活動をふりかえって2〜さゆちゃんの場合〜 [2014年08月27日(Wed)]
子どもの貧困対策事業を応援して下さっているみなさま
いつもありがとうございます。 担当職員のうめはらです。 改めて活動で出会った子どもたちのことについて、みなさんに知ってもらおうと思います。 おかげさまで子どもの貧困対策事業は5年目を迎え、卒業生がボランティアとして活躍してくれる場にもなりました。 また高校も卒業し、専門学校への進学をしている卒業生もいます。 そんな卒業生に自分を振り返ってもらい色々と話を聞きました。 卒業生たちに話を聞いていて思うのは、 高校受験が大きな転機になり ここがただの居心地のいい場所というだけではないこと。 ひとりではどうしようもないことが高校受験で分かって 大人に頼ることが必要になって、活動で少しずつ信頼できて 自分から大人に助けを求めることができる力をもてる。 そういう場所なんだということです。 今回はさゆちゃん(仮)の出会いから卒業までのお話しの そのAです。まずはその@からお読みくださいね★ その@はコチラから! ーーーーーーーーーーーーー 「ウチにも行ける高校ってあるんかな。」 と3年生になりポツリポツリとこぼします。 「まずは探してみよう!」 と一緒に高校探しから始めました。 家にパソコンがないさゆちゃん。 パソコン操作に慣れるためにも、時間をかけてゆっくりタイピングしていくことを大事にしました。 カタ…カタ…はじめは片手でしか打てない状態・・・ 『一緒にがんばろう!探そう!って言ってくれたことが、うれしかった。学校の先生にはこのままじゃ○○高校しか行けないぞ。どうするねん。と言われた。今思えば、うちにもっと勉強させるために脅しをかけたのやろうけど、それが当時は分からなかったし、見捨てられたと思った。』 「うちがんばるー!ここ行きたい!」 いくつか候補の高校をみつけることができました。 「学校の雰囲気とか、具体的な高校の話は学校の先生が詳しいよ。 中学校に行って志望校の資料もらっておいで。職員室に行くだけでもいいから。その後にここに寄ってくれたら愚痴はサポーターがいくらでも聞くよ!」 難しいかなと思いながらも少し試してみると・・・ 次の日に早速学校に行ってきたようで、資料をドヤ顔で見せにきました。(笑) 「じゃじゃーん!よゆう〜♪ なんか先生めっちゃよろこんでくれたー!」 と大喜び。 『先生にお前なんかが偉そうに高校行くとか言うな!って正直言われると思っててん。でも、すんごい大声で待ってたぞ!と言われた。うちも先生の気持ち分かってなかったなって思った。』 その後、学校の先生とうまくいきはじめると、学校にも少しずつ行きはじめました。 しかし、相変わらずクラスの雰囲気は入りにくく、保健室登校がしばらく続きます。 勉強会の方では、ほとんど90分間勉強をするようになりました。 「あ、ママがな電話するってー!」 勉強会後、さゆちゃんママから電話がありました。 「最近、さゆが家で勉強してるんです。できるだけ、集中できるように妹弟たちを連れてコンビニに行ったりしています。あの子ががんばれる力をくれて本当にありがとうございます。」 涙を流しながら電話をしてくれました。 『ママにもそんな遊ぶんやったら、お金もったいないし高校なんて行かんかったらいいんちゃう。って言われたこともあった。やから、ママに始めは相談できんかった。でも、応援してくれるようになってうちもっとがんばろうって思ってん。』 母親・学校の先生・そしてこの勉強会、さゆちゃんの周りに応援者が増えていきます。 そして、さゆちゃんはどんどん元気になります。 でも期待に答えなきゃというストレス、がんばろうと意気込んでいるのに 勉強が分からないイライラも同時に大きくなります。 「うちなんか・・・うちなんか・・・」 と涙をこぼすこともありました。 「大丈夫、今日こんなにできたやん!がんばってるし、みんなさゆちゃんのこと見てるよ。大丈夫。」 横でサポーターが励ます日々が続きます。 さあ、いよいよ受験まであと1カ月です。 ―――――――――――― 長いのでひとまずここまで! 次回は最終回です。 さゆちゃんの受験から卒業式をお伝えします。 1週間後に更新しますね☆ (うめはら) |