『子どもの日』は、子どもがいる人もいない人も、子育てを終えた人もこれからの人も、すべての大人が子どもたちのすこやかな成長を願う日にしませんか?みなさんに、子どもたちのことを考えていただくきっかけとして、2010年より低所得の子どもたちに向き合ってきたキッズドアの現場で見られる子どもたちの様子を、ショートエッセイにして5月1日から毎日1話、7話連続で配信します。 子どもの貧困ショートストーリー 第6話:「勉強嫌い」のレッテルを貼らないで! キッズドアの無料学習会に通ってくる生徒さんは、勉強が大嫌いな子がたくさんいます。授業もちゃんと聞いていない、宿題も出さない、定期テストを白紙で出したり、通知表が「オール1」という生徒さんもいました。 学習会も心配する親やケースワーカーさんに無理矢理連れて来られてしょうがなく。勉強する気もなく、口をついて出てくる言葉は 「高校なんか行かなくていい。勉強嫌いだし。」 しかし、彼らの強がりの裏には、「勉強が苦手」「問題が全然わからない」「自分は人より馬鹿だから」という間違った自己認識があります。 低所得の子どもたちの学力が低いのは、「塾に行けないから」というような単純な話ではありません。住環境が悪いので、もちろん勉強部屋はありませんし、勉強机がない子も珍しくありません。もし、家で勉強しようとすれば、ダイニングテーブルやちゃぶ台しかありませんが、狭い部屋ですから、1メートル先にはテレビがあって、家族がテレビを見ています。家では「御盆の上に参考書をひろげて勉強しているという高校生もいました。 家にはパソコンもインターネットもプリンターもありません。もちろん百科事典もありません。調べ学習の宿題が出ても、やりようがないので、宿題を忘れた振りをするしかないのです。 そうやって積み重なった、家庭学習のトラブルが、彼女たちを勉強嫌いにしているのです。 私たちの学習会では、できるだけたくさんのボランティアさんに参加してもらい、マンツーマンや少人数の個別指導で、生徒がつまずいているところから、ゆっくりと丁寧に教えます。小学4年生の時にはわからなかった分数の計算も、中学3年生できちんと教われば、みんな出来るようになります。授業ではまるでわからなかった文字式の計算も、正負の数も、必ずわかるようになります。私たちは.生徒が理解できるまでいろいろな教え方で、あきらめずに何度でも教えます。 「ここの先生は、私がわからなければ、教え方を変えてわかるまで教えてくれるからいい」 はじめて、問題が解けた時の子どもたちの笑顔は最高です。 「自分は馬鹿じゃない」「私も勉強できるんだ」 そうやって少しづつ、積み重なった劣等感をはがしていく事で、子どもたちは見違えるように変わります。 「高校なんかいかなくていい」と言っていた生徒が、一生懸命高校選びのガイド本を読んでいたり、雪で自転車にのれないからといつもの3倍の時間をかけて終了間際に学習会に来てくれたり、部活の練習試合の前に補習に来てくれたり。みんな楽しそうに勉強するようになります。 宿題をやって来ない子、忘れ物が多い子、服装がだらしない子、学校行事や保護者会に一度も顔を出さない親、そんな子どもやご家庭の苦しさを理解せずに「やる気のない子」「ダメな親」とレッテルを貼ってしまっているのは、私たちではないでしょうか? キッズドアでは毎年高校受験の指導をしています。成績がオール1だった子も、「俺は高校なんか行きたくない」と言っていた子も、みんな高校に行っています。 ちょっぴり誇らしげに制服を見せにきてくれたりする時が私たちの最高の喜びです。 キッズドアは、私たちの活動を継続的に支援してくださるマンスリーサポーターを募集しています!マンスリーサポーターは月々1000円から子どもの学習を応援することができます。 ☆マンスリーサポータのお申込→http://www.kidsdoor.net/supporter/ *-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-* ♪♬♪祝!子どもの日WEEK♪♬♪ 『子どもの日』はすべての大人が子どもの未来を考える日にしよう |