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こどもと本ジョイントネット21・山口


〜すべての子どもに本との出会いを〜

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ムットーニからくり文学館B中原中也「失せし希望」より「ロスト」 [2019年10月03日(Thu)]
【前回の続き】

隣は、中原中也「失せし希望」


  失せし希望

暗き空へと消え行きぬ
  わが若き日を燃えし希望は。

夏の夜の星の如くは今もなほ
  遐(とほ)きみ空に見え隠る、今もなほ。

暗き空へと消えゆきぬ
  わが若き日の夢は希望は。

今はた此處(ここ)に打伏して
  獸の如くは、暗き思ひす。

そが暗き思ひいつの日
  晴れんとの知るよしなくて、

溺れたる夜(よる)の海より
  空の月、望むが如し。

その浪はあまりに深く
  その月はあまりに清く、

あはれわが若き日を燃えし希望の
  今ははや暗き空へと消え行きぬ。



をモチーフにした「ロスト」(2011年 個人像)ぴかぴか(新しい)

ムットーニにかかると中也の「失せし希望」がかつて空を舞った記憶を追い求める墮天使の物語となります。

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男は教会の鐘の音を聞いたとき、かって自分が大空を舞っていたことを思い出す。
眼下に遠のく教会の尖塔が、やがて小さな一点の輝きとなって消えた、あの光景を。
そして今、遥か上方より降り注ぐ鐘の音を聞きながら男は悟る。
自分は今、翼を、希望を、そしてすべてを失ってしまったことを。

(入館者配布パンㇾットより)

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他と違ってバックの布の色が黒色です。天幕は白。
リングライトが光り、堕天使は……。
こちらもチラシには「中原中也記念館バージョンになって登場!」とあります。
音楽は「大天使ミカエル ハレルヤ」。



「失せし希望」は、『ノート小年時』に「消えし希望」のタイトルで清書されました。1929(昭和4)年7月14日の日付が入っています。(第一次形態)


  消えし希望

暗き空へと消えゆきぬ
わが若き日を燃えし希望は。

夏の夜の星の如(ごと)くは今もなお
遠きみ空に見え隠る、今もなお。

暗き空へと消えゆきぬ
わが若き日の夢は希望は。

今はた此処(ここ)に打伏(うちふ)して
獣の如くも、暗き思いす。

そが暗き思い何時(いつ)の日
晴れんとの知るよしなくて、

溺れたる夜(よる)の海より
空の月、望むが如し。

その浪はあまりに深く
その月は、あまりにきよく。

あわれわが、若き日を燃えし希望の
今ははや暗き空へと消え行きぬ。

(一九二九・七・一四)



それが推敲改題されて「失せし希望」となり、『白痴群』第6号(昭和5年4月発行)に発表されました。(第二次形態)
それがまた推敲されて『山羊の歌』に収録されました。(第三次形態)

音楽集団「スルヤ」のメンバーで『白痴群』の同人でもある内海誓一郎によって曲がつけられ、1930(昭和5)年5月7日に行われた「スルヤ」の第5回発表演奏会で「失せし希望」のタイトルで初演されました。

一度聞いてみたいものです。

【次回に続く】
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