ムットーニからくり文学館HスペシャルナイトツアーT
[2019年10月09日(Wed)]
【前回の続き】
9月28日(土)、中原中也記念館で開催されている「ムットーニからくり文学館」のスペシャルナイトツアーに参加しました
8月10日から申込み開始だったのですが、偶然その日にチラシを見かけてすぐに申し込んだので、運よく、先着20人の中に滑り込むることができました。私が申し込んだ時点ですでに、各回とも半数は埋まっているとのことでした。何でも、全国から申込があるそうで、ムットーニの人気の高さが伺いしれます。(11月に後2回ありますが、キャンセル待ちなど受け付けていないそうですし、当日お申し出の方もお断りするそうです)
それに、「無料」(要入館料(320円))だなんて、中原中也記念館は太っ腹!
通常の展覧会が閉館した後、チケットをもぎってもらって受付に待機していた20名に「こちらにどうぞ」と声がかかりました。
懐中電灯の灯りの案内で、照明をほとんど落とした館内を2Fへと進みます。
まず、DVD室で「サーカス」の制作秘話の映像を見ました。
粘土で人形を作り出すところや、
タイムテーブルにそって何枚もの歯車を切っていき場面展開や光のコントロールに使うために何十回路の配線をするところなど、溜息がでるほど、緻密で精巧な作業の様子を垣間見ることができました。
落下傘奴のノスタルヂア
ということで、落下傘には苦心したこと
ボックスシアター「サーカス」の最初と最後の場面で遠景に出る茶色の落下傘の細密なこと! 落下傘にはちゃんと人がいます……。
どうなっているんだろうと思っていたので、1つ疑問が解決しました。
サーカス小屋のテントは茶色だけではちょっと寂しいので、青い線を入れたこと
サーカス小屋は疾風吹きすさぶ荒野にあるという設定にし、荒野にはやっぱり枯れ木ということで、葉っぱの繁った木2本を作ったけれど、使わなかったこと
だから、1Fの展示ケースに2体、展示してあるのですね。
ということは、チラシではサーカス小屋の後ろに木が写っていますが、これは制作途中の写真だったのですね。貴重です。
より効果的にするためターンテーブルでサーカス小屋が回るようにしたので、始め道をつけたけれどそれは没にしたこと
より前面に設置するため観覧席はカーブさせたこと
このカーブを出すのが、実は大変だったそうです。
観客の鰯は20体作ったけど、観覧席に17体しか座らせることができなかったこと
だから、1Fの展示ケースに3体鰯が展示してあるのですね。
プランコ乗りの名前はひとみさん。何故かというと、当時の絵葉書にその名があったから。この葉書は展示ケースにあること
後日確認したら、ちゃんと「ひとみ」と記されていました
色気は要らないということでひとみさんにタイツを履かせたこと
ホント、細かいですよね。
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん
ブランコは左右に揺れるだけではなく、リアルな動きを追求したこと
それの近くの白い灯が
安値(やすい)リボンと息を吐き
のライトに苦心したこと
こんな秘話を聴いたら、次に「サーカス」の上演を見る時の楽しみが倍増しますね。
そして、萩原朔太郎の詩「殺人事件」
殺人事件
とほい空でぴすとるが鳴る。
またぴすとるが鳴る。
ああ私の探偵は玻璃の衣裝をきて、
こひびとの窓からしのびこむ、
床は晶玉、
ゆびとゆびのあひだから、
まつさをの血がながれてゐる、
かなしい女の屍體うへで、
つめたいきりぎりすが鳴いてゐる。
しもつき上旬(はじめ)のある朝、
探偵は玻璃の衣裝をきて、
街の十字巷路(よつつぢ)を曲がった。
十字巷路に秋のふんすゐ。
はやひとり探偵はうれひをかんず。
みよ、遠いさびしい大理石の歩道を、
曲者(くせもの)はいつさんにすべつてゆく。
をモチーフにした「殺人事件」を見せていただきました。
この作品は前橋文学館にあります。
この「殺人事件」と今展示してある「題のない歌」と新作の「サーカス」が三大手間のかかった作品だそうです。
今までに制作された作品は全部で300作品くらいで、このような文学作品をモチーフにした作品は30作品くらいだそうです。
ということで、文学を題材とした作品以外の「ヘル・パラダイス」を見せていただきました。
美脚の美女(魔女?)が骸骨のビッグバンドの演奏に合わせて歌います。
(写真の左のチラシは2018年に八王子市夢美術館で行われた「ムットーニワールドからくりシアターW」、右は2019年に阪急うめだ本店で行われた「ムットーニ シアター in HANKYU」)
そして、会場に移動し、暗闇のなかでムットーニさんの口上つきのムットーニ・シアターが始まりました。
昼間の上演と違い、光の効果を存分に味わうことができ、ムットーニ・ワールドを堪能することができました。
それはそれはすばらしい贅沢で貴重な時間でした
記念館の外に出てみると、
屋外は真ッ闇 闇の闇
夜は劫々と更けまする
9月28日(土)、中原中也記念館で開催されている「ムットーニからくり文学館」のスペシャルナイトツアーに参加しました
8月10日から申込み開始だったのですが、偶然その日にチラシを見かけてすぐに申し込んだので、運よく、先着20人の中に滑り込むることができました。私が申し込んだ時点ですでに、各回とも半数は埋まっているとのことでした。何でも、全国から申込があるそうで、ムットーニの人気の高さが伺いしれます。(11月に後2回ありますが、キャンセル待ちなど受け付けていないそうですし、当日お申し出の方もお断りするそうです)
それに、「無料」(要入館料(320円))だなんて、中原中也記念館は太っ腹!
