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●「鳩居堂」 (きゅうきょどう)

JR熊本駅前の電車通りで少々うるさく振動もある狭い住処を
じょうちゃんの「鳩居堂」と名付けました。
明治維新の頃、大村益次郎という人がいました。
その人は自分の住処を「鳩居堂」と言っていました。
その住処名にならいました。どうぞ、お立ち寄り下さい。

          住人 じょうちゃん


住人


じょうちゃんの「ぼそぼそ」
鳩居堂の部屋名
鳩居堂のかかわり先
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講談社文庫刊 4冊 [2008年11月26日(水)]
「黄昏の百合の骨」→もう一度「三月は深き紅の淵を『第4章 回転木馬』」と「図書室の海『睡蓮』」 [2008年11月24日(月)]の通り、再読をしました。

こんなことを書いていたら、こういうが来ました。

「「三月は深き紅の淵を」の感想は、私も2度読んだのですが、ああいう終わり方は好きではないです。
面白くてどんどん読み進めてきたのにすっきりしない。
消化不良という感じでしょうか。」

恩田陸さんの作品って、終わり方はなかなか馴染まないというか、心地好くというか、納得することはありません。
言われた通り「消化不良」なのです。

しかし、それに慣れてしまった感があり、気にしないことにしています。

終わり方でいうと・・・

「三月は深き紅の淵を」は全体を通して何を意図としたものか解らず読んでしまいました。
別々の話が底辺で結びついているのですが、「第4章 回転木馬」に関しては、ほとんど小説家の組み立て方を書いているようなもので、「麦の海に沈む果実」の下書きのようです。

仕上がらなかった部分を書くために、あるいは、「第4章 回転木馬」を仕上げるために「麦の海に沈む果実」が書かれたようなものだとさえ錯覚してしまいます。

「麦の海に沈む果実」と「図書室の海」の「睡蓮」は2000年刊行とあります。
いずれが先だったのか判りませんが、「麦の海に沈む果実」の登場人物を「図書室の海」の「睡蓮」が補足しています。
水野理瀬のお父さんと連れてきた子との出会いで「麦の海に沈む果実」の要因を示し、睡蓮という伏線があって、稔と亘が揃えた上で「黄昏の百合の骨」は書かれています。

「黄昏の百合の骨」の終わり方は、水野理瀬に関するストーリーは必ず書かれることになるだろうという余韻があります。

「黒と茶の幻想」は、「麦の海に沈む果実」の梶原憂理の影だけを残し展開しています。
「黒と茶の幻想」の終わり方は、恩田陸さんにしては珍しく内容的はまとまっています。

これで梶原憂理に関するストーリーは終わりだなと感じさせられました。

またまた、本自体の感想ではなく、つながりになってしまいました。

今度こそ、感想を書くようにしよう

1.光の帝国 常野物語 2.夜のピクニック 3.蒲公英草紙 常野物語 4.図書室の海 5.ライオンハート 6.六番目の小夜子 7.エンド・ゲーム 常野物語 8.不安な童話 9.球形の季節 10.ネバーランド 11.ねじの回転 FEBRURY MOMENT 12.麦の海に沈む果実 13.月の裏側 14.ドミノ 15.上と外 16.三月は深き紅の淵を 17.黒と茶の幻想 18.木曜組曲  19.劫尽童女  20.象の耳鳴り 21.puzzle(パズル) 22.MAZE(メイズ) 23.クレオパトラの夢 24.ロミオとロミオは永遠に 25.蛇行する川のほとり 26.禁じられた楽園 27.まひるの月を追いかけて 28.黄昏の百合の骨

この28冊は読んだ本です。数字.題名は「鳩居堂」に感想を書いたものです。
「黄昏の百合の骨」→もう一度「三月は深き紅の淵を『第4章 回転木馬』」と「図書室の海『睡蓮』」 [2008年11月24日(月)]
例によって「寒くなると恩田陸」のパターンは定着しており、「黄昏の百合の骨」も読みはじめると一気に読んでしまいました。

