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先輩研究者のご紹介(門田 慧奈さん) 前編 [2019年05月13日(Mon)]
 こんにちは。科学振興チームの豊田です。
 本日は、2018年度に「野生シロイヌナズナの大規模解析から探る、炭素・窒素バランスが制御する気孔開閉応答機構」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、九州大学理学研究院所属の、門田 慧奈さんから科学豆知識についてコメントを頂きました。
 長編でしたので、2回に分けて掲載させて頂きます。

<門田さんより>
 こんにちは。今日は、私たちが実験材料に用いている「シロイヌナズナエコタイプ」の話をさせてください。
 シロイヌナズナは、世界で最も良く研究されている植物のひとつです。植物研究者以外ではあまりなじみのない植物かもしれませんが、ハクサイ、キャベツ、ダイコン、ワサビなどと同じ、アブラナ科の仲間といえば、身近に感じていただけるでしょうか。
 地面付近で葉を放射状に広げる、いわゆるロゼット葉をもち、成長が進むと茎が伸びて、四枚の花弁からなる白い花を咲かせ、種の入ったさやをつけます。

ブログ(1)  図1 シロイヌナズナ.jpg

図1 シロイヌナズナ(写真はColumbia-0系統)


 シロイヌナズナは高等植物の中で特にゲノムサイズが小さく(約125Mbp)、染色体数も少ない(5対)という特徴から、遺伝学的研究の実験材料として優れています。長い研究の歴史の中で突然変異の誘起から原因遺伝子同定までの手法が確立しているので、これまでに数多の突然変異体が作出され、遺伝子機能の解析に用いられてきました。
 一方、私たちは人為的に作出した突然変異体ではなく、野生のままのシロイヌナズナ、すなわち「シロイヌナズナエコタイプ」に着目しています。シロイヌナズナは北半球を中心にして、世界中に生息していますが、生息地によって形態や環境応答性などに違いがあります。このように、同じ生物種でありながら、生息地環境に適応して遺伝子レベルで分化した型のことをエコタイプと呼びます。シロイヌナズナエコタイプは同じ植物種が異なる自然環境にさらされた際、遺伝子レベルでどのような変化が起こるかを表した生きた事例であり、これらを研究に用いることで、人為的に作られた変異体では得られない、実際の自然界で起こる植物の複雑な環境応答メカニズムに関する知見を得ることができます。私たちはシロイヌナズナエコタイプを活用して、近年急激に進行している大気CO2濃度の上昇に植物が適応していくメカニズムについて研究しています。世界には少なくとも2,000以上のシロイヌナズナエコタイプが存在するそうです。もちろん、日本国内にもたくさんのシロイヌナズナが生息しています。もしよかったら、皆さんも探してみてください。

ブログ(1)  図2 様々なシロイヌナズナエコタイプ.jpg

図2 様々なシロイヌナズナエコタイプ

参考
Arabidopsis Biological Resource Center. https://abrc.osu.edu/(2019/04/23)
理研BRC実験植物開発室. https://epd.brc.riken.jp/ja/(2019/04/23)
日本植物学会編集 日本育種学会編集協力「植物学の百科事典」丸善出版(2016)


 同じシロイヌナズナでも、生息地環境の影響を受けて、遺伝子レベルでは異なっているとは驚きです。研究では様々な苦労もあり、立ち向かわなくてはならない敵(?)も数多く存在するそうです。そちらについては次回、後編にてご紹介して頂けるそうです。

 日本科学協会では過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 09:28 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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