「まひるの月を追いかけて/恩田陸」
[2008年04月27日(日)]
本を読んでいて、気になるところがあるとページの端を折るクセがあります。
「まひるの月を追いかけて/恩田陸」を読んでいて、端を折るページが多かったです。
例えば、研吾の性格を妙子がこう分析しました。
「他人には同化したかったけれど、他人には同化されることをひどく恐れていた。・・・友人や恋人との関係で、どうしても不思議なところで引き返すことになる。彼の濃(こま)やかさに感動して、同じものを返そうとすると、彼に突然拒絶されることになるの」という件は、じょうちゃん自身が常々自分自身に感じていたことでした。
静が思ったところにも共感を覚えました。
・静が自分の離婚に対して「あたしも思ったよりはダメージ受けていない。ほんとは受けているんだろうけど、まあ、それなりに歳も食っているし、自分を騙すコツは分かっているから、無意識のうちに防衛してるの。みんな慰めてくれるんだけど、たぶん、周りが考えているダメージとあたしが受けているダメージはちょっと違うんだよね」
・自分自身に対して「元々スポットライトが当たるのは苦手なタイプだ。・・・しかし、自分が当初聞かされていたのと違うやり方で利用されていたと知るのは、やはり面白くない。」
・「確かに、彼女たちの方が、消極的で人生から逃げ腰の私たちに比べ、懸命に生と向き合っていたし、いなくなってなお存在感が濃厚なのだ。」
・「長年の自分のなかに押し殺していた感情があった。・・・負の感情を抱くべきではないという、自分に課してきた枷が。その瞬間、私は自分という人間の正体が見通せたような気がした。」
このところ恩田作でも「SF」「ミステリー」に属するものを読んでいましたが、「まひるの月を追いかけて」は文芸小説に属するものであり「黒と茶の幻想」/恩田陸 [2006年12月14日(木)] 以来の共感作でした。
これだけ感情移入をしてしまったのは、「まひるの月を追いかけて/恩田陸」を読んでいるときに「浦和駅東口」散策 [2008年04月19日(土)] をしていて不覚にも熊本では感じることがない感情と向き合ってしまったせいなのか
、「浦和駅東口」散策 [2008年04月19日(土)] の感情が「まひるの月を追いかけて/恩田陸」に必要以上に感情移入してしまうことになったのでしょうか
奈良には高校の修学旅行と仕事でしかいった記憶がありません。
京都は時代が重なり合っているのに対して、奈良は時代が点在しているということが解り、一度じっくり書かれたコースを歩いてみたいと思いましたし、「菩薩」とは悟りを求める人のことをいい、「如来」は悟りを得た仏様のことをいうそうです。
やはり、小説を読むというのは、疑似体験・仮想体験・想像力の訓練・多様な思考回路の習得・現実逃避・・・ということだと感じました。
「まひるの月を追いかけて/恩田陸」はそんな側面も持った作品でした。
また、「禁じられた楽園/恩田陸」 [2008年03月25日(火)] と「蛇行する川のほとり/恩田陸」 [2008年03月14日(金)] に見られたように、「麦の海に沈む果実」と「黒と茶の幻想」/恩田陸 [2006年12月14日(木)] で登場した名前が「憂理」であり、この「まひるの月を追いかけて」で登場したのが「優佳利」であるのも、作品への何らかの意思があったのかと思えてしまうから不思議です。
そして、文庫本の解説が佐野史郎であり、その解説文も面白いものでした。
1.光の帝国 常野物語 2.夜のピクニック 3.蒲公英草紙 常野物語 4.図書室の海 5.ライオンハート 6.六番目の小夜子 7.エンド・ゲーム 常野物語 8.不安な童話 9.球形の季節 10.ネバーランド 11.ねじの回転 FEBRURY MOMENT 12.麦の海に沈む果実 13.月の裏側 14.ドミノ 15.上と外 16.三月は深き紅の淵を 17.黒と茶の幻想 18.木曜組曲 19.劫尽童女 20.象の耳鳴り 21.puzzle(パズル) 22.MAZE(メイズ) 23.クレオパトラの夢 24.ロミオとロミオは永遠に 25.蛇行する川のほとり 26.禁じられた楽園 27.まひるの月を追いかけて