今日は知り合いの娘さんの披露宴があったのですが、会場に行く時も本を持って行き、程度しかお酒も飲むことなく帰ってきて、帰ってきてあっさり読み終えました。

やはり、出版社には出版社の特徴があり、講談社文庫から出版されている「三月は深き紅の淵を」「麦の海に沈む果実」「黒と茶の幻想」そして「黄昏の百合の骨」というのには、共通したものがあり、今後出版される(されている?)本もこの流れの中にあるだろうし、是非、この後の理瀬を読んでみたいし、いつかは必ず書かれるであろうと確信を持たざるを得なくなるのが「黄昏の百合の骨」です。

長々と前置きを書いているのは、「三月は深き紅の淵を」「麦の海に沈む果実」「黒と茶の幻想」のうち、感想を書いているのは「黒と茶の幻想」だけであり、他の二冊はなぜか書けなかった上に、その進化版である「黄昏の百合の骨」の感想を先に書いてよいものか迷っているからです。

是非、「麦の海に沈む果実」→「三月は深き紅の淵を」→「図書室の海」 という流れで読まれることをお薦めします。と言ったものの、果たしてそれでよいのかも含め、「三月は深き紅の淵を」の「第4章 回転木馬」と「図書室の海」の「睡蓮」をさらっと読み返してみて、感想を書くこととしましょう

1.光の帝国 常野物語 2.夜のピクニック 3.蒲公英草紙 常野物語 4.図書室の海 5.ライオンハート 6.六番目の小夜子 7.エンド・ゲーム 常野物語 8.不安な童話 9.球形の季節 10.ネバーランド 11.ねじの回転 FEBRURY MOMENT 12.麦の海に沈む果実 13.月の裏側 14.ドミノ 15.上と外 16.三月は深き紅の淵を 17.黒と茶の幻想 18.木曜組曲  19.劫尽童女  20.象の耳鳴り 21.puzzle(パズル) 22.MAZE(メイズ) 23.クレオパトラの夢 24.ロミオとロミオは永遠に 25.蛇行する川のほとり 26.禁じられた楽園 27.まひるの月を追いかけて 28.黄昏の百合の骨

この28冊は読んだ本です。数字.題名は「鳩居堂」に感想を書いたものです。
「まひるの月を追いかけて/恩田陸」 [2008年04月27日(日)]
本を読んでいて、気になるところがあるとページの端を折るクセがあります。
「まひるの月を追いかけて/恩田陸」を読んでいて、端を折るページが多かったです。

例えば、研吾の性格を妙子がこう分析しました。
「他人には同化したかったけれど、他人には同化されることをひどく恐れていた。・・・友人や恋人との関係で、どうしても不思議なところで引き返すことになる。彼の濃(こま)やかさに感動して、同じものを返そうとすると、彼に突然拒絶されることになるの」という件は、じょうちゃん自身が常々自分自身に感じていたことでした。

静が思ったところにも共感を覚えました。

・静が自分の離婚に対して「あたしも思ったよりはダメージ受けていない。ほんとは受けているんだろうけど、まあ、それなりに歳も食っているし、自分を騙すコツは分かっているから、無意識のうちに防衛してるの。みんな慰めてくれるんだけど、たぶん、周りが考えているダメージとあたしが受けているダメージはちょっと違うんだよね」
・自分自身に対して「元々スポットライトが当たるのは苦手なタイプだ。・・・しかし、自分が当初聞かされていたのと違うやり方で利用されていたと知るのは、やはり面白くない。」
・「確かに、彼女たちの方が、消極的で人生から逃げ腰の私たちに比べ、懸命に生と向き合っていたし、いなくなってなお存在感が濃厚なのだ。」
・「長年の自分のなかに押し殺していた感情があった。・・・負の感情を抱くべきではないという、自分に課してきた枷が。その瞬間、私は自分という人間の正体が見通せたような気がした。」

