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日本科学協会が"今"やっていること

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先輩研究者のご紹介(重野 裕美さん) [2019年04月22日(Mon)]
 こんにちは。科学振興チームの豊田です。
 本日は、2018年度に「アート制作を通した病児と中学生の交流による教育の可能性について」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられ、私立長崎精道小中学校美術科の非常勤講師をされていた、重野 裕美さんから研究についてコメントを頂きました。現在は、九州大学総合研究博物館 専門研究員としてご活躍中です。

<重野さんより>
 「私は、学校(美術講師)と小児病棟(アートワーク活動)という二つの現場にいます。子どもたちは、表現活動を楽しんでいる時、病気の有無に関係なく生き生きとした表情を見せます。

 以前、小児病棟のアートワークに、薬の影響で体調が良くない女の子が参加しました。その子は長期入院中で、おしゃべりや工作が大好き、このワークもとても楽しみにしていました。最初は無表情でしたが、徐々に目に輝きが増し、笑い声まで出てきました。お母さんと私たちは皆で喜び、いつにも増してとても温かい場となりました。

写真1.jpg
  親子での作品制作      飾り付けられた点滴スタンド
(小児病棟プレイルーム)

 様々な入院児と接する中で、子どもが体調のいい時にいつでも工作などが楽しめるように、プレイルームに材料や素材を入れる棚を設置することにしました(ドイツのミュージアムを参考)。この棚を入れる際には、お母さんたちや保育士さんと話し合い、簡単な模様替えも一緒にしました。皆、子どもたちの居場所を心地よくすることに心踊りました。棚には、私が勤務している学校の子どもたちがボランティアで作ったカットしたスポンジや紙類も入れました。 お互いに会えない子どもたちですが、今年1月末に、学校と小児病棟の子どもたちの合同展を長崎県美術館で実施し、作品を通して交流しました。

写真2.jpg
スポンジ材料づくり(長崎精道小中学校) フェルトボールづくり(小児病棟)

 この4月から3年間、私はオランダへ行き、アートが子どもたちにどのような喜びや可能性をもたらすのか、研究を深めたいと思っています。

 子ども達が笑顔になれる、素敵な研究だと思いました。これからオランダへ行かれるということですが、言葉や習慣も違う子ども達と交流を行うことで、どのような発見があるか楽しみです。また、慣れない海外での研究生活についてのお話も、機会があれば伺いたいと思います。

 日本科学協会では過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 09:12 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
先輩研究者のご紹介(南條 毅さん) [2019年04月18日(Thu)]
 こんにちは。科学振興チームの豊田です。本日は、2018年度に「カルボン酸の酸化的脱炭酸反応の開発と中・大分子の効率的合成への応用」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、京都大学大学院薬学研究科薬品分子化学分野特定助教の南條 毅さんから、助成時・直近の研究についてコメントを頂きました。

<南條さんより>
 現在の職場に赴任して間もないある日、とある化合物を合成しようと、α-ケト酸という普段あまり見慣れない化学種に酸化剤を作用させたところ、予期しない形で脱炭酸反応(CO2の放出)が起こり、なぜか縮合体を得ることとなりました(当初合成したかった化合物は残念ながら?全く得られませんでした)。
 有機化学分野も非常に成熟している現代ですので、どうせ同じ現象を誰かが報告しているだろうと思って必死に調べてみましたが、意外にそんなマニアックなことをやっている人は少数であることが発覚(もちろん見方によっては似たような現象が知られてはいますが)。
 せっかく発見したこの現象を上手く反応開発に利用できないかと思い、いくつかの戦略を練って笹川科学研究助成申請でも提案させていただき、学生さんと一緒に地道な実験を積み重ねてきました。
 その結果、見つけた現象を新しいエステルの合成法としてとりあえずは学術論文で発表することができました(下図)。

