私が受けた間違った医療 [2008年09月19日(金)]
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首にコリコリができるようになってから、手術まで約3ヶ月。
コリコリはだんだん大きくなってきましたが、最初にかかった耳鼻科では新たな検査もせず、治療方針が変わることもありませんでした。 そして「 治らないので大きな病院で手術を 」 ということになりました。 手術前に「 顔面神経の麻痺が残るかも 」 との説明を受けました。 コリコリが小さければ、そのリスクも少なかったと思いますが、幸い合併症なく手術が終わりました。 手術の傷跡が少し大きくなったことを除けば、 発症から手術までの期間が3ヶ月と長かったことは、治療内容や予後に影響しません。 問題はここからです。 「とってみないとわかりません」 手術前によく聞く言葉です。 確かにその通りなのですが、正確には 「とるだけでは、わかりません。手術前に、いろいろな病気を想定し、適切な検体処理をして正確な診断がつきます」 です。 具体的に言うと、私の場合「悪性リンパ腫」という病名ですが、B細胞タイプやT細胞タイプなどいろいろ種類があり、治療方針も異なります。 化学療法で使用する薬剤も異なります。 このB細胞タイプやT細胞タイプを調べるには、手術でとった検体を適切に処理する必要があります。 つまり、いろいろな検査をするためには、検体をいくつかに分けて、異なった保存方法や処理をする必要があります。 しかし、私の場合「おそらく良性腫瘍だろう」 と耳鼻科医だけで判断され、とった検体はすべて「ホルマリン」という保存液につけられてしまいました。 約20年前にそんな検体処理をされてしまえば、B細胞タイプなのかT細胞タイプなのかわかりません。 手術の前に小児科医に相談していれば、このようなことにはならなかった、とのことでした。 ですから私の悪性リンパ腫は、B細胞タイプかT細胞タイプかわかりません。 当時の主治医は、どちらでも使えそうな治療方法を選択しました。 もちろん、必要以上の治療がなされています。 あれから20年たった今、医療は進歩し、腫瘍の遺伝子診断などもできるようになり、診断の精度が高まってきました。 ただし、これにも手術後の検体処理の方法が重要です。 何も考えず、すべてを「ホルマリン」に入れてしまえば、わかるはずのこともわかりません。 同じような間違った医療は、残念ながら現在も存在します。 長年、小児がんにかかわっている医師なら「悪性リンパ腫」のこういうケースを経験されている方も多いのではないでしょうか。 私は小児科医になったので、「あの治療はおかしい」と気付くことができました。 気付いたことがよかったかどうかは微妙なところですが、、、。 間違った医療を少しでも減らすためにも、小児がんの啓蒙活動は必要なのです。 s.kusuki |





