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ボーダーのためではなく、ボードのために。 [2007年06月12日(火)]
月曜日のゼミを、朝一番に招集して、スケートボードのオリンピック種目化について討議した。根本的な「スケートボードはオリンピック種目化すべきか否か」から、具体的な「スケートボード競技組織の形態」まで、結論を求めず意見を出し合った。呻りながらも、月曜日9時の段階で、この問題について侃々諤々議論をしているのは我々だけだということを想像して興奮を覚えた。

JOCに電話して加盟団体規定をお送りいただいた。お忙しい中恐縮である。
日本スケートボード協会(AJSA)は、1982年の創設以来、普及活動を行ってきたが、会員として競技者が登録加盟する典型的な競技団体ではない。
しかし、JOCの加盟団体規定で見る限り、この点での制限はない。9条2項の国際連盟の有無などが引っかかるぐらいだろうか。AJSA特有の会員制度も規定上も制限されてはいない。寄付行為9条にいう分担金も、正加盟団体で年間10万円、承認団体で年間5万円程度だそうだ。

こういうときは直接会わなくてはいけない。
日本スケートボード協会に朝から電話して、夕方に事務所に押しかけた。

ドーピング・コントロール・オフィサーの資格がもうすぐ取れる本学教員、英語ができる研究生も一緒だったので、内容は多岐にわたった。AJSAの下に、競技者団体を作る可能性、全く新しい、中心を持たない組織のあり方など、話題に欠かなかった。結局、横山事務局長には3時間近くお時間を頂くことになった。

「私は、協会はスケートボードに乗るスケーターのための組織というより、スケートボードというシンプルだが奥深い道具を普及するための組織というイメージを最近持っています。スケートボードに乗る人にはいろいろな人がいる。その一人一人の行動の責任をスケートボードという道具に負わせるべきではない。一部不評なのは理解しています。しかし、それはスケートボードの責任ではない。だから、真のスケーターを「スケートボードに選ばれた人」といっている」と横山事務局長は言う。

AJSAのサイトには質問例集がある(左欄「質問例集」をクリック)。以前に読んで、その一つ1つの表現に感心し、書いた人に会ってみたいと思っていた。目の前にいる人がその人だと確信した。

Q:家の近所で滑れる場所がドンドン無くなっています。ちゃんとした場所を作るには何をすれば良いの?
A:その前にちょっと考えましょう。場所が少なくなるっていう事は、人に迷惑をかけて追い出された訳ではないのですか? それなら場所が少なくなって当たり前だし、役所に頼んで作ってもらうなんて無理です。
問題なければ方法はいくつかあります。最近、多いのは署名活動ですね。具体的には様々なHPで紹介されていますから参考にしてください(アドレス教えてくれなんて言わないでね。自分で探す程度の根気がなければ、あなたには無理です)。もう一つはズバリ自分で作るです(出来てりゃ相談しませんね、スミマセン)。昔に比べれば、かなり良い環境になってきているとは思いますが、近所に欲しいというのも理解できます。そのためには近所の人達にも理解して貰うことが最重要だと思います。迷惑スケーターなんてもってのほか。あとは根気と粘りのコミュニケーションです。
乱暴な説明で申し訳ありませんが、これが様々な施設の設立に関わった私達の意見です。頑張りましょう。(AJSAサイトより)

自宅に戻るために駅を降りると20代と思われる3名のスケートボーダーが滑っていた。「オリンピック種目になること知っている? どう? 反対だよね。」と声をかけてみると
「うーん、そうだね。反対だな。スケートボードがスポーツになっちゃうよ」
「でも別にあってもいいんじゃねー」
「あーそうだなっ」
昔はAJSAの大会にも出ていたと言う青年達の意見であった。
話し方はともかく「スポーツ化への抵抗」は剣道部の学生と話している感覚と同じだ。「あってもいいんじゃねー」という寛容性はスケーターの方が上か・・。

今週の私の授業では必ずこの話をしよう。そして2012年。卒業した学生達が日本代表選手の活躍を見ながら、2007年6月に出発点を目撃したことを思い出してくれたら、ささやかだが最高だ。
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