笹川ブログ.jpeg


 しかし、現状では「そんな単純な化合物を作るのに何でその方法をわざわざ使わなければいけないの?」という至極当然の疑問をぶつけられると、ぐぬぬ(反論できない...くやしい...)、という感じですので、「それなら我々の方法じゃないとできない、既存法で合成するのがもっと難しい分子を作ってやる!!」と日々奮闘中の毎日です。

 転んでもタダでは起きない!という強い意志をもって、地道に研究を続けていくことで新しい発見ができたようです。なかなか知ることのできない、研究の裏側が見えた気がしました。

 日本科学協会では過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 08:59 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
先輩研究者のご紹介(久島 桃代さん) [2019年04月15日(Mon)]
 こんにちは。科学振興チームの豊田です。
 本日は、2018年度に「土・草・モノ・人―それぞれの〈いのち〉の環からのライフストーリー」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、お茶の水女子大学所属の、久島桃代さんから助成時の研究について、コメントを頂きました。

<久島さんより>
 私が長年通っている福島県昭和村では、織姫と呼ばれる女性移住者の方たちの多くが、「からむし」という繊維植物との身体的、物質的な関わりを大切にしながら生活をおくっています。この研究では、日本の農山村に移住した女性たちがそこでの生活をなぜ続けていこうとするのかという疑問を、彼女たちと、彼女たちを取り巻く環境との関わりから解き明かそうとしました。

図1.jpg

福島県昭和村 久島撮影


 個人に自分の経験してきたことを語ってもらい、その語りから社会を考える調査としては、社会学を中心に行われてきたライフヒストリー(生活史)研究法やライフストーリー研究法といった手法があります。それぞれの手法は、語られた人生を社会―個人関係の産物とみるか、語り手と聞き手の言語コミュニケーションの産物ととらえるかで大きな違いがありますが、人生(=ライフ)をきわめて人間的な概念としてとらえている点で共通しています。これに対し私の研究では、地理学の視点から、人間と自然とが深くかかわりながら互いのありようを深く規定し合っている「場」の力に着目しています。自然との関係性について近年根本的な問い直しが要請されていますが、そうした議論の一助になればと考えております。


 久島さんは博士課程の時と、研究員として2回助成を受けられました。現在は任期付きの研究員として研究活動をされています。院生の頃と研究環境が大きく変わり、ポスドク研究者として研究を続けることの厳しさを痛感されたそうです。

 日本科学協会では過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 11:01 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
先輩研究者のご紹介(宇留野 彩さん) [2019年04月11日(Thu)]
 こんにちは。科学振興チームの豊田です。
 本日は、2018年度に「2段階近接昇華法で作製した銀ガリウムテルルの電子構造の解明と新しい太陽電池構造の開発」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、早稲田大学先進理工部電気・情報生命工学科所属の宇留野 彩さんから最近の研究について、コメントを頂きました。

<宇留野さんより>
 東日本大震災以降、再生可能エネルギーが注目を集めております。そうなると、日本の電力を太陽光発電だけで賄うことは可能なのか?といった疑問が浮かぶと思います。
 現在主流の太陽電池の材料はSiです。この太陽電池を用いた場合、原子力発電所1基分の発電量を得るには、山手線の内側すべてを太陽電池で敷き詰めなければならないと言われています。つまり今の技術では難しいというのが答えになります。

太陽電池 イラスト案 原発イラストあり.jpg


 現在、Siに代わる材料として、Siよりも光吸収率が高いカルコパイライト構造という結晶構造を有する材料が注目を集めています。中でもCu(In,Ga)Se2という化合物が盛んに研究・開発され、フレキシブル化まで実現しています。しかしInはレアメタルであり、Seに関しても毒性の懸念があります。そのため、私たちの研究室では、別の元素を用いた太陽電池材料の開発を行っております。具体的には、AgGaTe2という材料に着目し、太陽電池の開発を行っています。最近の研究では、2段階近接昇華法という方法を新たに考案し、低コストでかつ高品質なAgGaTe2が作製できることを明らかとし、環境に配慮した低コストかつ高品質な太陽電池の可能性を示唆できるものとなりました。
 現在の太陽電池の技術が進歩し、太陽光発電が日本の電力供給における大きな潮流となることを期待して日々頑張っています。