この27冊は読んだ本です。数字.題名は「鳩居堂」に感想を書いたものです。
「まひるの月を追いかけて/恩田陸」を読んでいて、端を折るページが多かったです。
例えば、研吾の性格を妙子がこう分析しました。
「他人には同化したかったけれど、他人には同化されることをひどく恐れていた。・・・友人や恋人との関係で、どうしても不思議なところで引き返すことになる。彼の濃(こま)やかさに感動して、同じものを返そうとすると、彼に突然拒絶されることになるの」という件は、じょうちゃん自身が常々自分自身に感じていたことでした。
静が思ったところにも共感を覚えました。
・静が自分の離婚に対して「あたしも思ったよりはダメージ受けていない。ほんとは受けているんだろうけど、まあ、それなりに歳も食っているし、自分を騙すコツは分かっているから、無意識のうちに防衛してるの。みんな慰めてくれるんだけど、たぶん、周りが考えているダメージとあたしが受けているダメージはちょっと違うんだよね」
・自分自身に対して「元々スポットライトが当たるのは苦手なタイプだ。・・・しかし、自分が当初聞かされていたのと違うやり方で利用されていたと知るのは、やはり面白くない。」
・「確かに、彼女たちの方が、消極的で人生から逃げ腰の私たちに比べ、懸命に生と向き合っていたし、いなくなってなお存在感が濃厚なのだ。」
・「長年の自分のなかに押し殺していた感情があった。・・・負の感情を抱くべきではないという、自分に課してきた枷が。その瞬間、私は自分という人間の正体が見通せたような気がした。」
このところ恩田作でも「SF」「ミステリー」に属するものを読んでいましたが、「まひるの月を追いかけて」は文芸小説に属するものであり「黒と茶の幻想」/恩田陸 [2006年12月14日(木)] 以来の共感作でした。
これだけ感情移入をしてしまったのは、「まひるの月を追いかけて/恩田陸」を読んでいるときに「浦和駅東口」散策 [2008年04月19日(土)] をしていて不覚にも熊本では感じることがない感情と向き合ってしまったせいなのか
、「浦和駅東口」散策 [2008年04月19日(土)] の感情が「まひるの月を追いかけて/恩田陸」に必要以上に感情移入してしまうことになったのでしょうか
奈良には高校の修学旅行と仕事でしかいった記憶がありません。
京都は時代が重なり合っているのに対して、奈良は時代が点在しているということが解り、一度じっくり書かれたコースを歩いてみたいと思いましたし、「菩薩」とは悟りを求める人のことをいい、「如来」は悟りを得た仏様のことをいうそうです。
やはり、小説を読むというのは、疑似体験・仮想体験・想像力の訓練・多様な思考回路の習得・現実逃避・・・ということだと感じました。
「まひるの月を追いかけて/恩田陸」はそんな側面も持った作品でした。
また、「禁じられた楽園/恩田陸」 [2008年03月25日(火)] と「蛇行する川のほとり/恩田陸」 [2008年03月14日(金)] に見られたように、「麦の海に沈む果実」と「黒と茶の幻想」/恩田陸 [2006年12月14日(木)] で登場した名前が「憂理」であり、この「まひるの月を追いかけて」で登場したのが「優佳利」であるのも、作品への何らかの意思があったのかと思えてしまうから不思議です。
そして、文庫本の解説が佐野史郎であり、その解説文も面白いものでした。
1.光の帝国 常野物語 2.夜のピクニック 3.蒲公英草紙 常野物語 4.図書室の海 5.ライオンハート 6.六番目の小夜子 7.エンド・ゲーム 常野物語 8.不安な童話 9.球形の季節 10.ネバーランド 11.ねじの回転 FEBRURY MOMENT 12.麦の海に沈む果実 13.月の裏側 14.ドミノ 15.上と外 16.三月は深き紅の淵を 17.黒と茶の幻想 18.木曜組曲 19.劫尽童女 20.象の耳鳴り 21.puzzle(パズル) 22.MAZE(メイズ) 23.クレオパトラの夢 24.ロミオとロミオは永遠に 25.蛇行する川のほとり 26.禁じられた楽園 27.まひるの月を追いかけて
この27冊は読んだ本です。数字.題名は「鳩居堂」に感想を書いたものです。



