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こどもと本ジョイントネット21・山口


〜すべての子どもに本との出会いを〜

子どもと本をむすぶ活動をしています


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下瀬信雄展 天地結界 @ 山口県立美術館 [2019年07月01日(Mon)]
6月29日(土)、山口県立美術館で開催されている山口県立美術館開館40周年記念「下瀬信雄展 天地結界」にFさんと行きましたぴかぴか(新しい)

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今日にしたのは、下瀬信雄さんご自身によるギャラリートークがあるからです。
来る途中、車が上下真っ逆さまになる転覆事故に遭遇し、約束の時間に遅れて焦っていた私は、美術館に一歩踏み入れて唖然。1Fのエントランスホールはすごい人でした。

今まで何度も山口県美のギャラリートークに参加していますが、こんなに多いのはもしかして初めてかも……。会場からもどんどん人が出てスロープを降りて来るし…。

故吉村芳生さんの2010年の「吉村芳生展 ─とがった鉛筆で日々をうつしつづける私」は予想をはるかに超えた人が詰めかけた展覧会でしたが、ここまで、ギャラリートークに人は集まっていなかったような気がするのです……。

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ギャラリートークはエントランスホールを含めて4か所であり、あわせて「結界」シリーズについても話されました。

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下瀬さんは、被写体のこと、カメラ等機材のこと、撮影秘話、技法など、惜しみなく作家本人ならではのお話をしてくださいました揺れるハート

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山口県美や2015年、中原中也記念館20周年記念企画展「下瀬信雄写真展「さやかに風も」」やアテリエ セレーノ(山口市下市町)で行われた「出版記念 写真展「結界」」などで、下瀬さんのお話は何度も伺ったことがあるのですが、その飾らない語り口はとても魅力的です黒ハート
それにとてもお話がうまいexclamation×2

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写真とは、
フォトモンタージュ、
光が描いた絵、
真実が写るのではなく事実が写る(写真はその場の現実しか写せない。事実である分リアリティーがあり、インパクトもあるが、「真実」とは異なる。)、
レンズで撮って、いろいろな技法を駆使してつくる……。

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「王子山から」は長門市出身の詩人 金子みすずの詩「王子山」よりインスピレーションを受けたそうです。
日時を変えて複数回撮影し重ね合わせ、この作品になったそうです。
 
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王子山(わうじやま)

公園になるので植ゑられた、
櫻はみんな枯れたけど、

伐(き)られた雑木(ざふき)の切株にや、
みんな芽が出た、芽が伸びた。

木(こ)の間(ま)に光る銀の海、
わたしの町はそのなかに、
竜宮みたいに浮んでる。

銀の瓦と石垣と、
夢のやうにも、霞(かす)んでる。

王子山から町見れば、
わたしは町が好きになる。

干鰮(ほしか)のにほひもここへは来ない、
わかい芽立(めだ)ちの香がするばかり。


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こちらが、会場入り口です。
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展示会場への道筋は、大判カメラで撮られた野に群生する植物が、プロローグのように展示してありました。

「山口県 ふるさとの風景」

萩市田床山から見える夏の日の夕景、花火が上がる三角州の街並みを写した縦約2m、横約5.8mの大作が展示してありました。撮影ポイントに何度も通い100枚以上の写真を合成し完成まで1年以上を費やした作品だそうです。花火、夕日、萩城、漁火、列車、サッカー場など時間軸の違うものが不思議と一枚に収まっています。
ないはずの萩城があり、「花火の日は漁をやらないので、漁火は見えません。サッカー場の夜間照明も子ども達は花火の日は花火を見にいくのでサッカーはしないので点いてません。」

「日本点景」

「サンタモニカ」(本展覧会では《サンタモニカの風》というタイトルで紹介)は、大分県日田市の方に行ったとき偶然見かけたソフトクリーム売り場に心惹かれ撮影したもので、黄色を強調し、日田線のSL、カラスを合成して作品とし、2009年、第63回山口県美術展覧会の大賞を受賞しました。

翌年の2010年、第64回山口県美術展覧会で前年度大賞受賞者に与えられる特別展示コーナーには、日本各地で出会った奇妙な風景を集め、「日本点景」と題して展示されました。
ここでは、その時展示された作品を中心に展示されています。
「彼岸の観覧車」は福岡県の風景ですが、ブルーインパルスは岩国で撮影したものだそうです。
大阪球場+住宅展示場。
広島県の巨大迷路の公園+自衛隊。
合成などの加工が施され、よりその不思議さが際立つ作品に仕上がっています。

「萩 HAGI」

1967年、東京綜合写真学校を卒業して萩に帰った後、選んだ被写体は、萩でした。
ただしそれは、観光地の萩ではなく、ふるさとであり、ご自身が暮らす身近な萩でした。
萩を題材とした撮影はやがて、10年後の1977年、初の個展「萩」や、さらに10年後の1989年、初めての写真集『萩 HAGI』として結実し、写真家協会新人賞を受賞しました。45歳だったそうです。

