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こどもと本ジョイントネット21・山口


〜すべての子どもに本との出会いを〜

子どもと本をむすぶ活動をしています


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花の詩 @ 中原中也記念館 [2018年12月07日(Fri)]
中原中也記念館
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屋外展示 「花の詩」が展示替えになっていますぴかぴか(新しい)
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 盲目の秋

風が立ち、浪が騒ぎ、
  無限の前に腕を振る。


その間かん)、小さな紅くれなゐの花が見えはするが、
  それもやがては潰れてしまふ。


風が立ち、浪が騒ぎ、
  無限のまへに腕を振る。


もう永遠に帰らないことを思つて
  酷白
こくはくな嘆息するのも幾たびであらう……

私の青春はもはや堅い血管となり、
  その中を曼珠沙華
ひがんばなと夕陽とがゆきすぎる。

それはしづかで、きらびやかで、なみなみと湛たたへ、
  去りゆく女が最後にくれる笑ゑまひのやうに、

おごそかで、ゆたかで、それでゐて佗わびしく  
  異様で、温かで、きらめいて胸に残る……


      あゝ、胸に残る……

風が立ち、浪が騒ぎ、
  無限のまへに腕を振る。



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 疲れやつれた美しい顔

疲れやつれた美しい顔よ、
私はおまへを愛す。
さうあるべきがよかつたかも知れない多くの元気な顔たちの中に、
私は容易におまへを見付ける。


それはもう、疲れしぼみ、
悔とさびしい微笑としか持つてはをらぬけれど、
それは此の世の親しみのかずかずが、
(もつ)れ合ひ、香となつて籠る壺なんだ。

そこに此の世の喜びの話や悲しみの話は、
彼のためには大きすぎる声で語られ、
彼の瞳はうるみ、
語り手は去つてゆく。


彼が残るのは、十分諦めてだ。
だが諦めとは思はないでだ。
その時だ、その壺が花を開く、
その花は、夜の部屋にみる、三色菫
(さんしきすみれ)だ。


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 (なんにも書かなかったら)

開いて、ゐるのは、
あれは、花かよ?
何の、花か、よ?
薔薇
(ばら)の、花ぢやろ。

しんなり、開いて、
こちらを、むいてる。
蜂だとて、ゐぬ、
小暗い、小庭に。


あゝ、さば、薔薇(さうび)よ、
物を、云つてよ、
物をし、云へば、
答へよう、もの。


答へたらさて、
もつと、開
(き)かうか?
答へても、なほ、
ジツト、そのまゝ?



第174回中原中也を読む会は、「屋外展示 花の詩(後期)―「盲目の秋」「疲れやつれた美しい顔」」というテーマで11月23日(金)に中原中也記念館で開催されました。
 

今、中原中也記念館の展示は、
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中也館の前の狐のあしあとには、こんな展示がありました揺れるハート

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 含羞(はぢらひ)
  ――在りし日の歌――

なにゆゑに こゝろかくは羞ぢらふ
秋 風白き日の山かげなりき
椎の枯葉の落窪に
幹々は いやにおとなび彳
(た)ちゐたり

枝々の 拱(く)みあはすあたりかなしげの
空は死児等の亡霊にみち まばたきぬ
をりしもかなた野のうへは
あすとらかん
(、、、、、、)のあはひ縫ふ 古代の象の夢なりき

椎の枯葉の落窪に
幹々は いやにおとなび彳
(た)ちゐたり
その日 その幹の隙
(ひま) 睦みし瞳
姉らしき色 きみはありにし


その日 その幹の隙(ひま) 睦みし瞳
姉らしき色 きみはありにし
あゝ! 過ぎし日の 仄
(ほの)燃えあざやぐをりをりは
わが心 なにゆゑに なにゆゑにかくは羞ぢらふ・・・・・・



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二十六。
中原中也トリビアです。
さて、この数字は何を表しているのでしょうか?

答え
山口を離れてからの引っ越しの回数。
二年間暮らした京都時代に七回。
その後、東京に移って昭和十二年に亡くなるまで、
最初に住んだ新宿を皮切りに
中野、杉並、渋谷など十七回も
引越を繰り返し、
最後は小林秀雄など友人のいた鎌倉へ。
その数、
十四年間で二十六回!
すごい引っ越し魔だったんだ……。



(写真は2018年10月21日に撮影)
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