 最近、太陽電池が使われている場面を、よく見かけるようになりましたが、まだまだ性能不足だということに驚きました。環境問題は私達の生活にも直結するため、今後も頑張って頂きたいと思います。

 日本科学協会では過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 10:25 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
先輩研究者のご紹介(柏原 知実さん) [2019年04月08日(Mon)]
 こんにちは。科学振興チームの豊田です。本日は、2018年度に「環境DNA調査によるオオメジロザメの河川内生息域の解明」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、東京大学大気海洋研究所所属の、柏原 知実さんから助成時の研究について、コメントを頂きました。

<柏原さんより>
 多くのサメは海にしか住めませんが、オオメジロザメは川や湖などの淡水環境にも適応できるという特殊な性質を備えています。所属研究室では、この性質を利用して軟骨魚類の体内環境の恒常性維持メカニズムを研究しています。本研究では、自然環境化で淡水環境をどのように利用しているのかを調べるため、環境DNAを用いた分布・生態調査を実施しました。環境DNAとは、川の水に含まれている生物由来のDNAを調べることで、川にどんな生物がいるのか、自分が探している生物がその川にいるのかどうかを調べることができる技術です。生物を捕獲しないため、非常に環境に優しく、生態・資源調査などへの利用が期待される技術です。

図1.JPG

(図1.フィールド調査風景)


 今まで、オオメジロザメが川にいるのは夏だけだと考えられていましたが、本研究によって春や冬にも川にいる可能性が示されました。オオメジロザメは幼魚のときに外敵からの逃げ場として川を利用していると考えており、通年にわたって川で暮らしているのかもしれません。
 また、サメの環境DNAの性質は、サケなどの真骨魚のものとは異なっていることが示唆され、サメの環境DNAに適した調査方法を選ぶことで、より効率的な調査が行えることがわかりました。将来的には、他の調査法(トラッキングやカメラなど)を併用することによって、環境DNAの強みをさらに生かしていくとともに、オオメジロザメの淡水域利用の実態を明らかにすることが期待されます。


 サメの姿は見えなくても、いることがわかる不思議な技術についてでした。川にもサメがいるとは驚きです。

 日本科学協会では過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 09:04 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(9)
先輩研究者のご紹介(小林 亘さん) [2019年04月01日(Mon)]
 こんにちは。科学振興チームの豊田です。
 本日は、2018年度に「タクアン漬けにおける機能性成分産生機構の解析および血圧上昇抑制因子の解明」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、高崎健康福祉大学大学院 健康福祉学研究科 食品栄養学専攻所属の小林亘さんから、研究についてコメントを頂きました。

<小林亘さんより>
 「漬物」は和食の構成要素の一つであり、香の物として古くから各地で親しまれてきました。しかし、漬物の原料野菜や製造方法は多岐に渡ることから、基礎的な研究が不足しています。私が現在所属している松岡研究室では、地元農家の皆様のご協力のもとダイコンを収穫し、タクアン漬けの試作および機能性研究に取り組んできました。

写真3.jpg


 タクアン漬けは食塩と重石を用いた「塩押し」ならびに天日を利用した「日干し」による脱水処理後、数ヶ月間発酵熟成させて製造されます(図1)。これまでの研究で、ダイコンの脱水処理工程において、甘味を付与するアラニンおよびプロリンや、血圧上昇抑制効果を示すγ-アミノ酪酸(GABA)が蓄積することが報告されています。さらに、動物実験によるタクアン漬けの血圧上昇抑制効果が明らかとなっています。