「凪のとき」
正方形のかっちりとしたフォーマットにより、海からの風と陸からの風が切り替わる凪のひとときのような、ふと永遠がたちあらわれる時間が追求されています。

「風の中の日々」
35ミリフィルムを用いる小型カメラで撮られたスナップショットのシリーズです。機動的にカメラの方が動きながら、様々な日常の情景が切り取られています。

「つきをゆびさす」
仏教用語の「指月(しげつ・しぐゎつ)」、「指」は仏教の教え、「月」は法(教え)で、月という真理を指し示しているのにその指先だけに囚われると両方を見失うという意です。指し示す写真と指し示そうとする思いとの関係を模索する中から生まれた象徴的な作品です。

また、このコーナーには、2015年第69回山口市美術展覧会優秀賞を受賞した「となりの彼女」が展示してありました。お絵かきソフトを自分で開発し、インクジェットプリンターでは金銀の発色が悪いので後から彩色したものです。
他にも新しい技術を用いた意欲的・実験的な作品が並んでいました。
絶えず、果敢に新たな表現の可能性に試みるチャレンジ精神に感服しました。

「結界」

「結界」は、ライフワークといえるシリーズで、始まりは1990年代の初め頃。
当たり前に目にしているような身近な植物を4×5、8×10といったサイズの大判カメラを用いて撮り、モノクロームで緻密にプリントしています。そこには、これ以上踏み入っていけない、という神聖な空気が漂よっています。
展示の仕方も、照明が落としてあり、セレーノで見た作品もあったのですが、印象が随分違う気がしました。

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下瀬さんは、この作品展の作品は自分のものでも、展示する作品を選んで決定するのも、展示空間を作るのも、キュレーターの役目であり、この展覧会自体、自分の手を離れていること言われていました。
そうなんですね。

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展示作品は、県美の展覧会他で見たことのあるものもたくさんありましたが、とても充実していました。
それに、技術的なことも話してくださったので、鑑賞する目が少しだけ変わった気がします。

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萩市在住の写真家、下瀬信雄(1944–)は、東京綜合写真専門学校で写真を学び、帰郷して家業の写真館を継いでからは、ふるさとの文化や風土を独自の視点で撮るスタンスを貫いてきました。萩の街並みや風景をとらえた最初の写真集『萩 HAGI』(1989年)は、私的な視点から街の佇まいをみつめる感性が評価され日本写真協会新人賞を受賞。萩を題材とするシリーズは、さらに6×6センチ判の中判カメラで自然や風景をとらえた「凪のとき」、35ミリフィルムを用いた小型カメラによるスナップショットを集めた「風の中の日々」のシリーズへと展開していき、次作『萩の日々』(1998年)に結実しました。また90年代初めごろからは、4×5インチの大判カメラを用いたモノクローム撮影で自然界の中に潜む境界にせまる、「結界」をテーマとするシリーズにも取り組み始めました。このシリーズから編まれた写真集『結界』(2014年)は、第34回土門拳賞を受賞、下瀬信雄のライフワークとなっています。本展覧会では、「結界」シリーズを中心に、初期の作品から近年のカラー写真まで、写真家・下瀬信雄のこれまでの歩みをたどります。(展覧会チラシより)

るんるん日 時るんるん 2019年5月23日(木)〜7月7日(日)9:00〜17:00(最終入場時間 16:30)
るんるん休館日るんるん 月曜日。ただし、6月3日(月)と7月1日(月)は開館
るんるん会 場るんるん 山口県立美術館
るんるん入場料るんるん 一般 1,200円 (1,000円)、シニア・学生 1,000円 (800円)、18歳以下 無料
 ※シニアは70歳以上、( )内は前売りおよび20名以上の団体料金
 ※高等学校、中等教育学校、特別支援学校に在籍の学生等は無料
 ※障害者手帳等持参者とその介護者1名は無料
るんるん前売券るんるん ローソンチケット、セブチケットおよび県内各プレイガイド
るんるん主 催るんるん 山口県立美術館、読売新聞社、KRY山口放送、萩市、萩市教育委員会
るんるん後 援るんるん 山口県教育委員会、山口市、山口市教育委員会、(一社)山口県観光連盟
 山口商工会議所、(一財)山口観光コンベンション協会、湯田温泉旅館協同組合 他
るんるん公式サイトるんるん http://www.yma-web.jp
るんるん問 合るんるん 山口県立美術館 083-925-7788

かわいい下瀬信雄 (しもせのぶお)かわいい
満州新京市出身。1945年、萩市に引き揚げ。1967年、東京綜合写真専門学校を卒業後、萩に帰る。以後萩を拠点に活動、ニコンサロンなどで多数個展を開催してきた。現在までに写真集『萩 HAGI』(1989年)、『萩の日々』(1998年)、『結界』(2014年)を出版。IBA(インターナショナル・ブロードキャスティング・アワード)非英語圏部門最優秀賞(2005年)、第30回伊奈信男賞(2005年)、第63回山口県美術展覧会大賞(2009年)、第34回土門拳賞受賞(2015年)など受賞歴多数。

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雨の美術館もいいものです。
「下瀬信雄展 天地結界」は、7月7日までやっていますので、ぜひ揺れるハート

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