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こどもと本ジョイントネット21・山口


〜すべての子どもに本との出会いを〜

子どもと本をむすぶ活動をしています


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「やまぐち朗読Cafe 〜朗読と蓄音器ジャズの夕べ〜 」に参加しました [2019年02月08日(Fri)]
2019年2月6日に行われた第10回「やまぐち朗読Cafe 〜朗読と蓄音器ジャズの夕べ〜 」に参加しましたぴかぴか(新しい)
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中原中也記念館の中原豊館長の司会で進行しました。
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第1部 オープニング朗読
Kさんが、コピーライターの中村直史さんの「旅する言葉」を朗読されました。
2012年のJFNヒューマンコンシャスラジオCMです。
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オープニング朗読にふさわしい言葉で、Kさんのチョイスはいつも素晴らしいと感心していまするんるん


第2部 蓄音器ジャズ
今日は、中原館長がネットオークションで手に入れられたキャピトルレコードの「The History Of Jazz Vol.2 - The Golden Era」より4曲です。
The History of Jazz Vol.2.jpg IMG_1338.JPG

このアルバムにはライナーノート(解説書)が付いていました。
The History of Jazz Vol.2 解説.jpg IMG_1339.JPG

@Jack Teagarden's Chicagoans 演奏の「Stars Fell On Alabama(アラバマに星落ちて、星降るアラバマ)」
歌は、Jack Teagarden(ジャック・ティーガーデン)です。
1934年に作られたジャズのスタンダード曲で、100組以上のアーティストたちによって演奏されています。
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APaul Whiteman And His Orchestra演奏の「Wang Wang Blues」
チューバが低音部を担当しています。
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BJay McShann's Kansas City Stompers演奏でJulia Leeが歌う「Trouble In Mind」
Julia Leeはジャケットとライナーノートの絵の女性です。
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CRed Nichols And His Pennies演奏の「I'm In The Mood For Love」
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今日のレコードは、ノイズも少なくクリアな音質でした。
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第3部 自由参加の朗読
@麻生有里さんの自作詩「南口から」
麻生さんの自作詩の朗読を聴くのはこれで2回目ですが、やっぱりいいですねわーい(嬉しい顔)
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A中原中也「寒い!」

寒い!

毎日寒くてやりきれぬ。
瓦もしらけて物云はぬ。
小鳥も啼かないくせにして
犬なぞ啼きます風の中。


飛礫つぶてとびます往還[おうかん]は、
地面は乾いて艶[つや]もない。
自動車の、タイヤの色も寒々と
僕を追ひ越し走りゆく。


山もいたつて殺風景、
鈍色
にびいろの空にあつけらかん。
部屋に籠
[こも]れば僕なぞは
愚痴つぽくなるばかりです。


かう寒くてはやりきれぬ。
お行儀のよい人々が、
笑はうとなんとかまはない
わめいて春を呼びませう………


一九三五、二

1935年2月とあり、その時期、中也は山口に帰省していて、ランボー詩を訳していたそうです。
山口市で作られた詩と言われています。84年前のことです。

B原明子さんによる坂口安吾「机と布団と女」(『坂口安吾全集 06』(筑摩書房 1998.7)(初出:『マダム 創刊号』(マダム出版社 1948(昭和23)年2月1日発行)) 
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小説新潮の新年号に、林忠彦の撮影した私の二年ほど掃除をしたことのない書斎の写真が載ったから、行く先々で、あの部屋のことをきかれて、うるさい。しょっちゅうウチへ遊びにきていた人々も、あの部屋を知ってる人はないのだから、ほんとに在るんですか、見せて下さい、と云う。見世物じゃないよ。(以下略) 
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中原中也記念館では、2019年4月14日(日)まで企画展U「文士の肖像―林忠彦写真展」をやっています。
林忠彦写真展 文士の肖像.jpg

Cウー・フェイさんとMさんのコラボによる『山羊之歌―中原中也詩選』(中原中也/著 吴 菲/訳 新星出版社 2018.6)より「サーカス」
ウー・フェイさんは中国から来日されて約20年になります。
中原中也の詩を中国語に翻訳し、昨年6月に中国で出版されました。
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まずMさんが『サーカス (声にだすことばえほん) 』(中原中也/詩 にしむらあつこ/絵 齋藤孝/編 2008.9)を朗読されました。
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そして、ウー・フェイさんが、中国語に訳した「サーカス」を朗読され、Mさんがそれに対応する絵本の頁をめくっていかれました。 
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次に、Mさんが中国語で朗読され、「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」というオノマトペの部分を一緒に読まれました。
息のぴったりあった空中ブランコのようでした。