このところ恩田作でも「SF」「ミステリー」に属するものを読んでいましたが、「まひるの月を追いかけて」は文芸小説に属するものであり「黒と茶の幻想」/恩田陸 [2006年12月14日(木)] 以来の共感作でした。
これだけ感情移入をしてしまったのは、「まひるの月を追いかけて/恩田陸」を読んでいるときに「浦和駅東口」散策 [2008年04月19日(土)] をしていて不覚にも熊本では感じることがない感情と向き合ってしまったせいなのか「浦和駅東口」散策 [2008年04月19日(土)] の感情が「まひるの月を追いかけて/恩田陸」に必要以上に感情移入してしまうことになったのでしょうか

奈良には高校の修学旅行と仕事でしかいった記憶がありません。
京都は時代が重なり合っているのに対して、奈良は時代が点在しているということが解り、一度じっくり書かれたコースを歩いてみたいと思いましたし、「菩薩」とは悟りを求める人のことをいい、「如来」は悟りを得た仏様のことをいうそうです。
やはり、小説を読むというのは、疑似体験・仮想体験・想像力の訓練・多様な思考回路の習得・現実逃避・・・ということだと感じました。
「まひるの月を追いかけて/恩田陸」はそんな側面も持った作品でした。

また、「禁じられた楽園/恩田陸」 [2008年03月25日(火)] 「蛇行する川のほとり/恩田陸」 [2008年03月14日(金)] に見られたように、「麦の海に沈む果実」と「黒と茶の幻想」/恩田陸 [2006年12月14日(木)] で登場した名前が「憂理」であり、この「まひるの月を追いかけて」で登場したのが「優佳利」であるのも、作品への何らかの意思があったのかと思えてしまうから不思議です。

そして、文庫本の解説が佐野史郎であり、その解説文も面白いものでした。

1.光の帝国 常野物語 2.夜のピクニック 3.蒲公英草紙 常野物語 4.図書室の海 5.ライオンハート 6.六番目の小夜子 7.エンド・ゲーム 常野物語 8.不安な童話 9.球形の季節 10.ネバーランド 11.ねじの回転 FEBRURY MOMENT 12.麦の海に沈む果実 13.月の裏側 14.ドミノ 15.上と外 16.三月は深き紅の淵を 17.黒と茶の幻想 18.木曜組曲  19.劫尽童女  20.象の耳鳴り 21.puzzle(パズル) 22.MAZE(メイズ) 23.クレオパトラの夢 24.ロミオとロミオは永遠に 25.蛇行する川のほとり 26.禁じられた楽園 27.まひるの月を追いかけて

この27冊は読んだ本です。数字.題名は「鳩居堂」に感想を書いたものです。
「禁じられた楽園/恩田陸」 [2008年03月25日(火)]
熊本県知事選挙に関するシビアな()考察をしている間に、小説の書評など書いてる場合か!と言われそうですが、忘れないうちに書きます。
実は、仕事が詰まっているのでもっとのんびり読むつもりで、昨夜も仕事をするつもりがついつい読み始めたら残り3/5くらいを1:30までかかって読んでしまいました。それだけ、引き込まれたというか、破天荒というか、展開が読めないというか、どう後始末をするのだろうかという気分で読んでしまいました。

世界的天才美術家・烏山響一の作品の世界に入っていく平口捷と香月律子。
黒瀬淳の失踪を追っていたら烏山響一の作品の世界に入ってしまった星野和繁と久野夏海。
この四人が烏山響一の作品・インスタレーションのなかで見たものは・・・。
黒瀬淳はどこに行ったのか?
烏山響一の作品・インスタレーションとは・・・。

といった展開です。

「蛇行する川のほとり/恩田陸」 [2008年03月14日(金)] では、謎として残るものはなかったのですが、この「禁じられた楽園」では読後もいろいろと謎が残ってしまいました。
それは作者自身が書いているように、「『楽園』に入るまでの構想は随分前からできていたのだが、『楽園』に入るまでに随分時間がかかってしまったのと、『楽園』の内容を考えていなかったので、連載中は非常に苦労した。」ように感じました。
平口捷の姉・香織が突然現れ、母の「無償の愛」への気づきから、他者を「負のエネルギー」から解放するというところ・・・ちょっと待ってくれない!これって、常野言葉に似ていて、香織は「洗濯屋」で「つむじ足」で烏山響一を「裏返した」ということなの?って感じです。
常野ファンとしてはそれはそれで納得しちゃうのですが、ここでは、烏山響一と黒瀬淳の「表裏の関係」というのはどういうものだろうか?に関心が移ってしまいました。