図1 一般的なタクアン漬けの製造工程.jpeg

図1 一般的なタクアン漬けの製造工程


 この研究では、各アミノ酸の動態に関わる酵素活性ならびに酵素遺伝子について解析を行いました。その結果、伝統的な漬物加工技術が野菜の二次代謝機構を活性化し、酵素活性ならびに遺伝子発現を増大することが明らかとなりました(図2)。これらの研究成果については、食品科学工学会第65回大会および第42回群馬県分析研究会にて発表いたしました。

図2 ダイコンの脱水処理による二次代謝機構の活性化.jpeg
図2 ダイコンの脱水処理による二次代謝機構の活性化


 これらの知見は、多様な漬物野菜の育種、栽培、加工ならびに機能性開発に活用される可能性があります。また、漬物研究の基盤構築に寄与するとともに、和食文化の保護・発展に貢献できるものと期待されます。


 身近な食品についても、突き詰めていくと美味しいだけでなく、まだまだ分からないことがたくさんあるようでした。

 日本科学協会では過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 09:13 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(2)
先輩研究者のご活躍(白方 光さん) [2019年03月28日(Thu)]

 こんにちは。科学振興チームの豊田です。

 過去助成者の白方 光さんが日本学術振興会育志賞を受賞されました。おめでとうございます。受賞について喜びのコメントと、研究内容についてご説明を頂きました。

<白方さんより>
 この度、 第9回 (平成30年度) 日本学術振興会 育志賞を受賞させていただきました、 北海道大学の白方です。 育志賞は、天皇陛下より御下賜金を賜り、社会的に厳しい経済環境下で勉学・研究に励み我が国の学術研究の発展に寄与すると期待される博士課程学生の奨励のために設立されました。

 私は、「銀河と超大質量ブラックホールの進化・成長史の関連についての理論的研究」という研究題目で日本天文学会から推薦をいただきました。
 
 銀河はその中心に、太陽の10万倍以上の質量を持つ超大質量ブラックホールを持つことが知られています。私は、超大質量ブラックホールの (1) 誕生時の質量、(2) 周りのガスを吸い込んで成長する時間の長さの2点について理論予測を行い、どのような観測を行えば、これらの理論予測が検証できるかを示しました。

 今回このような栄誉ある賞をいただき、光栄に思います。今後も私の研究をより発展させていきたいです。


 日本科学協会では過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。ホームページにも受賞報告等をまとめてありますので、ご覧いただけると幸いです。
https://www.jss.or.jp/ikusei/sasakawa/grant.html

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 15:45 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
第6回サイエンスメンタープログラム研究発表会 [2019年03月27日(Wed)]

■2018年度メンティ 清水 杏


 2019年3月24日に東京都の多摩永山情報教育センターにて開催されました、研究発表会に参加させて頂きました。
 研究発表会に先駆け、午前中に桜美林大学リベラルアーツ学群の森厚先生に統計学についてご教示頂きました。私自身、今回が初めての統計学を学ぶ機会だったので苦戦する部分もありましたが、研究において今後生かせる知識がまた一つ増えたことに嬉しく思います。


 午後に行われた研究発表会では私を含め4名の方が発表をされました。研究内容の観点が十人十色だったので、凄いなぁと何度も圧巻させられました。自身の研究発表では、これまで行ってきた研究を様々な方の前で発表する事に緊張をしたのは勿論ですが、それ以上に質疑応答は準備が行えないので返答することが出来るのだろうかと不安が大きく、緊張をしていました。
 しかし、想定していたよりも落ち着いて返答を行う事ができ、自分が研究を行っている際に思いもつかなかった意見を多く頂いたり、今後、研究を続けるにあたり取り組んでいかなくてはならないことを指摘してくださったので本当に得るものが大きい時間となりました。


 2018年度のメンティとしての活動は今回で終了しましたが、この研究を通して沢山の方に協力をして頂いたり、発表の場を頂くことができたことに感謝をしています。特に共に研究を行った廣瀬美優さんが居たこと、日本科学協会の方々がメンティとして選んで下さり、柴田先生のご指導を受ける事が出来たことに感謝しています。
有難うございました。


