2010年3月15日、多良間村 村議会定例会で「多良間村ヤシガニ(マクガン)保護条例」の条例案が可決されました。
ヤシガニは、近年、その分布域で過剰捕獲や自然環境の悪化によって大型個体を中心に減少傾向にあるとされていて、国内でも環境省・鹿児島県・沖縄県でいずれも「絶滅危惧II類」に区分されています。沖縄では、特に近年、珍味食材などとして過剰に捕獲されているようです。そのような状況をうけてか、近年、研究の方も国内で研究が盛んになっていて、様々なデータがでつつあります。しかし、現在までに、国や沖縄県から実効的な保護・保全策は何一つとられてきませんでした。
水産物とは見なされていないし、商業利用もされているから自然保護系の法律などでしばるのも難しそう、ということで、どうしたものかと思い悩んでいましたが、「地域の自然は地域で守る」という、昔ながらというか、当たり前のことにハタと気付き、島単位(市町村単位)でなんとかしてみようと思い立ったのです。で、昨年、
宮古島(2009年8月15日)や
多良間島(2009年10月7日)にてマクガン(ヤシガニ)の講演会や博物館企画展を行い、マクガン条例の制定を含めた保護・保全の必要性を訴えてきました(
新聞記事、
ウェブマガジンの記事)。
多良間島では、ヤシガニと島人との関わりについての聞き取り調査を2年前から行っていましたが、話題にこと欠かない状況で、ヤシガニと人とが豊かに繋がっていることを感じさせられていました。講演会の後の飲み会でも、島人たちのマクガンへの熱い思い相当感じることができました。その後、マクガン条例を検討しているという話を時折聞いていて、何度か成熟サイズのデータや用語について相談を受けていましたが、まさか、これほどまでに早く条例案が村議会にあがるとは思ってもみませんでした。
今回の条例、いろんな意義があると思うのですが、僕としては以下のような点を強調したいです。
1. ヤシガニ資源を守るための国内初の実効的な保護・保全策であること
2. 条例案は島人によってつくられたもので、地域主導の保護・保全策であること
3. 違反者に罰則規定があること
4. 活用しながら守っていくというスタンスであること(食べることによって維持される島人とヤシガニの関係や、それにより産まれる文化などが次代に引き継がれる可能性を保つ)
条例ができて、それで終わり(ヤシガニが守られる)という訳ではありませんし、これから考えるべきことも沢山あるとは思いますが、「今まで何もなされてこなかった」ことを考えれば、この一歩はとてつもなく大きなものだと思います。本当に嬉しい。
「多良間村ヤシガニ(マクガン)保護条例」については、以下のメディアに掲載されました。
2010年3月16日の沖縄タイムス
2010年3月16日の宮古毎日新聞
2010年3月17日の琉球新報