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こどもと本ジョイントネット21・山口


〜すべての子どもに本との出会いを〜

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13歳からの絵本ガイド ―YAのための100冊― A [2019年01月18日(Fri)]
1月16日のブログの続き】

『13歳からの絵本ガイド ―YAのための100冊―』(金原瑞人、ひこ・田中/監修 西村書店 2018.4)

13歳からの絵本ガイドjpg.jpg

カバーに

アート/ナンセンス/私は私/恋愛と友情/家族/生と死/平和と戦争/歴史/自然/物語―全10ジャンル
書評家、作家、翻訳家、書店員。編集者……さまざま形で絵本に携わる14人が独自にセレクト
名作・ロングセラーから2017年刊行のものまで、10代の心に響く絵本を幅広く紹介!

とあります。

松田素子さんは
こころの根っこをのばしてね。根っこは外からみえないけど。

広松由希子さんは
読むたびに新しい発見がある一生ものの絵本と出会えますように。

と、執筆者プロフィールで語っていらっしゃいます。

広松由希子さんが紹介されている絵本こちらの5冊かわいい

『アイタイ』(長谷川集平/作 解放出版社 2014.3.14)
アイタイ.jpg

『ジェーンとキツネとわたし』(イザベル・アルスノー/絵 ファニー・ブリット/文 河野万里子/訳 西村書店 2015.6)
ジェーンとキツネとわたし.jpg

『マールとおばあちゃん』(ティヌ・モルティール/作 カーティエ・ヴェルメール/絵 江國香織/訳 ブロンズ新社 2013.4)
マールとおばあちゃん.jpg

『うまれてきた子ども』(佐野洋子/作 ポプラ社 1991.1)
うまれてきた子ども.jpg

『希望の牧場』森絵都/作 吉田尚令/絵 岩崎書店 2014.9)
希望の牧場.jpg


その広松由希子さんの講演会「日本の絵本100年 これまでとこれから」を開催します。
どうぞご参加ください。
広松由希子2018.png

日 時 2019年2月17日(日)13:30〜15:00
場 所 山口市秋穂地域交流センター 大会議室
資料費 500円 
申込先 こどもと本ジョイントネット21・山口 
     秋穂ベースキャンプ(090-8712-3641原田)
     山口ベースキャンプ(090-3636-2617山口)
     yamaf123@c-able.ne.jp ※必ず返信します。
13歳からの絵本ガイド ―YAのための100冊― [2019年01月16日(Wed)]
絵本のなかには、10代だからこそ胸に響いたり、
深く味わえる作品が数多く存在している。
小説ではなく、絵本だからこそ可能な表現もある。

しかし、文字が少なく、絵が大きく扱われているためか、
「絵本は小さな子ども専用のもの」と思われがちだ。
そこで、もっと10代の若者が自分にふさわしい絵本に出会えるように、
書評家、作家、翻訳家、書店員、研究者、編集者など、絵本のプロである14人が、
おすすめのYA絵本を厳選し、その魅力を縦横無尽に紹介する。

書店員や司書が、選書や売り場・コーナー作りにも活用できる、
という新たな読書の扉をひらくガイドブック。

西村書店HPより)

アート/ナンセンス/私は私/恋愛と友情/家族/生と死/平和と戦争/歴史/自然/物語―全10ジャンル、
名作・ロングセラーから2017年刊行のものまで、
書評家、作家、翻訳家、書店員など本のプロ14人が厳選し、
10代の若者にこそ読んでほしい、新しい読書のトビラを開くブックガイド
『13歳からの絵本ガイド ―YAのための100冊―』
が昨年の4月に西村書店より発刊されましたぴかぴか(新しい)
13歳からの絵本ガイドjpg.jpg

監修は、金原瑞人さん(法政大学教授・翻訳家)と、ひこ・田中さん(児童文学作家・評論家)。


こどもと本ジョイントネット21・山口では、執筆者の14人の中の広松由希子さん(絵本評論家・作家)と松田素子さん(編集者・作家)に、今回、講演をお願していまするんるん


松田素子さんが本著の中で紹介されている本はこちらかわいい

『カボチャありがとう』(木葉井悦子/作 架空社 1994.8)
カボチャありがとう.jpg

『だくちる だくちる』(ワレンチン・ベレストフ/原案 阪田寛夫/文 長新太/絵 福音館書店 1993.11)
だくちる だくちる.jpg

『とべバッタ』(田島征三/作 偕成社 1988.7)
とべバッタ.jpg

『ちいさなちいさな ―めにみえないびせいぶつのせかい』(ニコラ・デイビス/文 エミリー・サットン/絵 越智典子/訳 出川洋介/監修 ゴブリン書房 2014.8)
ちいさなちいさな.jpg

『きょうはそらにまるいつき』(荒井良二/作 偕成社 2016.9)
きょうはそらにまるいつき.jpg


松田さんは1月27日に行われる講演会「絵本が育てる心の根っこ 〜絵本誕生の現場から〜」でこの5冊についてお話されるかも…揺れるハート
ぜひご参加ください。
松田素子カレッジ2018カラー版.png

日 時 2019年1月27日(日)13:30〜15:30
場 所 山口県立山口図書館 2F 第1研修室
資料費 500円
申込先 090-3636-2617(山口)、090-2008-9467(山本)、yamaf123@c-able.ne.jp (山口)
対談集 絵本のこと話そうか [2019年01月13日(Sun)]
28年経った昨年、改題し復刊した『対談集 絵本のこと話そうか』(アノニマ・スタジオ 2018.8)のことは、11月6日のブログでご紹介しましたぴかぴか(新しい)
 
