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【レポート】加藤哲夫さんのレクチャー「NPOの資金源とその調達方法」【NPO資金講座(福岡編)】 [2006年10月11日(水)]
NPO資金講座(福岡編)のレポート第一弾!
せんだい・みやぎNPOセンター代表理事の加藤哲夫さんのレクチャー「NPOの資金源とその調達方法」について、私なりに抜粋してご報告します。

【レポート【加藤哲夫さんのレクチャー「NPOの資金源とその調達方法」】】

■せんだい・みやぎNPOセンター
・1997年設立。民設民営。
・市民活動センターの指定管理者に。
・地上7階、地下1階のビルの管理運営中。(指定管理者)

■参加型ワークその1
・ポストイットに、
上半分:団体として今必要な、欲しい、夢を実現するための金額
下半分:いつまでに、なぜ必要か
を記入する。
・お隣さんと二人一組になり、1分間でお互いに説明しあう。
・限られた時間でいかに伝えることができるか。この訓練は非常に重要。
・このポストイットを手帳の最初のページにはり、毎日見て思いを確かにしてほしい。そうすることが実現につながる。
・団体のビジョン、目標は、団体のメンバーで共有することが重要。
・そのために、言語化し、見えるところにはることは有効な手段。

■そもそもNPOとは?
・世の中の人から自分たちNPOがどう思われているか、ということについて調べたことがあるか?
・NPOの人は、自分たちがどう思われているか?ということを考えていない、気にしていないことが多い。
・社会を変えていくには、そもそも今はどうなのか?どう考えているのか?ということを理解しなければだめ。
・公務員がNPOについて分からない、理解できないことのトップ2は、
@資金源はなに?
A動機はなに?(活動がなぜ起きるのか)
である。
・公務員がNPOについてわからない、理解できないことのトップ5は、
@資金源
A動機
B横文字
CNPO法人という団体
Dわからない人たちとの協働といわれてもさっぱりわからない
・ボランティア=無報酬で奉仕したい人=奇特な人という先入観。
・ボランティア=安く(無償で)使える便利な人たちくらいにしか考えていない場合も多い。
・この先入観に基づいてるので、無報酬で奉仕したい人がなぜお金を必要とするのか分からない。
・まずはこの先入観を理解した上で、いかにして相手に先入観を捨ててもらうようにするかが重要。
・徳島県の新町川を守る会の中村さんの紹介。(http://www2.tcn.ne.jp/~nposhinmachigawa/)
・新町川は市民自身の庭、自分たちの庭をきれいにするのはボランティアではない、という考えを説明。
・無料クルーズで市民が川を目にする機会をつくる。目にすることで川が自分たちの問題として認識される。
・ボランティアという言葉が、自分と相手を区別してしまう、相手にとって他人事にしてしまうので、自分事であると説明している。
・言葉の使い方はとても重要。特に、ボランティアという言葉は手垢がついてるので、使い方には十分に気をつけること。
・市民活動とは、市民による「自発的」な問題解決行動。
・「自発的」であるがゆえに、無償であることが多い。
・問題解決行動には、アドボカシーと市民事業の二つの方向性がある。
・行政からの見え方は、ボランティア活動=市民活動、市民活動=生涯学習、アドボカシー=抵抗勢力、市民事業=営利事業である。
・行政の政策に振り回され、市民が分断されてしまっている。

■参加型ワークその2(団体の把握)
・ワークシート(A4一枚)に以下の項目を記入する。
@顧客とニーズは?
A使える社会的資源は?
Bめざす成果は?
C解決策は?
・5分間で記入し、お隣さん同士で3分間で説明しあう。
・手段と目的を混同することが多い。
・顧客をきちんと把握できていない、さらにニーズはもっと把握できていないことが多い。

■市民活動的資金調達
・市民的公共性の3点セット。
@私・発の想い、悩みからはじめる。
A共感した人たちによる円卓会議から。(ヒエラルキー構造ではないのがポイント)
B資源の持ち寄りからスタート。
・外からの資金導入は、この公共性を壊す危険性がある。
・資源の「持ち出し」ではなく「持ち寄り」という感覚が重要。
・長く続けることがすばらしい、短い人は悪いという考えは改める。

■活動と組織を分解して考える
・市民活動は、「運動」「事業」「教育」の3つに分解できる。
・教育=人材育成。ここにしっかり取り組んでいる団体は成長する。
・自分たちの活動の中で教育的要素を見つけ出すと、次のステップへのきっかけとなる。
・教育とは本来公益活動である。しかし、日本では教育は行政サービスと認識されている。
・組織は、「受益者」「支援者」「担い手」の3つに分解できる。
・分解した各要素ごとに見直すことで、自分たちの問題点が見つかる。

■NPOの資金源
・なぜ税金を払うのか?
・納税は公共サービスを受けるための「取り引き」ではない。国家的規模の「持ち寄り」である。
・なぜなら、納めた税金は自分のためだけに使われるわけではないから。
・NPOも
・共感性財源(会費、寄付、補助金、助成金)
・対価性財源(自主事業収入、委託事業収入)

