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先輩研究者のご紹介(宮川 晃尚さん) [2019年07月08日(Mon)]
 こんにちは。科学振興チームの豊田です。
 本日は、2018年度に「ゼプトモル計測を可能にする超音波センシング」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、東京工業大学所属の宮川 晃尚さんから、専攻されている「分析化学」という分野について、コメントを頂きました。

<宮川さんより>
 私たちが普段聞いている音の周波数は20-20000 Hzだと言われています。このほかに、20 kHz以上の音波は超音波と呼ばれます。超音波は日常生活では特に意識することができませんが、メガネの洗浄や、化学物質の溶解に用いる超音波洗浄機や、胎児の超音波スキャン、魚群探知機など様々な分野で利用されています。この超音波を用いた一風変わった高感度分析方法の開発に助成して頂きました。研究の紹介は内容がマニアックになるので、博士課程学生の立場から、私の専攻する「分析化学」という分野について語り、分野外の人にも興味を持って頂けたらと思います。

 分析化学は有機化学のように化学の中ではメジャーな分野ではありません。しかし、分析化学は化学を扱う人たちが避けては通れない重要な分野です。例えば、新しい有機化合物を作ったとします。この物質が本当に欲しい物質かどうかを調べるにはどうすればよいでしょうか。また、この反応が副反応を伴うとき、どうやって欲しい物質とそれ以外を分ければいいのか。その欲しい物質がどれだけあるかを知りたいときにはどうすればいいのでしょうか。また、新しい材料を開発したとき、物性評価を行わなくてはいけません。これらに必要になるのが分析化学です。それぞれの目的に応じた分析方法があり、使い方を間違えると正しいデータが得られないため、それ相応の知識が要求されます。

 分析化学の面白さはその多様性にあると思います。私の知る限りでもマイナーな分析手法も含めて20種類以上の分析方法があります。そのそれぞれに物質の性質を調べるための原理があり、生化学、環境科学、有機化学などの幅広い分野をカバーしています。分析化学の研究を行う中で、たった一つの分野だけでなく、色々な分野に関する知識を吸収できることはとても面白く、研究の幅を広げてくれます。例えば、助成して頂いた私の研究だけでも、音響学、高分子化学、生化学、有機化学、環境科学などの知識を得て、研究に生かすことができました。専門に研究をされている方々と比べるともちろん劣りますが、研究においては知っていることが新たな研究に着手するきっかけになるため、重要であると考えています。

 また、もう一つの面白さは、新しい測定装置を自分の手で作り上げながら研究を行うところです。分析化学の研究では、今まで測定できなかったものを測定するため、既存の方法から変える必要があります。そこで、分析化学の研究者の多くは、測定装置を自作しています。自分の作製した装置で、今まで測定できなかったものを測れるようにできたときは、言葉にできないほどの嬉しさがあります。私自身、超音波を用いた新規の分析手法の開発を行っており、初めて超微量の分子を測定できたときは、声に出して喜びました。

自作した超音波による微量分析装置.jpg
図 自作した超音波による微量分析装置


 以上のように、私は他の分野を支え、幅広い知識を吸収し、活かすことのできる「分析化学」に魅力を感じています。今後もこの分析化学という分野に関わっていき、社会に貢献できたらと考えています。最後に、読んで下さった皆様が少しでも分析化学に興味を持って下されば幸いです。
<以上>


 研究室で何気なく使っている装置も、過去に多くの方々が研究開発を行ったから、正しい値を測定できるのですね。新しい装置を開発して、今まで測定できなかった世界が見えるようになるよう、頑張っていただきたいと思います。 またこのブログを通して、「分析化学」のように陽の当たらない研究分野を紹介することで、応援できるよう私達も頑張りたいと思います。

 日本科学協会では過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 09:40 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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