絵本のこと話そうか.jpg


編者の松田素子さんが「復刊によせて」(P467〜468)で復刊の思いを語っていらっしゃいます。

 (略)当時、私がその創刊から編集に関わっていた雑誌「月刊MOE」の編集長を務めることになったとき、「〈ものを創る〉ということについて、あらためて、様々な方たちの話をちゃんとお聞きしておきたい」と思い、リレー対談という形式で始めた連載を書籍化したものです。

 雑誌連載時のタイトルは「絵本のこと話そうか」でしたが、もちろんのことながら、絵本に限ることなく、「ものを創る」ことすべてにわたる話題が語られました。
 ― いえ、それは、「創ること」にとどまらなかったと言った方がいいかと思います。ありとあらゆるものに通じ、時代も越えて流れる地下水があるとすれば、そんな深いところ、こんこんと湧きあがってくるような、朽ちることのない話に満ちていました。


 (略)ここで語られている数々の言葉は、個人的にも、その後ずっといまに至るまで、私自身の羅針盤であり続けました。
 もっと正確に言えば、言葉そのものというよりも、言葉の根っこを支えている「こころざし」と言うべきもの ― それは「祈りのようなもの」であり「願いのようなもの」が、私に、「見失ってはいけないものとはなんなのか」を語り続け、チカラを与え続けてはてくれたのかもしれません


 時代は変わり、子どもを取りまく状況も一致しています。
(略)
 だからこそこの本は、「いま」という時代の地図を、むしろ容赦なく照らし出すだろうことを……。
 そして、向かうべき道を探し、その道を自ら作りたいと願う者にとっての「羅針盤」として、新たな力をもつに違いないことを……。
 それは、あのとき、私自身が求めたように、他ならぬたったいま、そんなゆるぎのない「ほんとうの羅針盤」を探している次世代たちが、確かに存在していることを知っているからです。


(略)
 この本がこれから、どんなひとにとって、どんな羅針盤となり、灯台となり、チラカとなるのか……。
 手にしてくださった一人一人の未来に、その答えがあるのだろうと思います。




その松田素子さんの講演会「絵本が育てる心の根っこ 〜絵本誕生の現場から〜」を開きます。
ぜひご参加ください。
松田素子カレッジ2018カラー版.png

日 時 2019年1月27日(日)13:30〜15:30
場 所 山口県立山口図書館 2F 第1研修室
資料費 500円
申込先 090-3636-2617(山口)、090-2008-9467(山本)、yamaf123@c-able.ne.jp (山口)

対談集 絵本のこと話そうか [2018年11月06日(Tue)]
今年の8月、28年前の対談『素直にわがまま』(偕成社 1990)が、今の時代を生きる人たちの羅針盤として手渡すべく『対談集 絵本のこと話そうか』(松田素子/編 アノニマ・スタジオ 2018.8)と改題して復刊されましたぴかぴか(新しい)

絵本のこと話そうか.jpg

長 新太、五味太郎、林 明子、糸井重里、高橋源一郎、谷川俊太郎、山田 馨、司 修、岸田今日子、スズキコージ、小沢 正、佐野洋子、沢野ひとし、田中和雄、江國香織、高橋章子、吉本ばなな、黒井 健の18人の表現者が登場する対談集です。
絵本作家・小説家・詩人・編集者などによるリレー対談によって、「絵本」を軸にした、作り手たちの「こころざし」や「根っこ」が示されています。

「絵本」とは、作家がどのように世界を見ているかそのものです。(略)現在も活躍される18人の方々の、28年の時を経てもゆらぐことのない信念と言葉の数々。絵本とは、読者とは、ものづくりとは、仕事とは、芸術とは、人生とは。対談を通して、絵本や本を越えたヒントがもらえる、人生の羅針盤となる一冊です。
アノニマ・スタジオHPより)

編集されたのは、山口県周南市 (元 新南陽市)出身の編集者 松田素子さんです。

松田さんは「はじめに」(P3)で

この本は、絵本の紹介や評論の本ではありません。けれど、ひとつひとつの対談を重ね合わせたとき、そこから、ひとつの絵本の地図〞が、そして、創るということとはどういうことなのかがあぶりだされ、確かに見えてくるような気がするのです。

リレー対談というスタイルで、さまざまなジャンルの方にバトンが渡っていきました。話題もいろいろです。

対談が行われた期間は1987年から1990年。それらをまとめたものが書籍『素直にわがまま』(偕成社)として、1990年に刊行されました。

そして長い時を経て、復刊されることになったのが本書です。

時を経ても変わらないものが、ここにあります。それは創り手たちの「こころざし」であり、目に見えないところで、探り、考え、深々と伸ばされていった「根っこ」のようなものなのかもしれません。

と書かれています。

この復刊に込めた松田さんの思いは、本のあとがき「復刊によせて」に書れています。

(略)この本がこれから、どんな人にとって、どんな羅針盤となり、灯台となり、チカラとなるのか…。
手にとってくださった一人ひとりの未来に、その答えがあるのだろうと思います。

(P468)


とても熱くて深い本です。
ぜひ、あなたも、手にとってみてください揺れるハート
どろぼうのどろぼん [2018年08月26日(Sun)]
今日ご紹介するのは、斉藤倫さんの『どろぼうのどろぼん』(牡丹靖佳/画 福音館書店 2014.9)ぴかぴか(新しい)

どろぼうのどろぼん.jpg

チョコレートやクッキーの缶に入れといわれても困りますけれど。でもそれが家だったらどこへだって入れますよ。
どろぼんはどろぼうの天才。どろぼんは「もの」の声を聞くことができる。どろぼんは絶対に捕まらない。これは、ぼくがどろぼんから聞いた話。
今まで盗んできたもののこと。その「もの」たちの声のこと。
そして、絶対に捕まらないどろぼんが、あの雨の日の午後、あじさいの咲き誇る庭で、どうしてぼくに捕まったのか。

