薬 2 [2008年03月12日(Wed)]
抗がん剤で髪の毛が抜けることはなんら辛い事ではありませんでした。小児がんの子供ばかりが集まっている病院ですので、髪の毛がないのが当たり前、あるほうがはずかしいくらいです。抗がん剤を投与して数日がたった朝、毛が枕にごっそり抜けて付いていました。初めての体験でしたのでびっくりしましたが、その日の私の病室の担当看護師がなれた手つきで「じゃあコロコロでとろかー。」「髪は自分で洗う?辛かったらパパッと看護師さんが洗ったるで。」と言ってくださったので、なぜか気持ちが安心したのを覚えています。看護師さんの何気ない態度や対応の仕方で安心できるものです。一生に一度しか経験できないであろうスキンヘッド(数本髪の毛は残っていましたが)を体験できたので、とても貴重な経験だったと思います。
抗がん剤の副作用は思っていたものとは違うものが辛かったです。私の最初のイメージでは、口から食べられなくなる気分の悪さなどが一番辛いと思っていました。しかし今の化学の進歩で、胸の管から栄養は取れますし、痛み止めもすごく効きましたので全然辛くありませんでした。個人差はあるかもしれませんが、実際に辛かったのは口内炎です。口の中、食道すべてがただれました。ひどい時は唇が二重になってくっつき、喋れなくなるほどでした。咳やくしゃみをするだけで、身がポロッととれかけましたし、常に血はでていました。痛み止めも現在の医療は進歩しています。麻薬を使ったりして、ほとんどの痛みは耐える事ができました。しかし、苦しいのだけは痛み止めではとれません。とにかく、早く抗がん剤をやめたいという思いした。 剛直 |