北原白秋の詠ったアカシアは… @ 新亀山公園
[2018年06月01日(Fri)]
北原白秋の「この道」
この道はいつか來た道
ああ、さうだよ
あかしやの花が咲いてる
(略)
石原裕次郎の「赤いハンカチ」
アカシアの
花の下で
あの娘がそっと
瞼を拭いた
(略)
西田佐知子の「アカシアの雨がやむとき」
アカシアの雨にうたれて
このまま死んでしまいたい
(略)
松任谷由実の「acacia (アカシア)」
銀の花がちっている風と陽ざしの中で
知らない町に来ている
(略)
銀の花の押し花栞にしてはさんだ
好きな詩のフレーズに
能登で見たアカシアが散る風景を思い出して作詞
レミオロメンの「アカシア」
(略)
そこで揺れているのは アカシアの並木道
(略)
風を吸い込んだら アカシアの香りだけ
胸をギュッと締め付けた
清岡卓行の小説『アカシヤの大連』(1969年芥川賞受賞)(講談社 1970)
五月の半ばを過ぎた頃、南山麓の歩道のあちこちに沢山植えられている並木のアカシヤは、一斉に花を開いた。すると、町全体に、あの悩ましく甘美な匂い、あの、純潔のうちに疼く欲望のような、あるいは、逸楽のうちに回想される清らかな夢のような、どこかしら寂しげな匂いが、いっぱいに溢れたのであった。
もう1ヶ月前のことになりますが、山口県立山口図書館の駐車場のところにある大きな木が白い花で満開でした
木の下に行って、花をよく見ると、白い蝶形の花がたくさん集まって10〜15cmほどの房状になって垂れ下がっています。
葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、3枚から9枚で1組になっています。小葉の形は丸みの強い楕円形で、先端がわずかに凹んでいます。
花も葉もフジに似ています。
これを手がかりに調べてみると、「ニセアカシア」、学名:Robinia pseudoacacia、和名は「ハリエンジュ(針槐)」でした
そして、上記作品に出てくる「アカシア」は、なんとすべて「ニセアカシア」のことだそうです
北アメリカ原産の樹木で、日本には明治の始め、1873年に渡来し、日本に輸入された当初は、この「ニセアカシア」を「アカシア」と呼んでいました。
その後、本当のアカシア(ネムノキ亜科アカシア属)の仲間が輸入されるようになると、区別をするため、学名の「pseudo-acacia」(偽のアカシア)を直訳して、「ニセアカシア」と呼ぶようになりました。
花からは上質な蜂蜜が採れ、「アカシアの蜂蜜」として売られている蜂蜜の多くは、実は、ニセアカシアの花から採取されているのだそうです
成長が大変早く花も美しく、大気汚染にも強く、暑さ寒さにも強いので、公園や街路樹によく植えられていました(札幌のアカシア並木など)。
やせた土地でもよく成育できるため、荒廃した山地や砂丘の緑化によく使われてきました(足尾銅山の緑化)。
材が固くゆっくり燃焼するので火持ちが良いこと、そしてある程度湿っていても燃えることなどの利点から、薪炭材としても有用だったそうです。
腐りにくいことから、枕木や木釘、船材などとしても活用されてきました。
しかしながら、旺盛な繁殖力で、自然環境に定着したニセアカシアは、外来種として多くの問題を発生させ、現在では、生態系被害防止外来種(産業管理外来種)に指定されています。
バイオマス全盛期には重宝されていたニセアカシアが、生活様式が変わってくると、“生態系被害防止外来種”だなんて、人間の身勝手さを感じますね。
(ということで、気持ち整理し、UPするまでに1ヶ月かかりました)
(写真は、2018年4月28日撮影)
この道はいつか來た道
ああ、さうだよ
あかしやの花が咲いてる
(略)
石原裕次郎の「赤いハンカチ」
アカシアの
花の下で
あの娘がそっと
瞼を拭いた
(略)
西田佐知子の「アカシアの雨がやむとき」
アカシアの雨にうたれて
このまま死んでしまいたい
(略)
松任谷由実の「acacia (アカシア)」
銀の花がちっている風と陽ざしの中で
知らない町に来ている
(略)
銀の花の押し花栞にしてはさんだ
好きな詩のフレーズに
能登で見たアカシアが散る風景を思い出して作詞
レミオロメンの「アカシア」
(略)
そこで揺れているのは アカシアの並木道
(略)
風を吸い込んだら アカシアの香りだけ
胸をギュッと締め付けた
清岡卓行の小説『アカシヤの大連』(1969年芥川賞受賞)(講談社 1970)
五月の半ばを過ぎた頃、南山麓の歩道のあちこちに沢山植えられている並木のアカシヤは、一斉に花を開いた。すると、町全体に、あの悩ましく甘美な匂い、あの、純潔のうちに疼く欲望のような、あるいは、逸楽のうちに回想される清らかな夢のような、どこかしら寂しげな匂いが、いっぱいに溢れたのであった。
もう1ヶ月前のことになりますが、山口県立山口図書館の駐車場のところにある大きな木が白い花で満開でした
木の下に行って、花をよく見ると、白い蝶形の花がたくさん集まって10〜15cmほどの房状になって垂れ下がっています。
葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、3枚から9枚で1組になっています。小葉の形は丸みの強い楕円形で、先端がわずかに凹んでいます。
花も葉もフジに似ています。
これを手がかりに調べてみると、「ニセアカシア」、学名:Robinia pseudoacacia、和名は「ハリエンジュ(針槐)」でした
そして、上記作品に出てくる「アカシア」は、なんとすべて「ニセアカシア」のことだそうです
北アメリカ原産の樹木で、日本には明治の始め、1873年に渡来し、日本に輸入された当初は、この「ニセアカシア」を「アカシア」と呼んでいました。
その後、本当のアカシア(ネムノキ亜科アカシア属)の仲間が輸入されるようになると、区別をするため、学名の「pseudo-acacia」(偽のアカシア)を直訳して、「ニセアカシア」と呼ぶようになりました。
花からは上質な蜂蜜が採れ、「アカシアの蜂蜜」として売られている蜂蜜の多くは、実は、ニセアカシアの花から採取されているのだそうです
成長が大変早く花も美しく、大気汚染にも強く、暑さ寒さにも強いので、公園や街路樹によく植えられていました(札幌のアカシア並木など)。
やせた土地でもよく成育できるため、荒廃した山地や砂丘の緑化によく使われてきました(足尾銅山の緑化)。
材が固くゆっくり燃焼するので火持ちが良いこと、そしてある程度湿っていても燃えることなどの利点から、薪炭材としても有用だったそうです。
腐りにくいことから、枕木や木釘、船材などとしても活用されてきました。
しかしながら、旺盛な繁殖力で、自然環境に定着したニセアカシアは、外来種として多くの問題を発生させ、現在では、生態系被害防止外来種(産業管理外来種)に指定されています。
バイオマス全盛期には重宝されていたニセアカシアが、生活様式が変わってくると、“生態系被害防止外来種”だなんて、人間の身勝手さを感じますね。
(ということで、気持ち整理し、UPするまでに1ヶ月かかりました)
(写真は、2018年4月28日撮影)