ハロウィンに「やまぐち朗読Cafe〜朗読と蓄音器ジャズの夕べ〜」を楽しみました @ ジャズスポット ポルシェ
[2018年11月16日(Fri)]
10月31日、今年のハロウィンの夜はジャズスポット ポルシェで行われた「第8回やまぐち朗読Cafe〜朗読と蓄音器ジャズの夕べ〜」を楽しみました

中原中也記念館の中原豊館長の司会で進行しました。

第1部 オープニング朗読
街の朗読屋さんのメンバーのFさんが

10月29日付朝日新聞に掲載された宝島社企業広告 樹木希林の「あとは、じぶんで考えてよ。」を朗読されました。

第2部 蓄音器ジャズ
今日は、コロンビアレコードのアルバム「The History of Jazz」(12枚24曲)より5曲です。

蓄音器は、レコードをターンテーブルに置いて

ハンドルを回して

サウンドボックスを動かして

……そんな音を出すまでの儀式がいいです

今日も、1曲、途中で止まってしまいました。
中原館長によると、この蓄音器は、ハンドルをどこまで回せばいいのか、分かりにくいのだそうです。
@「High Society Rag」
King Oliver’s Creole Jazz Band

A「Young Woman’s Blues」
Bessie Smith

B「What’s your Story, Morning Glory?」
Jimmie Luncefourd楽団
C「One O’clock Jump」
Count Basie楽団

D「Apple Honey」
Woody Hermon
休憩時間に蓄音機の中を見せていただきました。

第3部 自由参加の朗読
今日は、アイリッシュ・ハープ演奏家のChifumi(上利千富美)さんによる朗読への即興ピアノ伴奏が入ります。

@トップバッターのNさんは、兼好と頓阿の「沓冠の歌」の贈答
よもすずし
ねざめのかりほ
たまくらも
まそでもあきに
へだてなきかぜ

よるもうし
ねたくわがせこ
はてはこず
なほざりにだに
しばしとひませ

A『せかいいちのいちご』(林木林/作 庄野ナホコ/絵 小さい書房 2018.6)

BKさんによる10月29日付読売新聞に掲載された宝島社企業広告 樹木希林の「サヨナラ、地球さん。」
C『あたらしいあたりまえ。』(松浦弥太郎/著 PHP研究所 2010.1)より「ブレーキ」

DNさんによる『カウセリングとともに生きるー存在への勇気』(国分久子/監修 国分康孝/文 図書文化社 2018.6)より
EHさんも、『カウセリングとともに生きるー存在への勇気』より「教育実習」

F『イソップ物語』より「馬とロバ」
GAさんによる『最後だとわかっていたなら』(ノーマ・コーネット・マレック/著 佐川睦/翻訳 サンクチュアリ出版 2007.6)
HSさんによる『くじけないで』(柴田トヨ/詩 飛鳥新社 2010.3)より「かぜとひさしとわたし」「コオロギ」

IOさんによる中原中也「臨終」「秋の愁嘆」
臨終
秋空は鈍色(にびいろ)にして
黒馬の瞳のひかり
水涸(か)れて落つる百合花
あゝ こころうつろなるかな
神もなくしるべもなくて
窓近く婦(をみな)の逝きぬ
白き空盲(めし)ひてありて
白き風冷たくありぬ
窓際に髪を洗えば
その腕の優しくありぬ
朝の日は澪(こぼ)れてありぬ
水の音(おと)したたりてゐぬ
町々はさやぎてありぬ
子等の声もつれてありぬ
しかはあれ この魂はいかにとなるか?
うすらぎて 空となるか?
秋の愁嘆
あゝ、 秋が来た
眼に琺瑯(はふらう)の涙沁む。
あゝ、 秋が来た
胸に舞踏の終らぬうちに
もうまた秋が、おぢやつたおぢやつた。
野辺を 野辺を 畑を 町を
人達を蹂躪(じゆうりん)に秋がおぢやつた。
その着る着物は寒冷紗(かんれいしや)
両手の先には 軽く冷い銀の玉
薄い横皺(よこじわ)平らなお顔で
笑へば籾殻(もみがら)かしやかしやと、
へちまのやうにかすかすの
悪魔の伯父さん、おぢやつたおぢやつた。
(一九二五・一〇・七)
JTさんによる夏目漱石『夢十夜』(新潮文庫『文鳥・夢十夜』)より「第六夜」
K最後に、中原中也「盲目の秋」をChifumiさん作曲のピアノ演奏と中原館長の朗読で楽しみました

盲目の秋
風が立ち、浪が騒ぎ、
無限の前に腕を振る。
その間(かん)、小さな紅(くれなゐ)の花が見えはするが、
それもやがては潰れてしまふ。
風が立ち、浪が騒ぎ、
無限のまへに腕を振る。
もう永遠に帰らないことを思つて
酷白(こくはく)な嘆息するのも幾たびであらう……
私の青春はもはや堅い血管となり、
その中を曼珠沙華(ひがんばな)と夕陽とがゆきすぎる。
それはしづかで、きらびやかで、なみなみと湛(たた)へ、
去りゆく女が最後にくれる笑(ゑま)ひのやうに、
厳(おごそ)かで、ゆたかで、それでゐて佗(わび)しく
異様で、温かで、きらめいて胸に残る……
あゝ、胸に残る……
風が立ち、浪が騒ぎ、
無限のまへに腕を振る。

