扇の国、日本 @ 山口県立美術館
[2019年05月02日(Thu)]
5月1日は、令和最初の日でもありますが、
扇の日でもあります。
『源氏物語』では女性が光源氏に扇を贈っていることから、五(こ)一(い)で「恋」の語呂合せで、京都扇子団扇商工協同組合が1990(平成2)年に制定したそうです。
5月6日(月・振休)まで、山口県立美術館では「扇の国、日本」という展覧会が開催されています
サントリー美術館との共同企画で、久々の山口県美のオリジナル企画の展覧会です
開館40周年記念ということです
ということで、4月13日(土)、今回の展覧会の企画をされた岡本麻美専門学芸員の入門講座「ようこそ、扇の国、日本へ」があるというので参加しました。
系統的に話していただき、扇について、そうだね、フムフムと再確認でき、とても有意義でした。
「扇」が、日本の発明品であることをご存知でしょうか。
中国から伝わった団扇をもとに、日本で生み出された折り畳める形式の扇。
早く十世紀末には中国や朝鮮半島に特産品としてもたらされ、
近代に至るまで、日本が世界に誇る一品でありつづけました。
また宗教祭祀や日常生活における用具としてだけでなく、気分や場所、季節に応じて取りかえ、
携帯できる扇は、貴賤を問わずいつでもどこでも楽しめる、最も身近な美術品でした。
和歌や絵が施され、贈答品として大量に流通すると、
人と人をつなぐコミュニケーション・ツールの役割も担いました。
さらに扇は、屛風や巻物、そして工芸や染織などとも結びついて、多彩な作品を生み出していきます。
あらゆるジャンル、あらゆる流派と交わる扇には、
この国の人々が求めてきた美のエッセンスが凝縮されているのです。
本展では、日本人が愛した「扇」をめぐる美の世界を、幅広い時代と視点からご紹介します。
動かし翻すたび表情を変える手中の扇のように、「扇」の多面的な世界をお楽しみください。(山口県立美術館HPより)
さらに、4月20日(土)、岡本さんのギャラリートークがあるというので、参加しました
まず、入ると、1878年開催のパリ万博に土佐派や狩野派、円山派など様々な流派が手がけた100本の扇が「日本を代表する美術品」として出品され、展覧会ではそのうちの3本が紹介されてます。
酒井抱一の「糸車図扇面」(東京国立博物館)は、七夕の絵で、鳥はカササギであり、銀色の線は天の川です。
鳥居清長の肉筆画「草摺引(くさずりびき)図扇面」(東京国立博物館)の「草摺」とは鎧の一部、「引」とは引き留めることで、『曽我物語』の一場面です。
「萌黄地扇地紙夕顔麻葉模様長絹」(高島屋史料館)は能装束です。
心あてに それかとぞ見る 白露の 光そへたる 夕顔の花
という『源氏物語』の「夕顔」の一場面、よく使い込んだ、よい薫物(たきもの)の香のする白い扇に、夕顔の花の載せて源氏に渡したという話から、扇に載せた夕顔がデザインされています。
「御簾扇桜模様小袖」(女子美術大学美術館) は、『源氏物語』の「花宴」より朧月夜との逸話がデザインされています。御簾が刺繍で施され、御簾の向こうには桜の模様が透けて見えます。
「扇流し」という、文字通り、扇を水に流して変化していく形や消えていく姿を楽しむ遊びの様々な「扇流し」の作品が並んでいました。
なかでも、「扇面流図(名古屋城御湯殿書院一之間北側襖絵)」(狩野杢之助/画 名古屋城総合事務所)は、名古屋城の湯殿、いわゆる風呂場の脱衣所にあたる場所にあった襖絵で、波の上に姿形も多様な扇がちりばめられています。徳川家光が京都へ向かう途中名古屋城に立ち寄った際、使っていたそうです。
「扇屋軒先図」(大阪市立美術館・田万コレクション)では、扇屋の店内で人々が手作業で扇を作っている様子を屏風に描いた作品で、江戸時代 17世紀当時の扇屋を垣間見ることができ、興味深いです。
その他にもご紹介したい作品がたくさんありますが、ぜひ、実際に行ってみてください。
美術品としての扇絵だけでなく、「扇」そのものが日本人にとってどんな存在だったのかを探る意欲的な展覧会です。
美術館ボランティアさんによるギャラリートークにも参加しました
展覧会を満喫し、県美の森に出てみました。
ここは桜がとてもきれいなのですが、今は、八重桜がきれいでした。
ヒメウツギも咲き始めていました。
山口県立美術館開館40周年記念 扇の国、日本
期 間 2019年3月20日(水)〜5月6日(月・休)
時 間 9:00〜17:00 (入館は16:30まで)
場 所 山口県立美術館
休館日 月曜日 ※ただし4月1日、29日、5月6日は開館
観覧料 一般1,300(1,100)円╱シニア・学生1,100(900)円
コレクション展セット券〈当日券のみ〉
一般1,400(1,200)円╱学生1,200(1,000)円18歳以下無料
シニアは70歳以上の方、( )内は前売りおよび20名以上の団体料金
高等学校、中等教育学校、特別支援学校に在籍の方等は無料
障害者手帳等を持参の方とその介護の方1名は無料
