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日本のイタドリにみられる地理的変異の解明 ―在来緑化植物の地域性種苗の定着を目指して/木村元則 [2016年12月11日(Sun)]
2016年・第47回京都大会でポスター賞を受賞された木村元則さんからの投稿が届きました!

日本のイタドリにみられる地理的変異の解明
 ― 在来緑化植物の地域性種苗の定着を目指して

京都大学大学院 農学研究科 森林科学専攻 環境デザイン学研究室 博士課程1回生 木村元則
共同研究者:今西純一、今西亜友美、井鷺裕司、陶山佳久、柴田昌三


受賞ポスターはこちら!
Poster_Kimura2016.jpg


第47回日本緑化工学会大会・研究交流部門においてポスター賞を頂きました。私の研究は多くの方々のご協力の上で成り立っており、この場をお借りして御礼申し上げます。
このたびは私の研究について簡単にご紹介致します。

はじめに
生物多様性への配慮が叫ばれるようになって久しい現在、緑化植物についても遺伝的な系統まで考慮した地域性種苗の定着が急務である。本研究では、法面緑化に利用される緑化植物の中でも広域分布種であり、地域性についての早急な対応が迫られている植物としてイタドリを対象に国内自生個体の形質と遺伝子にみられる地理的な変異を明らかにする。

材料と方法
図1の採取地から採取したイタドリを対象に生態ニッチモデリング、ロジスティック回帰を用いた形質のマッピングを行った。また、上記のイタドリに外群としてカライタドリ(中国産イタドリ)を多く含む十和田八幡平国立公園内の法面に生育するイタドリを加え次世代シーケンサーを利用したMIG-seqによってSNP探索を行い、遺伝子型を決定し、STRUCTURE解析を行った。

kimura_01.jpg

結果と考察
1 生態ニッチモデリング
生態ニッチモデリングの結果、イタドリは北海道と東北地方の一部を除くすべての地域に分布しているものと推定され、様々な環境因子が分布を規定していることが明らかになった(図2)。

kimura_02.jpg

2 形質マッピング
ロジスティック回帰の結果、毛の多さの分布確率をモデリングできた。毛の多さは年降水量と年平均日射量と有意な関係性を示しており、マッピングの結果から北陸以北の日本海側を中心に家の多いイタドリが分布しているものと推定された(図3)。

kimura_03.jpg

3 STRUCTURE解析
外群としてカライタドリを加えて国内イタドリのSTRUCTURE解析を行ったところ、カライタドリは日本に自生するイタドリとは別クラスターに由来することが明らかとなり、また日本に自生するイタドリも3つのクラスターに由来することがわかった(図4)。この3つのクラスターは概ね西日本から中部のイタドリと関東のイタドリはそれぞれ1つのクラスターに由来し、北陸から東北のイタドリには他地域のクラスターを中心に独自の1つのクラスターを合わせた3つのクラスターに由来することが明らかになった。

kimura_04.jpg

以上より、日本に自生するイタドリには西日本〜中部、関東、北陸〜東北という大きく3つ地域性が確認できる。また、北陸〜東北の集団には形質マッピングの結果より、毛の多いイタドリが特異的に生育すると考えられる。

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今後は、形質、遺伝双方についてより詳細な地域性の検討を進めていきたいと考えています。



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