そういう意味では、ちょっと扱いに困った作品になりましたが、途中から一気に読んじゃえと思わせるのは、前半の撒き餌のすばらしさとインスタレーションなどの随所での心理的葛藤の表現力には納得しました。

また、ちょっと変なところにがでてきました。

「蛇行する川のほとり/恩田陸」 [2008年03月14日(金)] では「香澄」「毬子」という名前があり、この「禁じられた楽園」では「香織」「毬絵」という名前が使われています。
名前、または文字に恩田さんの何かがあるのでしょうか?
こっちにも気が行ってしまいました。

1.光の帝国 常野物語 2.夜のピクニック 3.蒲公英草紙 常野物語 4.図書室の海 5.ライオンハート 6.六番目の小夜子 7.エンド・ゲーム 常野物語 8.不安な童話 9.球形の季節 10.ネバーランド 11.ねじの回転 FEBRURY MOMENT 12.麦の海に沈む果実 13.月の裏側 14.ドミノ 15.上と外 16.三月は深き紅の淵を 17.黒と茶の幻想 18.木曜組曲  19.劫尽童女  20.象の耳鳴り 21.puzzle(パズル) 22.MAZE(メイズ) 23.クレオパトラの夢 24.ロミオとロミオは永遠に 25.蛇行する川のほとり 26.禁じられた楽園

この26冊は読んだ本です。数字.題名は「鳩居堂」に感想を書いたものです。
「蛇行する川のほとり/恩田陸」 [2008年03月14日(金)]
本を読むという行為は、どういうことでしょう?
専門書であれば研究のため、ノウハウ本であればスキルアップのため、それでは、小説は何のために読んでいるのでしょうか?
3月というと年度末で本来なら超忙しい時で、その実、今日も午後だけで会議2つ宴会2つが入っているというものの、切羽詰っているわけでもなくというより、さほど忙しくなくのんびりと小説を読んでいるのは何故なんだろうか?と考えてしまいました。
疑似体験・仮想体験・想像力の訓練・多様な思考回路の習得・現実逃避・・・豊かな人生をおくるのではなく、時間を使う選択肢のなかに本を読めるという行為が増えることが一つの選択肢が増えることが他の人より豊富ということになるのでしょうか?
などと考えてしまいました。
こういうことを考えた自分自身に微妙なずれ [2008年03月13日(木)] が生じているのでしょうか?

さて、3日で読んだのが「蛇行する川のほとり」です。

第一部 ハルジョオン の最後の「毬子さんが、僕の姉貴を殺したことだよ」で、この小説は終わったのかと思いました。決して、次のはじまりを予感させる終わり方ではありませんでした。
第二部 ケンタウルス からは違う話がはじまるのではないかと思うくらいのスパットした終わり方です。
香澄と芳野の離れられない関係とは?
暁臣のやさしさと冷酷さと毬子へ仕掛けた真意は?
香澄=カズコとは?
香澄の母の死とは?
毬子を襲った灰色の仮面をつけていたのは?
月彦の警告の意味は?
等々、すべての疑問を残したまま放送が終わった番組のようでした。

その謎解きを、「黒と茶の幻想」/恩田陸 [2006年12月14日(木)] のように、各章ごとに毬子・芳野・真魚子・香澄の視点で見ていくミステリーです。

恩田さんの小説の高校生の男の子のイメージは覚えているのですが、女の子は思い出せないのです。「六番目の小夜子」でも津村沙世子が出てくるのですが、関根秋のイメージだけがはっきりと思い出されます。なぜか女の子は中性的なイメージです。
これは、恩田さんが自分の高校生時代を中性的にとらえているからなのだろうか?それとも、じょうちゃんが高校生の女の子のイメージ自体を持っていないのだろうか?と考えてしまいました。

そんな恩田さんの書く高校生の女の子のイメージを見定めることができないまま、最後まで読み通すことになってしまいました。ふんわりした感じです。芯がないような感じです。
3月の年度末は忙しくしなければならないのに忙しくないという強迫観念から、忙しく出来ない自分の気持ちの微妙なずれがそうさせているのでしょうか?