福音館HPより)

詩人として活躍されている斉藤倫さんによるはじめての長篇物語です。
本作により第48回日本児童文学者協会新人賞を受賞、第64回小学館児童出版文化賞を受賞されました。

元福音館の編集長の松本徹さんにお会いした時、
「前回教えていただいた伊藤遊さん、とってもよかったです。」
というお話をしたら、
「今、一番お薦めの児童文学作家は、斉藤倫さん」
と言われ、読んでみました。

まず詩人だけあって文章がすごくいい。そして、ストーリー展開もおもしろく、引き込まれていきます揺れるハート
絵も単なる挿絵ではなく物語の一部となっていて、おしゃれでとてもよかったでするんるん

雨の降る日に読む本としてもお薦めです雨

作家の梨木香歩さんインタビューを添えておきます。

詩人の斉藤倫さんの書いた詩のような物語、『どろぼうのどろぼん』(福音館書店)。「もの」の発する声が聞こえるどろぼうの話なのですが、最初に出てくる「自殺する花瓶」の話に思わず引き込まれ、そのまま一気に読み切ってしまいました。花瓶が、「ねえ、ころして」と声をかけるのです。この花瓶は結局自死するのですが。その後、どろぼんが自分の全存在かけて守ろうと思う、弱い小さないのちを、なんと、どろぼんをつかまえた警察官たちもそろって守ろうという気になる、そういう空気に(喜んで)巻き込まれていく……まったく無関係のような二冊の本(注:もう一冊は『小林秀雄とその戦争の時』(山城むつみ 新潮社)を指します)ですが、実はどこかでーーsubtleな「何か」に一瞬一瞬の「相」を刻印され決定されていく世界のどこかでーーつながっている気がしてなりません(私にとっての「subtle」とは、微妙で捉え難く、世間の表舞台には出てこない繊細さのようなものです)。(2014.10.23)


かわいい斉藤倫かわいい 
1969年、秋田県生まれ。詩人。
2004年『手をふる 手をふる』(あざみ書房)でデビュー。14年『どろぼうのどろぼん』(福音館書店)で長篇デビュー。同作で、第48回児童文学者協会新人賞、第64回小学館児童出版文化賞を受賞。
詩集に『オルペウス、オルペウス 新しい詩人6』『さよなら、柩』(以上思潮社)、『本当は記号になってしまいたい』(私家版)、児童書に『せなか町から、ずっと (福音館創作童話シリーズ) 』(junaida/絵 2016.6)、『波うちぎわのシアン』(まめふく/絵 偕成社 2018.3)、『えのないえほん』(植田真/絵 講談社 2018.6)、絵本に『いぬはなく』(名久井直子/絵 ヒヨコ舎)、『とうだい』(小池アミイゴ/絵 福音館書店)がある。また、『えーえんとくちから 笹井宏之作品集』(PARCO出版)に編集委員として関わる。

かわいい牡丹靖佳かわいい
1971年、大阪府生まれ。現代美術作家。
東京をはじめ、オランダ、スウェーデンなど世界各地で作品を制作、発表している。主な展覧会に「イメージの庭」(伊丹市立美術館、兵庫、2017年)、「gone before flower」(アートコートギャラリー、大阪、2016年)、「Unknown Library」(MA2 Gallery、東京、2013年)などがある。
2012年に出版された創作絵本『おうさまのおひっこし』(福音館書店)は第24回ブラティスラヴァ世界絵本原画展の日本代表に選ばれる。
「ありがとがす」 @ 『ありがとうの詩(うた)』 [2018年05月04日(Fri)]
4月11日の「やまぐち朗読Cafe」で宮城県出身のFさんが『ありがとうの詩(うた)』から「ありがとがす」を朗読されたと言う記事(2018.4.12)をアップしたところ、『ありがとうの詩(うた)』や「ありがとがす」について問い合わせがありました。

そこで、『ありがとうの詩 詩・楽曲集 3・11大震災復興支援企画』(河北新報社)について、少しばかりご紹介させていただきますぴかぴか(新しい)

ありがとうの詩.jpg


宮城県は、2011年3月11日の東日本大震災で大きな被害を受けました。

そして、震災の直後から、日本だけではなく世界中の人々や団体、企業からたくさんの支援物資や義援金、そして数え切れない励ましのメッセージが寄せられました。

そうした多くの支援に対して、感謝、「ありがとう」の気持ちを伝えようと、
宮城県仙台市に本社をおく、河北新報社が、
2011年5月から9月にかけて、広く「詩」を募集したところ、
予想を超える460もの作品が集まったそうです。

詩人の和合亮一さんらが審査にあたり、最優秀作品5編、優秀作品45編が選定されました。

そして、そのうち宮城県にゆかりのある音楽家が選んだ8編に曲がつけられ、最優秀作品5編の朗読とともにCDにし、詩集とセットにして 『ありがとうの詩(うた)』が2012年3月に出版されました。

審査員講評で和合亮一さんは、

「数多くの作品を前にして、時に涙した。ある日、被災した福島県南相馬市の若者たちに、震災後に一番大切にしたい言葉は何かと尋ねると、「ありがとう」という一言が返って来たことを思い出した。津波や原発の問題にさいなまれながらも、その心を信条にしたいと語る彼ら。「「ありがとう」は相手との心をキャッチボールを約束してくれる。それを言い続けることで、プラスのエネルギーが、やってくる気がする」と教えてくれた。
 …(略)…ここに込められた想いは、私たちに確かな何かを導いてくれる。応募作それぞれの想いの「ありがとう」…、その一つ一つに暗がりに灯された明かりのような確かさがあった。今、分かりあえること。様々な生命の光を、受賞作品からぜひ感じていただきたい。」

