中国の若者が綴る“感知日本”―受賞作品のインスピレーション―
[2011年12月14日(水)]
中国の若者が綴る“感知日本”
―受賞作品のインスピレーション―
前回、作品を紹介した「笹川杯作文コンクール」(日本語版)の2名の優勝者から、受賞の感想と作品執筆のインスピレーションが届きましたので、紹介します。
まず、「津波被災地の少女への手紙」を書いた劉倩さんの感想は、
一生懸命、何度の何度も書き直した作文でした。それだけに、受賞の知らせを受けた時、とても驚き、うれしかったです。難しさがあり、いつも困っていますが、はじめてコンクールに応募した作文が選ばれるとは信じられませんでした。涙も止まりませんでした…(原文より抜粋)
「思いやりの心 -日本の大地震に思うこと-」を書いた羅紫薇さんの感想は、
この作文は、自分の経験を基づいて、心を込め、私の本音を伝えられるように一生懸命書いたものです。私の本当の思いを皆様に届けることができて、何よりだと思います…(原文より抜粋)
とそれぞれに感想を述べ、最後は、日中の相互理解の深化と友好の増進のために力を尽くしたい(尽くさなければならない)旨の言葉で感想文を締めています。
作品執筆のインスピレーションについては、全文を掲載します。
これらのインスピレーションにより、筆者が綴った“感知日本”をより深く感じ取っていただければと思います

東北大学の劉倩さん

中南林業科技大学日本語系4年 羅紫薇さん
創作のインスピレーション
東北大学日本語系4年 劉倩(「日本、私があなたに言いたいこと― 津波被災地の少女への手紙―」筆者)
薄暗い明りの中で、女の子が机に顔を伏せて眠っています。腕の下に一枚の紙があり、紙に曲がりくねっている文字が書かれています。
「ままへ、いきているといいね。おげんきですか」。
授業で配られた新聞でそのニュースを読むやいなや、涙が止まらなくなりました。この子がいつものようにお母さんの懐に寄り添えることをずっと固く信じていたのに。災害は静かな、穏やかな日常を一瞬にして奪い去ってしまいました。
少女の名前は昆愛海ちゃん。そんな美しい名前をもらって、どんな純粋な心を持っていたかということを考えると、とても痛ましいです。神様はなぜ愛海ちゃんを選んで彼女の家族を奪ったのか、なんで、そんな稚い心を傷つけたのだろうか。
「いきているといいね」。それは幼い子供が言葉に表した覚悟のように思われます。それはまさしく、幼い心の生命に対する賛美だと思いました。私は手紙という形で女の子に話しかけようと決めました。女の子にもわかるように書けば、「日本」への手紙になるかもしれないと感じたのです。
災難に面して、私たちは何ができるのか? 援助、交流、保護、励まし、思いやり。これらはすべて、手をつなぐことです。災難はいつ、どこで起きるか想像できません。人生が旅だったら、道は困難で満ちています。国を越えて幸せに生きるために、私たちは「手をつなぐこと」を将来もっと大切すべきだと思います。
創作におけるインスピレーション
中南林業科技大学日本語系4年 羅紫薇(「思いやりの心 -日本の大地震に思うこと-」筆者)
今年の3月11日に千年一度と呼ばれる巨大地震が東日本を襲いました。地震による津波や福島原発事故などで日本が全世界に注目されました。私は日本に留学していたとき、東京で今回の東日本大震災を経験しました。
地震から、すでに半年以上に経ったが、今でも記憶に新しいです。地震が発生したとたん、大きな揺れを感じました。もうすぐ死ぬかと巨大な瀕死感にせめられました。私は地震が死と絶望に結びついていると思うからです。私は言い知れない不安に襲われたが、日本人の温かい心遣いに心が癒されました。その国境を越えた温かさに感銘を受けました。日本にいても、私は一人ぼっちではないと気づきました。
目を覆うような災難が降りかかるけれども、人々の支えと思いやりの心は傷づいた心をなぐさめるでしょう。お先真っ暗でも、思いやりの心を持っていれば、共に乗り越えられる希望が芽生えるでしょう。その旨、ぜひ皆様に伝えたいと思います。
教育・研究図書有効活用プロジェクト室




愛海ちゃん、お元気ですか?
人間はお互いの支え合って生きてゆくものです。一人の力だけで生きてゆくことは誰もできません。何があっても、他人の気持ちを察して、他人の身になって考えることが大切だと思います。これこそ思いやりの心というものではないでしょうか。