通常の展覧会が閉館した後、チケットをもぎってもらって受付に待機していた20名に「こちらにどうぞ」と声がかかりました。
懐中電灯の灯りの案内で、照明をほとんど落とした館内を2Fへと進みます。
まず、DVD室で「サーカス」の制作秘話の映像を見ました。
粘土で人形を作り出すところや、
タイムテーブルにそって何枚もの歯車を切っていき場面展開や光のコントロールに使うために何十回路の配線をするところなど、溜息がでるほど、緻密で精巧な作業の様子を垣間見ることができました。
落下傘奴のノスタルヂア
ということで、落下傘には苦心したこと
ボックスシアター「サーカス」の最初と最後の場面で遠景に出る茶色の落下傘の細密なこと! 落下傘にはちゃんと人がいます……。
どうなっているんだろうと思っていたので、1つ疑問が解決しました。
サーカス小屋のテントは茶色だけではちょっと寂しいので、青い線を入れたこと
サーカス小屋は疾風吹きすさぶ荒野にあるという設定にし、荒野にはやっぱり枯れ木ということで、葉っぱの繁った木2本を作ったけれど、使わなかったこと
だから、1Fの展示ケースに2体、展示してあるのですね。
ということは、チラシではサーカス小屋の後ろに木が写っていますが、これは制作途中の写真だったのですね。貴重です。
より効果的にするためターンテーブルでサーカス小屋が回るようにしたので、始め道をつけたけれどそれは没にしたこと
より前面に設置するため観覧席はカーブさせたこと
このカーブを出すのが、実は大変だったそうです。
観客の鰯は20体作ったけど、観覧席に17体しか座らせることができなかったこと
だから、1Fの展示ケースに3体鰯が展示してあるのですね。
プランコ乗りの名前はひとみさん。何故かというと、当時の絵葉書にその名があったから。この葉書は展示ケースにあること
後日確認したら、ちゃんと「ひとみ」と記されていました
色気は要らないということでひとみさんにタイツを履かせたこと
ホント、細かいですよね。
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん
ブランコは左右に揺れるだけではなく、リアルな動きを追求したこと
それの近くの白い灯が
安値(やすい)リボンと息を吐き
のライトに苦心したこと
こんな秘話を聴いたら、次に「サーカス」の上演を見る時の楽しみが倍増しますね。
そして、萩原朔太郎の詩「殺人事件」
殺人事件
とほい空でぴすとるが鳴る。
またぴすとるが鳴る。
ああ私の探偵は玻璃の衣裝をきて、
こひびとの窓からしのびこむ、
床は晶玉、
ゆびとゆびのあひだから、
まつさをの血がながれてゐる、
かなしい女の屍體うへで、
つめたいきりぎりすが鳴いてゐる。
しもつき上旬(はじめ)のある朝、
探偵は玻璃の衣裝をきて、
街の十字巷路(よつつぢ)を曲がった。
十字巷路に秋のふんすゐ。
はやひとり探偵はうれひをかんず。
みよ、遠いさびしい大理石の歩道を、
曲者(くせもの)はいつさんにすべつてゆく。
をモチーフにした「殺人事件」を見せていただきました。
この作品は前橋文学館にあります。
この「殺人事件」と今展示してある「題のない歌」と新作の「サーカス」が三大手間のかかった作品だそうです。
今までに制作された作品は全部で300作品くらいで、このような文学作品をモチーフにした作品は30作品くらいだそうです。
ということで、文学を題材とした作品以外の「ヘル・パラダイス」を見せていただきました。
美脚の美女(魔女?)が骸骨のビッグバンドの演奏に合わせて歌います。
(写真の左のチラシは2018年に八王子市夢美術館で行われた「ムットーニワールドからくりシアターW」、右は2019年に阪急うめだ本店で行われた「ムットーニ シアター in HANKYU」)
そして、会場に移動し、暗闇のなかでムットーニさんの口上つきのムットーニ・シアターが始まりました。
昼間の上演と違い、光の効果を存分に味わうことができ、ムットーニ・ワールドを堪能することができました。
それはそれはすばらしい贅沢で貴重な時間でした
記念館の外に出てみると、
屋外は真ッ闇 闇の闇
夜は劫々と更けまする