小児がん治療の集約化(後) [2012年02月07日(Tue)]
前置きが長くなりましたが、日本における小児がん医療の今後の方向性が決まろうとしています。
いろいろありますが、ひとつは「集約化」です。 小児がんは希少ですから、今のように全国各地のたくさんの施設で治療をしていると効率が悪いし、医療の質も低下する。だから集約化しようという方針です。 メリットは治療施設による格差がなくなること デメリットは、限られた施設でしか治療を受けられないので、治療のために遠方の施設に行かなければならないことです。 具体的に言うと、日本では200以上の施設で小児がんの治療をしています。これを東京に小児がんセンターをつくって、日本全国すべての小児がん患者さんをここだけで診療しよう、というのが集約化です。 もちろん極論です。何施設に集約するか、どのように集約するか、ということを考えなければなりません。 しかし多かれ少なかれ「集約化」するということは、自分の住んでいる都道府県では小児がん治療を受けることができない人が出てくる可能性があります。 それでもよいか、ということです。 それは困るから、集約化するにしても各都道府県に1つは小児がんを診ることができる病院が必要だ、という結論は小児がんの発生数から考えると「集約化」とは呼べないと思います。 いかがでしょう? 自分の子どもが小児がんになったら、病院までどれくらいの距離であれば通いますか? 自宅から遠く離れた病院まで来て、無機質な病院だったら、残念ですよね。 もし日本で小児がんの集約化が実現するのであれば、その病院はチャイケモが目指している「家のような病院」「がんになっても笑顔で育てる病院」であってほしいです。 ちなみに私は「集約化」賛成です。 日本に5つくらい、充実した小児がん治療を受けることができる病院があれば良いと思います。 あくまで、臨床現場のみで働いている一小児科医の意見ですから、科学的根拠はありませんので、あしからず。 みなさん、国の小児がん医療対策の方向性をしっかりと見守ってくださいね。 s.kusuki facebookでも記事を配信しております。 よろしければ、チャイルドケモハウスで検索し、友達申請をしていただけるとありがたいです。 |
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