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Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 16:06 | サイエンスメンタープログラム | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(6)
先輩研究者のご活躍(染谷隆夫さん) [2019年03月20日(Wed)]
 過去助成者の染谷隆夫さんが平成30年度中谷賞を受賞されました。おめでとうございます。受賞された研究についてコメントと解説を頂きました。


<染谷さんよりコメント>
 2003年に笹川科学研究助成を頂きました。このたび平成30年度 中谷賞を受賞しました。受賞対象となった研究題目は、「伸縮性エレクトロニクスによる生体情報計測の先駆的研究」です。中谷賞は、医工計測技術分野における技術開発の飛躍的な発展を期し、当該分野の研究者を表彰することを目的として、公益財団法人中谷医工計測技術振興財団が行う顕彰事業です。

 私の研究チームは、ナノテクノロジーを駆使した独自のデバイス技術によって、曲げたり、伸ばしたり、捻じったりできるゴムシートのような電子デバイスを実現し、「伸縮性エレクトロニクス」と呼ばれる新学術領域の基礎を築きました。伸縮性デバイスは、形状が大きく変形しても特性劣化や故障が起こらない驚異的な機械的な耐久性を示します。これを可能にしたのは、(A)カーボンナノチューブなど分子性材料をエラストマーに均一分散させた伸縮性導体材料と(B)ナノ寸法で精密に設計された蛇腹構造を組み合わせた独自技術です。伸縮性エレクトロニクスは、4つのステップを経て段階的に発展し、1週間連続して皮膚に貼り付けても炎症を発生しないという生体親和性に優れるエレクトロニクスに到達しました。

 伸縮性エレクトロニクスによって、人間の体のような3次元曲面に様々な電子機能を実現できるようになり、人体に直接貼ることによって、超高精度に健康状態を連続して活動中にモニタリングするための新しいバイオエレクトロニクスが生み出されました。装着時の違和感や負担を大幅に軽減できるため、医療・ヘルスケア、福祉・介護、スポーツなど幅広い分野への産業応用が進められています。柔らかさで人間との親和性を高めるというエレクトロニクスの新しい方向性が明確に示され、医工計測分野における新領域が切り拓かれました。

写真.jpg

写真 皮膚貼り付け型ナノメッシュ電極を手の甲に装着した。皮膚の形状にもピッタリと沿って貼り付いている。極薄で超軽量であり、自然な皮膚呼吸が実現されているため、装着感がない。


 近未来的な研究で、実用化が楽しみな技術だと思いました。

 日本科学協会では過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 14:24 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
先輩研究者のご活躍(木矢星歌さん、木矢剛智さん) [2019年03月11日(Mon)]
笹川科学研究助成、過去助成者の木矢星歌さんと木矢剛智さんの研究結果が、3月5日付の米国科学アカデミー紀要に論文として発表されました。また、3月7日付の北國新聞朝刊にて研究成果が紹介されました。おめでとうございます。

<木矢星歌さんよりコメント>
この研究により、昆虫の脳の中で活動した神経細胞を、緑色蛍光タンパク質により光らせて可視化する技術が確立されました。論文中では、ショウジョウバエの雄に雌との交尾を経験させた際に、脳内のどの神経細胞が活動したかを可視化した結果を報告しています(図1、緑色の細胞が活動した神経細胞)。

図1.jpg
図1

さらに、脳内で一度活動が起こった神経細胞を、光照射することによって人為的に再活性化する技術が確立されました。この技術を用いた実験では、過去に雌との交尾を経験したショウジョウバエの雄に光を照射すると、雌がいないにもかかわらず腹部を曲げる交尾行動が誘発されることが確かめられました(図2)。

図2.jpg
図2

これらの知見は、さまざまな昆虫の本能行動の神経メカニズムの解明に活用されることが期待されます。また、将来的には益虫の効率的な利用や、害虫防除への応用につながる可能性があります。


過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。

Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 11:08 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(222)
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