と述べられています。
かわいいなお、和合亮一さんは、『AFTER』(思潮社 1998.3)で第4回中原中也賞を受賞されましたかわいい

最優秀作品の一つが「ありがとがす」ですぴかぴか(新しい)


(略)
おめえ様にも緑豊かな古里があり 
こころやさしい家族が待っているべ
ほんでも もうちょっとだけ 
おらに力を貸してけねが 

(略)
ありがとがす ありがとがす ありがとがす
おらも精一杯努力すっから 
ありがとがす



岩手県一関市の高橋悦朗さん、62歳の作品です。

「大震災による沿岸部の方々の被災には言葉もありません。内陸部住む私の家も7月解体しました。連日、支援に向かう方々を見て、せめて詩をかりて御礼申し上げたいと思いました。」

と作品エピソードで述べられています。
狛犬の佐助 [2018年04月10日(Tue)]
狛犬の佐助.jpg

伊藤遊さんの『狛犬の佐助 迷子の巻』(ノベルズ・エクスプレス19)(岡本順/絵 ポプラ社 2013.2)をご紹介しますぴかぴか(新しい)

『狛犬の佐助 迷子の巻』は、第62回(2013年)小学館児童出版文化賞を受賞しました。

本書は、伊東さんの作品で初めて、あやかしが主人公です。江戸時代の石工の魂が宿った狛犬です。


明野神社の狛犬には、彫った石工の魂が宿っていた。狛犬の〈あ〉には親方、〈うん〉には弟子の佐助の魂が――。
二頭は神社を見張りながらしょっちゅう話をしていたが、その声を聞くことができるのは、数え年7歳になるまえか100歳をこえた者だけだという。
佐助は近頃、愛犬をさがし続ける参拝客、大工見習いの耕平のことが気になってたまらない。
そんな佐助を、親方は「狛犬らしくない」とたしなめるのだが……。
150年前の石工たちの魂を宿した狛犬と、神社で出会う人々との心躍るファンタジー。
伊藤遊、9年ぶりの待望の書き下ろし長編。
長編『つくも神』、絵本『きつね、きつね、きつねがとおる』でコンビを組んだ岡本順の絵がファンタジーの世界をリアルに立ち上げる。

ポプラ社HPより)


伊藤さんの作品は、いつも登場人物の心の描写が細やで、物語の中にすっと引き込まれます。

一生懸命にやっていれば、必ず道は開ける。世の中ってのは、そういうものなんだ」(P.168)
最初から上手な人間なんていやしねえんだよ。だれでも最初は下手くそなんだ」(P.176)
泣かせるようなことをしたのでなければ、かまやしねえんだよ」(P.177)

狛犬(獅子)の〈あ〉(石工の親方 孫七)がいいですね揺れるハート
いかにも江戸の職人という感じで粋で、若くて危なっかしい佐助をたしなめるキツい台詞も、弟子への愛情が感じられます。
『鬼の橋』の征夷大将軍坂上田村麻呂、『えんの松原』の伴内侍といい、伊藤さんの作品は、サブキャラも魅力的で、作品の深みになっています。


 親方の目に、一筋のかかがやく道が映りました。
「おい、佐助。帰れるかもしれないぞ。道が見える」
(P.170)

というところは、『えんの松原』P.284〜285の

……ひと筋の光る糸のようなものが音羽の目の前にあり、彼はよく考えせずそれをたどって走っていった。(略)
 光る糸にみちびかれ、音羽が内裏へ帰りつくと、糸はわずかに開いた門の中へと続いた。(略)…音羽は、暗がりに立つ伴内侍に会った。(略)
 衵をさし出す伴内侍の胸のあたり、光る糸は消えていた。(略)
「…おれも無事にもどってこられた。待っていてくれる人がいたから……」

と通じるものがあります。


また、6歳までの子どもにしか狛犬の声が聞こえないという設定は、『きつね。きつね、きつつねがとおる』の子どもにしかあやかしが見えないという設定に通じます。

100歳になったら、聞こえるそうですから、それを目指しましょうか…。


"迷子の巻"となっているのでシリーズ化されるんですよね、伊藤さん。
次作をお待ちしています。


花見(さくら)花見(さくら)花見(さくら)花見(さくら)

蛇足ですが、京都の哲学の道

IMG_1285.JPG

南下し坂を上っていったところに大豊神社という神社がありますが、

IMG_1317.JPG

そこの大国社には狛子【ねずみ】がいます揺れるハート

IMG_1322.JPG

それだけではなく、狛巳ヘビ狛猿さる(日吉社)や狛鳶(愛宕社)までいますexclamation

IMG_1318.JPG
(以上、2016年4月6日18:00頃撮影)

なお、哲学の道には、『えんの松原』の憲平親王の御陵、冷泉天皇櫻本陵【さくらもとのみささぎ】があります。
つくも神 [2018年04月09日(Mon)]
つくも神.jpg

今日ご紹介するのは、伊藤遊さんの『つくも神』 (ポプラの森12)(岡本順/画 ポプラ社 2004.11)ですぴかぴか(新しい)

「つくも神」とは、長い年月を経た道具などに霊が宿って誕生する妖怪の総称です。「付喪神」とも「九十九神」とも記します。

マンションの放火騒ぎの翌日、ほのかはエレベーターの中に、こわい顔をした奇妙な置物があるのを見つけた。それ以来、ほのかと兄の雄一のまわりで不思議な事件が続く。ほのかはなぜか隣の家のおばあさんと土蔵にひかれてゆくが…。
長い時を経て魂を宿した道具たち、「つくも神」の物語。

(カバーより)

