あと,あのしたたかな生命力,きっと誰の中にもあるその力に敬意を表したい,生きようともがく姿を受け止めたい,お土産のワラビとゼンマイをリュックにしまいながら,そんなふうに思った。」


コラム「よりそって」より、来週も記事をご紹介しますリボンお楽しみに…キラキラ

(事務局 はちくぼまりこ)
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