微妙な「?」の連続が今の心境です。


1.光の帝国 常野物語 2.夜のピクニック 3.蒲公英草紙 常野物語 4.図書室の海 5.ライオンハート 6.六番目の小夜子 7.エンド・ゲーム 常野物語 8.不安な童話 9.球形の季節 10.ネバーランド 11.ねじの回転 FEBRURY MOMENT 12.麦の海に沈む果実 13.月の裏側 14.ドミノ 15.上と外 16.三月は深き紅の淵を 17.黒と茶の幻想 18.木曜組曲  19.劫尽童女  20.象の耳鳴り 21.puzzle(パズル) 22.MAZE(メイズ) 23.クレオパトラの夢 24.ロミオとロミオは永遠に 25.蛇行する川のほとり

この25冊は読んだ本です。数字.題名は「鳩居堂」に感想を書いたものです。
「ロミオとロミオは永遠に/恩田陸」 [2008年03月09日(日)]
「ロミオとロミオは永遠に」・・・とにかく、恩田陸絶好調という感じです。

まず、読みはじめると、読み手の自分が安定感を感じました。
恩田陸さんの描く少年たちの姿は実に生き生きとしたもので、「夜のピクニック」「六番目の小夜子」「球形の季節」「ネバーランド」・・・その底流に流れる恩田陸さんの高校生に対する思いというのが感じ取れるんです。
描かれているアキラたちは恩田陸劇場そのものです。

そして、もうひとつ、この「ロミオとロミオは永遠に」ではいつもは隠れている恩田陸さんの知識と経験と感情がストレートに描かれています。
巻末にある「20世紀サブカルチャー用語大事典」は「何となくクリスタル/田中康夫著」の趣があります。また、そのサブカルチャーは、恩田さんより4つ上のじょうちゃんとしては、恩田陸さんの世代が持っているものを感じ、勝手に共有しています。

今までの他の作品との違いが顕著なのは、「第四章 グッドモーニング・バビロン!」のはじめの方です。
破滅した原因にまで言及し、それを嘆くことで、それを戒めようとしている、そんな印象です。
こういう文章は、恩田さんの小説で初めて目にしました。

内容は、汚染された地球で新地球に移民できなかった日本の文部省直轄の「大東京学園」での普通でない学園生活と順位が決められる月1回の試験、そして学園の規律を乱すとみなされた生徒たちを収容する「新宿クラス」、その「新宿クラス」が計画し実行する大脱走劇、脱走が成功し「成仏する」とは・・・というお話です。
この展開も、恩田陸絶好調を思わせます。

じょうちゃんが「ロミオとロミオは永遠に」 を読みながら感じたのは、ある意味絶望感でした。
今まで、小説っていうのは、もしかすると書けるかなぁと思ったことがありました。しかし、これを読みはじめて、小説を書くにはどれだけの知識の積み重ねが必要なのだろうか、と感心させられました。知識というより小説をどれだけ読むんだろうか、恩田さんの1/100も読んでいない自分には、小説の裏付けとなる恩田さんの読書量に感服し、小説は書くものでないなぁと実感したのでした。

小説は読むことに限る・・・それが今回の実感でした。


1.光の帝国 常野物語 2.夜のピクニック 3.蒲公英草紙 常野物語 4.図書室の海 5.ライオンハート 6.六番目の小夜子 7.エンド・ゲーム 常野物語 8.不安な童話 9.球形の季節 10.ネバーランド 11.ねじの回転 FEBRURY MOMENT 12.麦の海に沈む果実 13.月の裏側 14.ドミノ 15.上と外 1〜6 16.三月は深き紅の淵を 17.黒と茶の幻想 18.木曜組曲  19.劫尽童女  20.象の耳鳴り 21.puzzle(パズル) 22.「MAZE(メイズ)」 23.「クレオパトラの夢」 24.ロミオとロミオは永遠に