サーカス

幾時代かがありまして
  茶色い戦争ありました

幾時代かがありまして
  冬は疾風吹きました

幾時代かがありまして
  今夜此処
(ここ)での一(ひ)と殷盛(さか)
    今夜此処での一と殷盛り

サーカス小屋は高い梁
(はり)
  そこに一つのブランコだ
見えるともないブランコだ

頭倒
(さかさ)に手を垂れて
  汚れ木綿の屋蓋
(やね)のもと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

それの近くの白い灯が
  安値
(やす)いリボンと息を吐き

観客様はみな鰯
  咽喉
(のんど)が鳴ります牡蠣殻(かきがら)
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん


     屋外(やぐわい)は真ッ闇(くら) (くら)の闇(くら)
     夜は劫々(こふこふ)と更けまする
     落下傘奴
(らくかがさめ)のノスタルヂアと
     ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん


DOさんによる尹東柱(ユンドンジュ)『空と風と星と詩―尹東柱全詩集』(尹 東柱/著 尹 一柱/編集 伊吹郷/訳 影書房 第2版:1984.11)より「星を数える夜」
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EOさんによる中原中也「月夜の浜辺」
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月夜の浜辺

月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちてゐた。


それを拾つて、役立てようと
僕は思つたわけでもないが
なぜだかそれを捨てるに忍びず
僕はそれを、袂
たもとに入れた。

月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちてゐた。


それを拾つて、役立てようと
僕は思つたわけでもないが
   月に向つてそれは抛
はふれず
   浪に向つてそれは抛れず
僕はそれを、袂に入れた。


月夜の晩に、拾つたボタンは
指先に沁
み、心に沁みた。

月夜の晩に、拾つたボタンは
どうしてそれが、捨てられようか?


FHさんによる中原中也「月夜の浜辺」パロディ

GKさんによる夏目漱石『吾輩は猫である』の冒頭部分
3分間朗読された後、最後に「続く」と言われました。
次回、続きを聴くのが楽しみでするんるん

HAさんによる『しっぽ しっぽ しっぽっぽ』(木曽秀夫/作・絵 フレーベル館 2011.3)
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紐を使ったおもしろい絵本でした。 
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ITさんによる夏目漱石『夢十夜』(新潮文庫『文鳥・夢十夜』)より「第三夜』
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寒い夜がますます寒くなりました雪

JMさんによる佐藤春夫「秋刀魚の歌」

秋刀魚の歌

あはれ
秋風よ
〔こころ〕あらば伝へてよ
――男ありて
今日の夕餉
〔ゆふげ〕に ひとり
さんまを食
〔くら〕ひて
思ひにふける と。


さんま、さんま
そが上に青き蜜柑の酸
〔す〕をしたたらせて
さんまを食ふはその男がふる里のならひなり。
そのならひをあやしみてなつかしみて女は
いくたびか青き蜜柑をもぎて夕餉にむかひけむ。
あはれ、人に捨てられんとする人妻と
妻にそむかれたる男と食卓にむかへば、
愛うすき父を持ちし女の児
〔こ〕
小さき箸
〔はし〕をあやつりなやみつつ
父ならぬ男にさんまの腸
〔はら〕をくれむと言ふにあらずや。

あはれ
秋風よ
〔なれ〕こそは見つらめ
世のつねならぬかの団欒
〔まどゐ〕を。
いかに
秋風よ
いとせめて
〔あかし〕せよ かの一ときの団欒ゆめに非〔あら〕ずと。

あはれ
秋風よ
情あらば伝へてよ、
夫を失はざりし妻と
父を失はざりし幼児
〔おさなご〕とに伝へてよ
――男ありて
今日の夕餉に ひとり
さんまを食ひて
涙をながす と。


さんま、さんま
さんま苦いか塩つぱいか。
そが上に熱き涙をしたたらせて
さんまを食ふはいづこの里のならひぞや。
あはれ
げにそは問はまほしくをかし。


とても有名な詩ですが、中原中也記念館企画展U「文士の肖像―林忠彦写真展」で観た
暗闇から出てきたキリンのような感じがしました。
(中央文庫『文士の時代』(林忠彦/著 中央公論社 2014.9)P.71)
佐藤春夫の顔が忘れられません。

K防府市立桑山中学校3年生の詩「待つ」
おばあちゃんとの生活の中から身を持って学んだ「待つ」ことの大切さを描いた詩です。

L谷川俊太郎「違う心はそのままで」
トヨタ財団広報誌「ジョイント」No.28「特集:NPO法施行20周年 市民社会は、今」(2018.10)に掲載されていたそうです。


次回の第11回「やまぐち朗読Cafe」は、2019年4月18日(木)20:00〜です揺れるハート
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