旅立ち [2009年04月08日(Wed)]
ここ大阪は、桜、満開、春、本番です。春の風が穏やかな4月は入学、就職の季節です。
「どうやった?」と恐る恐る問いかけると、彼は「受かったよ」とはにかみながら答える笑顔、実は彼は私の患者さんで、この冬受験勉強で無理をしたためか病状が不安定となりそっちの方も心配していましたが、検査結果も安定してひとまず安心、隣のお父さんは「合格してすぐに先生に連絡しようと思ったのですが」と、「連絡して下さったら良かったのに」と私は答えながら、そんなことはもうどうでもよく、「よくがんばったね」と話をしながら私の声は少し上ずって目は潤んできました、と見るとお父さんも少し涙目で、そんな二人を傍らに彼は終始、にこにことして、3人で共有する空間にこれまでの苦労や今の喜びを分かち合う共有の時間が流れ、これから始まる彼の大学生活が素晴らしい充実したものであることを願うばかりで、彼は膠原病を患い定期的に外来通院しながら中学、高校と通い、小児科医にあこがれてこの春医学部を受験し、晴れて合格したのでした。 小児がんを克服した女の子もこの春、大学を卒業して、小児病院の看護師として社会人のスタートを切りました。小児がんで夭逝した男の子の弟さんも、この春、医学部を卒業して、小児科医を目指して働き始めました。 若いあなたたちの未来に幸あらんことを祈るばかりです。応援しています。 by Ohta |