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こどもと本ジョイントネット21・山口


〜すべての子どもに本との出会いを〜

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童謡 @ 湯田温泉 錦川通り [2018年09月12日(Wed)]
湯田温泉の錦川通りには、山頭火の句碑と並んで、中原中也の詩碑があります。

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「童謡」の詩が刻まれています。
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碑の文字は、中也自筆原稿から写し取ったものです。
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童謡

しののめの
よるのうみにて
汽笛鳴る。


こころよ
起きよ
目を醒
[さ]ませ。

しののめの
よるのうみにて
汽笛鳴る。


象の目玉の、
汽笛鳴る。


      (一九三三・九・二二)



「しののめ(東雲)」とは、「明け方のわずかに東方の明るくなった頃。明け方。暁(あかつき)」また、「明け方に東方にたなびく雲のこと。」です。
中也は、生後6ヶ月で、軍医だった父謙助の任地 旅順へ母・フクと祖母・スヱと渡ります。
この話を母フクから折りに触れて聞かされていました。
覚えているはずもないこの「体験」をまるで覚えているかのように記憶に留め、1933(昭和8)年9月詩に詠みました。
後に「小唄」とともに「小唄二篇」と題されました。


小唄

僕は知ってる煙けむが立つ
 三原山には雲が立つ

行ってみたではないけれど
 雪降りつもった朝
あしたには

寝床の中で呆然と
 煙草くゆらし僕思う

三原山には煙立つ
 三原山には煙が立つ




小唄二編

   
しののめの、
よるのうみにて
汽笛鳴る。


心よ
起きよ、
目を覚ませ。


しののめの、
よるのうみにて
汽笛なる。


象の目玉の、
汽笛鳴る。


   
僕は知つてる煙
けむが立つ
   三原山には煙が立つ

行つてみたではないけれど
  雪降りつもつた朝
あしたには

寝床の中で呆然と
  煙草くゆらし僕思ふ


三原山には煙が立つ
  三原山には煙が立つ
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