【レポート3】もらう責任、提供する責任(NPO支援財団研究会シンポジウムinみやぎ) [2007年10月14日(Sun)]
昨日仙台で開催された「NPO支援財団研究会シンポジウムinみやぎ」のレポートをお送りします。
第三弾は、パネルディスカッションの内容を荻上メモでお送りします。 【レポート3】 NPO支援財団研究会シンポジウムinみやぎ パネルディスカッション ■テーマ もらう責任、提供する責任 それぞれに求められるアカウンタビリティ(説明責任)について ■コーディネーター 紅邑晶子さん(せんだい・みやぎNPOセンター) ■パネリスト ・中村祥子さん(グループゆう) ・田中ヤ子さん(仙台いのちの電話) ・国松秀樹さん(キリン福祉財団) ・水野淳二郎さん(三菱財団) ・加藤哲夫さん(せんだい・みやぎNPOセンター) ■紹介 ○キリン福祉財団について ・キリンビール創立75周年と国際障害者福祉年を記念して設立。 ・公募型と非公募型の二種類の助成制度がある。 ○三菱財団 ・三菱創業100周年を記念して、三菱グループ各社が出資して設立。 ・研究助成と社会福祉事業助成の二種類。 ・社会福祉事業については、件数的は3割、金額的には4割はNPOへの助成。年々比率は増えてきている。 ○みんみんファンド ・地域で地域を支えるコミュニティファンド。 ・地域の企業、NPO、個人がパートナーシップを組んで運営する。 ・もらう責任、提供する責任を重用視し、情報開示を徹底している。(NPO情報ライブラリー) ■パネルディスカッション ○審査の方法について ・審査の中で面接をすることで、申請内容のより深い理解につながる。また、面接をすることで、自分の財団では無理でも、他の財団を紹介するなどのケースもある。(三菱財団) ・申請書が届くのはは締め切り間際の一週間に集中。(キリン福祉財団) ・助成総額を300万円増やし、総額3,300万円に。上限は30万円。(キリン福祉財団) ・申請者の7割は任意団体。3割がNPO法人。採択率は2割5分。(キリン福祉財団) ・選考員会の委員には有名人はできるだけ入れない方針。名前貸しではなく、しっかり審査に関わってもらうほようにしているので。(キリン福祉財団) ・書類審査のみで面接等は行わない。(キリン福祉財団) ・推薦文が必要だが、形だけの推薦文にならないように、できるだけ現場に近い人の推薦文を要求している。(キリン福祉財団) ○もらう側の責任 ・もらう側の責任としては、一つの団体だけのメリットにしてはいけないということをずっと考えてきた。(グループゆう) ・もらうことの責任の重さは、たとえば、ものを買ったときにそのものが壊れてしまったときにはとてもドキっとするなど。(グループゆう) ・アメリカのNPOでは、助成金の決定通知のようなものを事務所に貼りだし、見えるかたちにすることを心がけている。こうすることで、自分たちの意識、社会からの信用などが高まる。(コーディネーター) ○提供する側の責任 ・審査基準だけでなく、どこまでできれば何点になるのかという程度基準もあわせて公開している。(みんみんファンド) ・提供する側も助成する事業に対して期待する成果の目標設定をし、もらう側も助成される事業で達成したい成果の目標設定をすることが必要。(みんみんファンド) ・NPOの事業報告書(法律で義務づけられている)の現状は惨憺たるもの。事業報告書が1ページしかない団体が多い。これではNPOが社会的信用を得るのは難しい。 ・NPOが社会的責任を得られるように情報公開をし続けられるように、NPO情報ライブラリーに取り組んでいる。(みんみんファンド) ・コミュニティファンドの場合は、集める側と使う側がばらばらではなく、一緒に責任をもって取り組んでいく姿勢が必要。(みんみんファンド) ・助成財団は提供する側の責任だけでなく、出資者に対するもらう側の責任も果たさなければならない。(三菱財団) ・助成金はみんな「他人のお金」であるということを重く受け止め、責任もって提供する、もらう必要がある。(三菱財団) ・助成した事業そのものが社会に対する説明責任ともいえる。(キリン福祉財団) ・事業評価については、できるだけ現場に行き学ぶことに力を入れている。(キリン福祉財団) ・事業評価に取り組んではいるが、社会に対してリリース(公開)することまで出来ていないのは課題。(キリン福祉財団) ・助成金の多くは人件費はつかない。つまり人件費はNPOが持ち出しているので、NPOももっと自信をもって対等な気持ちで助成財団とつきあう。(グループゆう) ・事業評価については次の3つの視点で見る。1:計画時のことがどこまで実行できたのか、2:成果が出なければ延長する、3:短期的な評価だけでなく長期的視点で。(トヨタ財団) 以上 |