となりの蔵のつくも神.jpg

改題し、『となりの蔵のつくも神』(ポプラ文庫ピュアフル154)(岡本順/画 ポプラ社 2013.7)と文庫本になりました。

老朽化の進むマンションで、両親と中学に入って荒れはじめた兄と暮らすほのかは、
古い土蔵がある隣の家のおばあさんが気になっている。
近所でボヤ騒ぎがあった翌日、エレベーターで奇妙な人形を見つけたことをきっかけに、
ほのかの身の回りでは不思議な出来事が起こり始めて――
古道具に宿った「つくも」と少女たちの交流を描く、温かなファンタジー。
巻末に岡本順による絵物語を特別収録。

ポプラ社HPより)

表紙のネッケは、単行本の裏表紙では、根付のガマガエルとなっています。

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ユウキ [2018年04月05日(Thu)]
ユウキ.jpg

福音館書店元編集長 松本徹さんが3月11日の講演の中で、少し触れられた伊藤遊さんの『ユウキ』(上出慎也/画 福音館書店 2003.6)を続けて、読んでみましたぴかぴか(新しい)

2004年、第44回日本児童文学協会賞を受賞しました。

今度の舞台は現代。怨霊も鬼も出てきません。


“転勤都市”札幌の郊外に住むサッカー少年、ケイタ。小学校入学以来、彼の前には「ユウキ」という名の転校生が三度現れ、たくさんの思い出と痛みとを残してまた去っていった。六年生の新学期にやってきた四人目のユウキは、長い髪の女の子。彼女は不思議少女とあだ名され、いろいろな“奇跡”を起こして話題をさらうが、それがやがて彼女を孤立させることになっていく……。多感な子どもたちの心模様を生き生きと描ききった力作。
福音館書店HP


小学6年生の主人公ケイタの目線で書かれています。
ケイタのクラスにやってくる転校生の名前はいつも「ユウキ」で、「祐基」と一緒にカードバトルに熱中し、「悠樹」からはミニ四駆の世界を教わり、「勇毅」とはかけがえのないサッカー仲間になったという思い出があります。
そして6年生になったケイタのクラスにまた新しい転校生がやって来ました。偶然も3回あるとまた……と期待してしまいますが、今度の転校生の「優希」は、占いが得意なはきはきした少女でした…。
かつての親友「ユウキ」の残していったものが、ケイタと現在の「ユウキ」を結びつけるという設定になっていて、そこが、伊藤さんらしい見事な構成です。
冗長なエピソードもなく、現代の小学生の等身大の姿が鮮やかに描かれています。
小学生にお薦めの一冊です。
鬼の橋 [2018年04月03日(Tue)]
鬼の橋.jpg

伊藤遊さんのデビュー作の
『鬼の橋』(福音館書店 単行本1998.10 文庫版 2012.9)
を読んでみましたぴかぴか(新しい)
絵は太田大八さん揺れるハート

この世と地獄を往き来したと伝えられる平安初期の文人、小野篁の少年時代を主人公に、思春期の少年の揺れ動く心情が、勢いある筆づかいで力強く、さわやかに描かれます。「元服」という人生における大きな節目を苦しみながらもこえてゆく篁の姿は、現代に生きる子どもたちにも通じ、多くの読者の共感をよぶでしょう。作者が生まれ育った京都の四季や情景も、作品のなかに巧みに織り込まれ、物語にふくらみと陰影を与えています。
福音館書店HPより)

平安時代の京の都。妹を亡くし失意の日々を送る少年篁は、ある日妹が落ちた古井戸から冥界の入り口へと迷い込む。そこではすでに死んだはずの征夷大将軍坂上田村麻呂が、いまだあの世への橋を渡れないまま、鬼から都を護っていた。歴史上の人物、小野篁の少年時代を描いた第三回児童文学ファンタジー大賞受賞作、待望の文庫化。
福音館書店文庫版HPより)

『鬼の橋』は、第3回児童文学ファンタジー大賞を受賞し、出版されることになりました。
児童文学ファンタジー大賞は第1回が梨木香歩さん『裏庭』(理論社 1996.11)、第3回が『鬼の橋』が受賞したのみで、第23回(2017年)まで大賞が出て行ません。

第3回児童文学ファンタジー大賞選考委員長の河合隼雄さんの選評がこちら。

 「鬼の橋」は京都の小野篁の伝説を踏まえた創作である。(略)
 「鬼の橋」の主人公は小野篁の少年時代、十二歳のときから話が始まり、彼が「元服」という人生における重要な節目を、しっかりとこえようとするまでに、その内面においていかに凄まじいドラマが生じるかをよく描いている。それは、現代の少年たちにとっても、そのまま通じることである。現代の思春期の少年がいかに大変な内面生活をしているかは、最近の衝撃的な事件によって一般の人々にもある程度の認識を得ている。
 「鬼の橋」の篁少年は、この世とあの世の境目に立つ経験をする。しかし、これはある意味では、現代のすべての少年が経験していることと言ってよいことだ。ただ、そのような「現実」が通常はあまり見えない。そのために大変な悲劇が生じるのだ。そこで、そのような「現実」を何とか人々に伝えようとすると、ファンタジーという方法が非常に適切になってくる。ファンタジーというのは、現実と遊離した絵空事ではない。
 この作品の強いところとして、作者が京都の史実や伝説に詳しく、それをうまく作中に取り込んでいる点がある。ファンタジー作品を書くためには、現実の認識やその記述ということにすぐれていなければならない。
 「鬼の橋」についても言いたいことは沢山ある。非天丸という鬼が興味深くはあるが、これが十分に描かれていない。なぜ角の片方を祈られたのか。なぜあまりにも「よい鬼」にあっさりと変っていくのか。片角の鬼という存在は極めて重要な役割であるだけに、この非天丸のイメージをもう少し心のなかに抱いてみて欲しい。もう少しイメージが豊かに生き生きとしてくるのではなかろうか。(略)