■会費
・会員という制度設計をもう一度見直す。
・会費を出してくれる会員とNPO構成員である会員(社員=議決権あり)を区別して制度設計した方がよい。
・より多くの選択肢を提供することで、より参加しやすい環境を整備する。
・顧客には支援性顧客と受益性顧客がある。
・顧客の目で見てベネフィット(利益)は何かを見直す?
・安すぎる会費の問題。
・安いから会員が増える、高ければ会員が増えないという誤解。

■寄付
・資金に困っているが、そもそも寄付を集めたことのない団体が多い。
・自分ならどういうときに寄付するか?を問いかけることからスタート。
・本「一夜でわかる!「NPO」のつくり方」
・知り合いからの紹介、信用できる団体、使途が明確、小額、この4条件を満たせば寄付は集まる。
・ドネーションチケット/ドネーションパーティーなど、手法としては政治家のパーティーなどと同様。(手法としては学ぶべきことがある)
・政治家がパーティーチケットで1億円ものお金を集めるなら、1万円のパーティーチケットを千枚売り、1千万円の資金を獲得し基金とするようなことを、NPOでもしてみたい。
・ホワイトバンドのようなグッズ販売による寄付獲得。
・ツールがあれば寄付を獲得できる。ただし、ツールにはもの選びと活用の工夫が必要。ただ作るだけではだめ。
・助成金などをもらった後も、それをきっかけとして工夫することで、さらに寄付を集めることができる。(あの団体は助成金もらってうらやましい・・から次のステップへ)
・自分たちを説明するツールの作り方がカギとなる。グッズもその一つとなる。
・お金を調達する行為そのものがコミュニティに貢献するような企画デザインができるかどうか。

■自主事業収入
・参加者の受益者負担を適正に設計し、値段をつけること。
・ボランティア育成講習などで「ボランティア育成なんだから無料で」という誤解。
・プログラムが生み出す「価値」に対する値づけをする。
・貧乏な自分の懐を基準としない。
・講演料は重要な資金源となるので、団体の中で料金表をつくり、明確に金額設定することが重要。
・収益のみを目的とする事業を行うと危うい。ミッションとの整合性、関係性を重視することを忘れない。

■参加型ワークその3(商品)
・ポストイットに、団体の「商品」をリストアップする。
・商品の横に値段をつけてみる。
・商品の定義。商品とは次の5項目を満たしていること。
@名前がある。
A価格がついている。
B規格化されている。
C継続的に供給できる。
Dコンテンツとメディア。
・コンテンツを売るためのメディア(手段)とセットでなければだめ。
・どんなによい商品でも、売る手段がなくて売れなければ意味がない。

■受託(委託)事業収入
・NPO法人は、定款に記載している「目的と事業」に沿ったことしかしてはいけない。
・逆に言えば、「団体の目的とそれを達成するための事業」は定款に明記しなければならない。
・本来事業直結型・ミッション達成直結型
・収益のみを目的とする事業を行うと危うい。ミッションとの整合性、関係性を重視することを忘れない。

■宮城県のNPO調査結果(304団体)
・事業報告書のページ数が1ページしかない団体が63%。3ページ以下の団体は85%も占める。
・宮城県庁の指示する事業報告書モデルを真似ている団体が多い。
・このモデルには、記載例に組織の運営に関する事項の記載がない。これが問題。
・所管官庁が示す事業報告書記載例の影響力を排除し、団体に適した事業報告書の記載例の提供が求められる。
・この役割は各地のNPOセンター、中間支援組織に期待したい。

■みんみんファンドの紹介
・NPO情報ライブラリー。
・事業報告書(総会で使用している報告書)の提出を義務化。
・過去の助成金取得状況も閲覧できるようにしている。
・事業報告書をきちんと作成し、公開することが信用の第一歩なので、どんなに小さな団体でもしっかり取り組まなければだめ。

■まとめ
・そもそも本当に助成金が必要か?
・どうすれば、資金提供者の意向とマッチするのか?(良いことしてるからではダメ)
・公的資金導入の意味を全体に周知する。
・事業計画はPDCAサイクルで取り組む。
・終わりよければすべて良し。
・成果の社会化・公開・共有を忘れずに。

〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*

北九州編では時間が足りずにワークができませんでしたが、福岡編では要所要所でワークを取り入れながらのレクチャーとなりました。

今回のレクチャーのように基本を体系的に学ぶ内容の場合、ワークの時間があることで、基本→自分たちにあてはめて考える→理解が深まる→次の行動へのお土産、とつながりやすくなります。

私が書くのも僭越ですが、レクチャー内容の修正をきっちりとしてしまうところも、さすがは百戦錬磨の加藤さんですね!
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コメント
てらうちです。

勉強になりました。収益を上げそれを公益活動に使う、という本来の公益団体の機能を、ビジネスの観点からキチンと整理して、実現したいものです。

素晴らしいとりまとめ、ありがとうございました。

■てら
Posted by: てらうち  at 2006年10月11日(水) 10:26