次回第9回「やまぐち朗読Cafe」は2018年12月13日(木)20:00〜です。



中原中也記念館の中原豊館長の司会で進行しました。

第1部 オープニング朗読
街の朗読屋さんのメンバーのFさんが

10月29日付朝日新聞に掲載された宝島社企業広告 樹木希林の「あとは、じぶんで考えてよ。」を朗読されました。

第2部 蓄音器ジャズ
今日は、コロンビアレコードのアルバム「The History of Jazz」(12枚24曲)より5曲です。


蓄音器は、レコードをターンテーブルに置いて

ハンドルを回して

サウンドボックスを動かして

……そんな音を出すまでの儀式がいいです


今日も、1曲、途中で止まってしまいました。
中原館長によると、この蓄音器は、ハンドルをどこまで回せばいいのか、分かりにくいのだそうです。
@「High Society Rag」
King Oliver’s Creole Jazz Band

A「Young Woman’s Blues」
Bessie Smith

B「What’s your Story, Morning Glory?」
Jimmie Luncefourd楽団
C「One O’clock Jump」
Count Basie楽団

D「Apple Honey」
Woody Hermon
休憩時間に蓄音機の中を見せていただきました。

第3部 自由参加の朗読
今日は、アイリッシュ・ハープ演奏家のChifumi(上利千富美)さんによる朗読への即興ピアノ伴奏が入ります。

@トップバッターのNさんは、兼好と頓阿の「沓冠の歌」の贈答

よもすずし
ねざめのかりほ
たまくらも
まそでもあきに
へだてなきかぜ

よるもうし
ねたくわがせこ
はてはこず
なほざりにだに
しばしとひませ

A『せかいいちのいちご』(林木林/作 庄野ナホコ/絵 小さい書房 2018.6)


BKさんによる10月29日付読売新聞に掲載された宝島社企業広告 樹木希林の「サヨナラ、地球さん。」

C『あたらしいあたりまえ。』(松浦弥太郎/著 PHP研究所 2010.1)より「ブレーキ」


DNさんによる『カウセリングとともに生きるー存在への勇気』(国分久子/監修 国分康孝/文 図書文化社 2018.6)より

EHさんも、『カウセリングとともに生きるー存在への勇気』より「教育実習」


F『イソップ物語』より「馬とロバ」

GAさんによる『最後だとわかっていたなら』(ノーマ・コーネット・マレック/著 佐川睦/翻訳 サンクチュアリ出版 2007.6)

HSさんによる『くじけないで』(柴田トヨ/詩 飛鳥新社 2010.3)より「かぜとひさしとわたし」「コオロギ」

IOさんによる中原中也「臨終」「秋の愁嘆」

臨終
秋空は鈍色(にびいろ)にして
黒馬の瞳のひかり
水涸(か)れて落つる百合花
あゝ こころうつろなるかな
神もなくしるべもなくて
窓近く婦(をみな)の逝きぬ
白き空盲(めし)ひてありて
白き風冷たくありぬ
窓際に髪を洗えば
その腕の優しくありぬ
朝の日は澪(こぼ)れてありぬ
水の音(おと)したたりてゐぬ
町々はさやぎてありぬ
子等の声もつれてありぬ
しかはあれ この魂はいかにとなるか?
うすらぎて 空となるか?
秋の愁嘆
あゝ、 秋が来た
眼に琺瑯(はふらう)の涙沁む。
あゝ、 秋が来た
胸に舞踏の終らぬうちに
もうまた秋が、おぢやつたおぢやつた。
野辺を 野辺を 畑を 町を
人達を蹂躪(じゆうりん)に秋がおぢやつた。
その着る着物は寒冷紗(かんれいしや)
両手の先には 軽く冷い銀の玉
薄い横皺(よこじわ)平らなお顔で
笑へば籾殻(もみがら)かしやかしやと、
へちまのやうにかすかすの
悪魔の伯父さん、おぢやつたおぢやつた。
(一九二五・一〇・七)
JTさんによる夏目漱石『夢十夜』(新潮文庫『文鳥・夢十夜』)より「第六夜」
K最後に、中原中也「盲目の秋」をChifumiさん作曲のピアノ演奏と中原館長の朗読で楽しみました



盲目の秋
風が立ち、浪が騒ぎ、
無限の前に腕を振る。
その間(かん)、小さな紅(くれなゐ)の花が見えはするが、
それもやがては潰れてしまふ。
風が立ち、浪が騒ぎ、
無限のまへに腕を振る。
もう永遠に帰らないことを思つて
酷白(こくはく)な嘆息するのも幾たびであらう……
私の青春はもはや堅い血管となり、
その中を曼珠沙華(ひがんばな)と夕陽とがゆきすぎる。
それはしづかで、きらびやかで、なみなみと湛(たた)へ、
去りゆく女が最後にくれる笑(ゑま)ひのやうに、
厳(おごそ)かで、ゆたかで、それでゐて佗(わび)しく
異様で、温かで、きらめいて胸に残る……
あゝ、胸に残る……
風が立ち、浪が騒ぎ、
無限のまへに腕を振る。

次回第9回「やまぐち朗読Cafe」は2018年12月13日(木)20:00〜です。
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