第3回児童文学ファンタジー大賞 選後評より抜粋)

このHPには、神沢利子佐野洋子清水真砂子さんなどそうそうたる選考委員の方々の選評も載っていますので、是非、チェックしてみてください。

選考委員の方々の選評がそのまま私の読後の感想に通じます。
次作の『えんの松原』よりストーリーが、無理なくストーンと入ってきます。

ただ、鬼が人間へ徐々に変貌していくというせっかくの面白いキャラの非天丸の描き込みが今一つなのはとても残念です。

ですが、それを差し引いても、児童文学ですが、おとなも十分楽しめる内容です。「侮るなかれ、児童文学」です。児童文学だからといって、(児童文学だからこそ)決して、手を抜いていません。
むしろ、児童文学に対峙する作者の姿勢に圧倒されます。

そして、太田大八さんの絵が最高です。


物語の主人公は、小野篁
いわずとれた平安時代を代表する詩人にして、歴史に名を残す有能な文官でもあり、夜ごと井戸から冥府に降って閻魔大王の右腕を務めたという奇怪な伝説(『今昔物語集』『江談抄』など)の持ち主の元服前の少年時代を描いています。彼の成長物語です。

物語は、『篁物語』にある異母妹 比右子との悲恋をベースにしています。

重要なキャラクターの阿子那は、篁が隠岐島に流罪になった時の島の恋人の一人 阿古那からとったと思われます。

征夷大将軍坂上田村麻呂も、死後嵯峨天皇より従二位を追贈され、勅命により死してなお平安京を守護するように平安京に向かって甲冑武器を帯びた立姿(「甲冑・兵仗・剣・鉾・弓箭・糠・塩を調へ備へて、合葬せしめ、城の東に向けひつぎを立つ」)で埋葬された言われており、その話をストーリーの中にうまく取り入れています。
『えんの松原』の伴内侍(ばんのないし)に勝るとも劣らない魅力的なキャラです。

物語では、タイトルにある「橋」と「川」「井戸」が重要なファクターとなっています。

その「井戸」ですが、東山の六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)に残っています。
物語にも出てきましたが、このあたりは六道の辻と呼ばれていて、いにしえの葬送の地 鳥辺野に近く、この世とあの世の境目なのだそうです。

で、私は、2009年と2016年に行ったことがあります。
境内にはなんともいえない雰囲気が漂っていました。
特に、2008年の訪問時は、夕暮が近かったせいか、ただならぬ気配を確かに感じました。

それほど広くない境内に、本堂、閻魔堂、迎え鐘などがあります。
閻魔堂の格子から覗くと、左側に小野篁が彫ったと言われている閻魔大王の像が、右側に小野篁の像が安置されています。
閻魔大王は、迫力があり、ぞくっとしました。

格子戸の向こうに地獄(冥界)へ通じる井戸がありました。

もちろん、物語では、篁が冥府に通う時に使ったと言われる、高野槇(こうやまき)も、小道具として使われています。

蛇足ですが、六道珍皇寺から六波羅蜜寺に行く途中にみなとや 幽霊子育飴本舗があります。
えんの松原 [2018年04月01日(Sun)]
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2018年3月11日(日)に元福音館編集長の松本徹さん講演会「子どもの本に向き合う“覚悟”」で「表現者」として2冊目に紹介されたのが、伊藤遊さんの

『えんの松原』(太田大八/画 福音館書店)

ですぴかぴか(新しい)
初版は2001年5月、福音館文庫版(2014.1)もあります。

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(2018年3月11日 山口県立山口図書館での講演会「子どもの本に向き合う“覚悟”」において『えんの松原』を紹介される松本徹さん)

伊藤遊さんは、前作『鬼の橋』で第3回ファンタジー大賞、第46回産経児童出版文化賞推薦、2000年IBBYオナーリスト文学作品を受賞し、続いて、本書で第35回日本児童文学者協会新人賞、第46回産経児童出版文化賞を受賞をし、周囲の人から、いよいよ大人向けの作品ですね、と言われた時、子ども達のための物語を腰を据えて書き続ける、という決意を 、自分はだれに向かって書こうとしているのか、自分の場所はどこか、臆ぜず、打算もなく、思うところを述べられたそうですかわいいかわいいかわいい


で、私も『えんの松原』を読んでみましたexclamation×2
前作『鬼の橋』に続く平安朝ファンタジーです。


時は平安中期。年若い皇子・憲平は夜ごと現れる怨霊に怯えていた。偶然彼と知りあう少年・音羽は、故あって女童になりすまし下働きをする身。憲平に崇るのは一体何者か?死に至る運命から彼を救うことはできるのか?二人の少年の命を賭けた冒険に、老女官や怪僧阿闍梨、美少女夏君といった面々がからみ、息もつかせぬ物語が栄華の都のまん中に展開する。多感な世代に訴えるテーマ性を合わせ持つ骨太な作品、読みごたえ抜群!
福音館書店のHPより)

帝の住まう内裏のとなりに鬱蒼と広がる松の林。そこは「えんの松原」とよばれる怨霊たちのすみかだった。少年でありながら女童として宮中に仕える音羽は、東宮・憲平に祟る怨霊の正体を探るべく、深い闇のなかへと分け入っていく。そこで彼が見たものは?……真実を求める二人の少年の絆と勇気、そして魂の再生の物語。
福音館文庫版のHPより)


憲平は後の冷泉天皇、主人公音羽丸は伴氏の一族で、音羽丸が音羽として仕える伴内侍は伴保平(やすひら)の娘だったり……歴史的事実や言い伝えなどをうまく落とし込んでいるところも、本書の面白さの一つでしょう。