主 催 山口県立美術館、朝日新聞社、yab山口朝日放送
扇の日でもあります。
『源氏物語』では女性が光源氏に扇を贈っていることから、五(こ)一(い)で「恋」の語呂合せで、京都扇子団扇商工協同組合が1990(平成2)年に制定したそうです。
5月6日(月・振休)まで、山口県立美術館では「扇の国、日本」という展覧会が開催されています
サントリー美術館との共同企画で、久々の山口県美のオリジナル企画の展覧会です
開館40周年記念ということです
ということで、4月13日(土)、今回の展覧会の企画をされた岡本麻美専門学芸員の入門講座「ようこそ、扇の国、日本へ」があるというので参加しました。
系統的に話していただき、扇について、そうだね、フムフムと再確認でき、とても有意義でした。
「扇」が、日本の発明品であることをご存知でしょうか。
中国から伝わった団扇をもとに、日本で生み出された折り畳める形式の扇。
早く十世紀末には中国や朝鮮半島に特産品としてもたらされ、
近代に至るまで、日本が世界に誇る一品でありつづけました。
また宗教祭祀や日常生活における用具としてだけでなく、気分や場所、季節に応じて取りかえ、
携帯できる扇は、貴賤を問わずいつでもどこでも楽しめる、最も身近な美術品でした。
和歌や絵が施され、贈答品として大量に流通すると、
人と人をつなぐコミュニケーション・ツールの役割も担いました。
さらに扇は、屛風や巻物、そして工芸や染織などとも結びついて、多彩な作品を生み出していきます。
あらゆるジャンル、あらゆる流派と交わる扇には、
この国の人々が求めてきた美のエッセンスが凝縮されているのです。
本展では、日本人が愛した「扇」をめぐる美の世界を、幅広い時代と視点からご紹介します。
動かし翻すたび表情を変える手中の扇のように、「扇」の多面的な世界をお楽しみください。(山口県立美術館HPより)
さらに、4月20日(土)、岡本さんのギャラリートークがあるというので、参加しました
まず、入ると、1878年開催のパリ万博に土佐派や狩野派、円山派など様々な流派が手がけた100本の扇が「日本を代表する美術品」として出品され、展覧会ではそのうちの3本が紹介されてます。
酒井抱一の「糸車図扇面」(東京国立博物館)は、七夕の絵で、鳥はカササギであり、銀色の線は天の川です。
鳥居清長の肉筆画「草摺引(くさずりびき)図扇面」(東京国立博物館)の「草摺」とは鎧の一部、「引」とは引き留めることで、『曽我物語』の一場面です。
「萌黄地扇地紙夕顔麻葉模様長絹」(高島屋史料館)は能装束です。
心あてに それかとぞ見る 白露の 光そへたる 夕顔の花
という『源氏物語』の「夕顔」の一場面、よく使い込んだ、よい薫物(たきもの)の香のする白い扇に、夕顔の花の載せて源氏に渡したという話から、扇に載せた夕顔がデザインされています。
「御簾扇桜模様小袖」(女子美術大学美術館) は、『源氏物語』の「花宴」より朧月夜との逸話がデザインされています。御簾が刺繍で施され、御簾の向こうには桜の模様が透けて見えます。
「扇流し」という、文字通り、扇を水に流して変化していく形や消えていく姿を楽しむ遊びの様々な「扇流し」の作品が並んでいました。
なかでも、「扇面流図(名古屋城御湯殿書院一之間北側襖絵)」(狩野杢之助/画 名古屋城総合事務所)は、名古屋城の湯殿、いわゆる風呂場の脱衣所にあたる場所にあった襖絵で、波の上に姿形も多様な扇がちりばめられています。徳川家光が京都へ向かう途中名古屋城に立ち寄った際、使っていたそうです。
「扇屋軒先図」(大阪市立美術館・田万コレクション)では、扇屋の店内で人々が手作業で扇を作っている様子を屏風に描いた作品で、江戸時代 17世紀当時の扇屋を垣間見ることができ、興味深いです。
その他にもご紹介したい作品がたくさんありますが、ぜひ、実際に行ってみてください。
美術品としての扇絵だけでなく、「扇」そのものが日本人にとってどんな存在だったのかを探る意欲的な展覧会です。
美術館ボランティアさんによるギャラリートークにも参加しました
展覧会を満喫し、県美の森に出てみました。
ここは桜がとてもきれいなのですが、今は、八重桜がきれいでした。
ヒメウツギも咲き始めていました。
山口県立美術館開館40周年記念 扇の国、日本
期 間 2019年3月20日(水)〜5月6日(月・休)
時 間 9:00〜17:00 (入館は16:30まで)
場 所 山口県立美術館
休館日 月曜日 ※ただし4月1日、29日、5月6日は開館
観覧料 一般1,300(1,100)円╱シニア・学生1,100(900)円
コレクション展セット券〈当日券のみ〉
一般1,400(1,200)円╱学生1,200(1,000)円18歳以下無料
シニアは70歳以上の方、( )内は前売りおよび20名以上の団体料金
高等学校、中等教育学校、特別支援学校に在籍の方等は無料
障害者手帳等を持参の方とその介護の方1名は無料
主 催 山口県立美術館、朝日新聞社、yab山口朝日放送