タイトルとして使われている「えんの松原」は、「宴の松原」または「縁の松原」と記し、 平安京大内裏(宮城)内、内裏(御所=天皇の私的エリア)の西側にあった、内裏に匹敵する広さを持つ、実在した空き地だそうです。饗宴のための広場として用いられたとする説や内裏を建て替える時のための余地という説がありますが、いずれもその事実を示す記録はなく明らかではないとのこと。ここで、若い女性が鬼に惨殺されたとか、肝試しに通り掛かった貴公子が怪しい声に怯えて逃げ帰ったとか、伝えられているそうです。
それをうまく取り入れ、まさに、帝の住まう内裏の隣に鬱蒼と広がる松の林である「えんの松原」を、存在を信じその祟りを怖れていた、怨霊のすみか「怨の松原」として描いています。

奇行が目立ったという憲平、後の冷泉天皇の有名なエピソードも、しっかり効果的に使われています。
三種の神器の一つ、御璽(勾玉)の箱の紐を解いているところを臣下が奪い取って元通りに結び直した、というエピソードを、別の神器・鏡に変えて、音羽と憲平が出会う冒頭の大切な場面としています。

冷泉天皇、御璽の結緒を解き開かんとし給ふ事
 故小野宮右大臣 (實資) 語りて云はく、
冷泉院、御在位の時、大入道殿(兼家)【たちま】ち参内の意有り、よりて俄 【にはか】に単騎馳せ参ず、御在所を女房に尋ぬ、女房云はく、
夜の御殿【=清涼殿】に御す、只今、御璽の結緒を解き開かしめ給ふなり
  【にはか】に驚き、闥【たつ=宮中の小門】を排【おしひら】きて参入す、女房の言の如く筥の緒を解き給ふ間【ころほひ】なり。因【よ】りて奪ひ取り、本の如く之を結ぶ
云々。
(『江談抄』(2-3)より)

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また、御所の番小屋の屋根に登った、というエピソードも、東宮が自己に目覚め、主体的に生きる決心をする終盤のクライマックスとなっています。

本書は、怨霊をただ恐れる存在ではなく、怨霊を普遍的な“寓意”としても受け取れるようになっていて、真実と対峙するために闇に分け入った二人が、少年として成長していく様子が確固たる筆致で描かれています。

裏表紙の衣が舞う絵も、女性の衣を脱ぎ捨て、音羽が音羽丸として生きていく象徴となっていて、さすが、太田大八さん、深い〜、と感激しました。

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いろいろな意味で、児童書ですが、おとなも楽しめる内容ですので、
是非、おとなの方にも手に取っていただきたい本です。
私自身一気に読み終えましたが、心に残るものがありました。
伊藤遊さんの他の作品も読みたくなりました。


画を描かれた太田大八さんにお目にかかったことがあります揺れるハート
とっても素敵な紳士でした。


なお蛇足ですが、皆さんよくご存知の映画『陰陽師』(2001)は、冷泉天皇が幼い時の東宮指名騒動を描いています。憲平親王は、別腹の異母兄の広平親王を蹴落として東宮の座についた結果、ライバル皇子の外祖父・藤原元方に恨まれ、祟られてしまう、という本書でも語られる“あの”エピソードです。


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第7回 梅棹忠夫・山と探検文学賞に『そして、ぼくは旅に出た。』 [2018年03月31日(Sat)]
大竹英洋さんの『そして、ぼくは旅に出た。はじまりの森 ノースウッズ』(あすなろ書房 2017.3)が第7回 梅棹忠夫・山と探検文学賞に選ばれた、という嬉しい知らせが、30日入ってきましたぴかぴか(新しい)

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選考対象50作品のうち最終選考に残った5作品からの選出だそうですかわいいかわいいかわいい

大竹英洋さん、おめでとうございます。
編集をされた松田素子さん、本当によかったですね揺れるハート
心よりお祝い申し上げます。

自分の大好きな作品、大切にしている本がこうして認められるのって、本当に、嬉しいですね。
これからも、いい作品をこのブログで紹介できたら、と思います。
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角野栄子さん @ 国際アンデルセン賞 作家賞 [2018年03月29日(Thu)]
児童文学作家の角野栄子さんが児童文学のノーベル賞といわれる「国際アンデルセン賞」の作家賞を受賞されたという嬉しいニュースが26日入ってきましたぴかぴか(新しい)

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(2018年3月28日付読売新聞)

日本人の同作家賞受賞は1994年のまど・みちおさん、2014年の上橋菜穂子さんに続き3人目で、画家賞の1980年の赤羽末吉さん、1984年の安野光雅さんを入れると5人目です。

おめでとうございますかわいいかわいいかわいいかわいい

角野さんには、ジョイネットの活動の講師を何度もしていただいて、大変お世話になっています揺れるハート

講演会で必ず言われるのが、
「魔法は一つ。誰でも必ず持っている。」
と。

最近では、2016年2月7日、下関市の勤労福祉会館で行った「おばけのアッチ 誕生のヒミツ  〜〜作者 角野栄子さんをかこんで〜〜」です。

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いつも素敵な角野さん。この時は81歳exclamation×2

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こどもの広場の横山さんとのかけあいで進みました。

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会場にはキキになりきった少女も。2年生だそうです。熱心に質問していました。

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アッチのバッジも作りました!
谷川俊太郎 × 小室等 @ プロテクトソング [2018年03月28日(Wed)]
1978年、谷川俊太郎さんと小室等さんは共作アルバム「プロテストソング」をリリースしました。

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そして約40年の歳月を経て2017年に届けられたのが「プロテストソング2」

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(2月13日付新聞)


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『プロテクトソング』(旬報社 2018.3)は、
右に開くと、そこで歌われるすべての詩が載っていて、
左に開くと、その楽譜(解説付)が収録されていて、
真ん中に、今という時代をめぐって詩人 谷川俊太郎さんとミュージシャン 小室等さんの対談が掲載されている
という何とも豪華なつくりの本です。

3月24日歌われた全12曲のうち、「プロテクトソング2」からは、

るんるん希望について私は書きしるするんるん
るんるん死んでからるんるん
るんるんおしっこるんるん
るんるん死んだ男の残したものはるんるん (武満徹/作曲)
るんるん木を植えるるんるん

の5曲を歌われました。

娘さんのこむろゆいさんとのユニット“Lagniappeラニャップ)”の演奏が主でした。
ラニャップは、「おまけ」などという意味で、アーサー・ビナードさんが命名されたとのこと。
私は、ラニャップの演奏を聴くのは、2017年4月29日 中原中也生誕祭 空の下の朗読会(中原中也記念館)以来ですかわいい

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(2018.3.24 下関市生涯学習プラザ)

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(2018.3.24 長州屋台村)

24日のイベントの出演依頼ですが、実は、小室等さんだけで、ゆいさんにはお願いしていませんでした。
だから、チラシには、ラニャップの名前も、ゆいさんの名前もありません。
でも、小室さんは、ゆいさんも一緒に、と言われて、今回のラニャップの演奏となった訳です。

ゆいさんは、“おまけ”のようなもの。
“おまけ”って、もらった人を幸せな気持ちにしますね揺れるハート

二人は、舞台の上でも、舞台を降りても、息ピッタリで、ステキな父娘です。

素晴らしい演奏ありがとうございました。
絵の中のぼくの村 [2018年03月26日(Mon)]
『絵の中のぼくの村』(くもん出版 1992.8)は、
絵本作家 田島征三さんが、双子の兄 征彦さんと高知県芳原村で過ごした少年時代を綴ったエッセイ集ですぴかぴか(新しい)
田島さんの絵本の原風景を見ることができる本です。

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東陽一監督により映画化されているので、映画の方をご存知の方も多いのでは・・・。
映画は1996年に第46回ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞しました。

24日田島さんにお会いしたら、ぜひ聞いてみたいことが、いくつかありました。

表紙の絵は、ハヤトウリを描いたものです。

 表紙の絵は、ニガウリを描いた『はたけうた』に通じていますね。
 お母さんを描いたあの絵は、お母さんに贈られましたか?

とお話ししたかったのですが、お話しできませんでした。

大人になってぼくがいつか立派な絵かきになれたなら、美しい母の姿をすばらしい絵を描こう。そしてその絵を世界中の人々に見てもらい、そして母に贈ろう。そうすればきっと母は今の哀しみを忘れるほど喜んでくれるに違いない。」(P.74)

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講演会では、小室さんの演奏でるんるんとべバッタるんるんを歌ってくださいまいた。

 病院通いをしていた時に、いつも現れたバッタは、
 『とべバッタ』のモチーフになったのではないですか?

とも、お聞きしたかったです。

「…約1か月、毎日その病院まで通った。大人の足でも一時間も要する道のりを、真夏の炎天下てくてくぼくはひたすら歩いた。…(略)…榎の下までゆくと、もうぼくの足は疲れて、体は熱くけだるくて、歩くのがいやになるのだった。まだ四半分もいってないのである。ところがここまでくると、いつもぼくの足元からバッタは跳び立って、またぼくのゆく先でぼくを待っていてくれる。その様子は、「セイゾウ、元気を出してここまできいや(おいで)」とバッタがいっているみたいで、ぼくはバッタに励まされような気分になって、てくてく歩き歩きゆく。」(P.33〜34)

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講演会では、6月位に佼成出版社から出る『ぼく おたまじゃくし』を読んでくださいました。
なんと、それは、本著16ページにあるオタマジャクシのエピソード、そのままでした。

オタマジャクシはバケツの中で元気に育って、やがて手や足を出ししっぽを捨てて小さな蛙となりぴょんぴょん逃げていった。だが、一匹だけ手も足も出ないのがいた。(略)ある大雨の夜、水槽が雨水であふれ〇〇〇はその水とともにどこかへ流れていった。
ぼくは今でもあの〇〇〇の子が庭や道を泳いで川までたどりつけたのだろうかと思ってみる。四十年以上前に逃げていった〇〇〇の子は、いまでもぼくの心の奥の方の叢の根方の湿った土の上を必死で川に向かって泳いでいるのである。
」(P.16)

ネタバレになるので、〇〇〇が何だったか、を書くのはやめます。
知らないで聞かれた方は、色々想像されて楽しまれたようでしたので。

サイン会と打ち上げの時、そのお話だけは少しだけすることができましたexclamation×2

 『ぼく おたまじゃくし』は、『絵の中のぼくの村』の中のエピソードですね。
 読み始められてすぐに分かりました。
 〇〇〇はどうやって川にたどり着くのか、興味津々だったのですが、
 意外な展開で、すごい、そうくるか、と思いました。さすが、田島さんです。
 70年近くたったけれど、川に帰ることができて、よかったですね。
 田島さんの中で、心の澱が取れたのでは…。

本当は、もっともっとお話したかったのですが、小室さんを飛行場にお送りするのにお供するという素敵なミッションがあったので、残念ながら、打ち上げを途中退席しました。

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(2018.3.24 下関市生涯学習プラザ)
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(2018.3.24 長州屋台村)

握手させていただいた田島さんの手は繊細で柔らかく暖かかったです。

これからも、ステキな作品を描いてください揺れるハート
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