この24冊は読んだ本です。数字.題名は「鳩居堂」に感想を書いたものです。
「クレオパトラの夢/恩田陸」 [2008年02月28日(木)]
「MAZE(メイズ)/恩田陸」 [2008年02月08日(金)] に登場した神原恵弥です。
「MAZE(メイズ)/恩田陸」 [2008年02月08日(金)] よりも現実的です。ある意味、「黒と茶の幻想」/恩田陸 [2006年12月14日(木)] に近い心理戦の様相を呈しています。
それだけに、話が展開すると共にも迷走してしまう神原恵弥の思考とは別に、神原恵弥を通した神原恵弥の双子の妹・和見、その恋の相手若槻慧、その本妻の若槻慶子、そのいとこの本間・・・人間関係は明らかとなり「」「」の連続です。

設定も「クレオパトラ」と呼ばれるものの正体を探っていくもので、解説で三浦しをんさんが「こういうことは、実際にありえたかもな」と書いていた通り、そう思えてきました。

学童のケジラミの流行のくだりは、つい先日の新聞に載っていた話であり、絶滅したはずの天然痘は今学校閉鎖の原因となっている流行中のはしかとか、ウィルスや種痘を冷凍保存する件は昨日の種苗の冷凍保存のニュースとか、今とリンクしまくっているって感じです。
2003年11月単行本刊行とありますから、それ以前に恩田さんが注目していたことが、今現実のものとなっているということなのでしょうか。
そのテーマ設定にも、改めて非凡なものを感じてしまいます。

若槻慶子・・・この若槻慶子はある女優さんのイメージがダブってしまっています。他のキャストは全くイメージできないのですが、若槻慶子だけはこの女優さんが10年前くらいに演じた金八先生でクラス一優秀なのに影でいじめを繰り返す首謀者の子どもを守ろうとする母親の強さ・思い込みなどを思い出してしまいました(名前が思い出せません)。

神原恵弥の次を期待してしまいますねぇ。

1.光の帝国 常野物語 2.夜のピクニック 3.蒲公英草紙 常野物語 4.図書室の海 5.ライオンハート 6.六番目の小夜子 7.エンド・ゲーム 常野物語 8.不安な童話 9.球形の季節 10.ネバーランド 11.ねじの回転 FEBRURY MOMENT 12.麦の海に沈む果実 13.月の裏側 14.ドミノ 15.上と外 1〜6 16.三月は深き紅の淵を 17.黒と茶の幻想 18.木曜組曲  19.劫尽童女  20.象の耳鳴り 21.puzzle(パズル) 22.「MAZE(メイズ)」 23.「クレオパトラの夢」

この23冊は読んだ本です。数字.題名は「鳩居堂」に感想を書いたものです。
「MAZE(メイズ)/恩田陸」 [2008年02月08日(金)]
夢占いをして欲しい [2008年02月07日(木)] の夢の原因が「MAZE(メイズ)」にあると信じて読み終わりました。

“ミステリー”というカテゴリーがどーいうものか解りませんが、この「MAZE(メイズ)」はSFの範疇に入れることとします。これを前提とした感想です。

山に囲まれた平原を『皿』と呼び、その上に建つ長方形の外形をした壁だけで出来ていて人一人入り込める入口があり中は迷路の行き止まりとなっているものを『豆腐』と呼んでいました。その『豆腐』のなかに入っていった人が突然消えていなくなる、そんな伝説のなぞを解くために、神原恵弥が時枝満とスコットとセりムの四人が1週間の期限付きで現地にキャンプをする、その謎解きの過程のお話です。
特に、T.BUSH U.WALL の展開は非常に面白いものでした。
ストーリーも良く出来ていて、どういう結末になるのか?全く予測のつかないものでした。
正確に言うと、V.HOLEの途中までは完璧なものでした。

しかし、V.HOLEの途中から最終章W.DOORは、余りにも非現実的なストーリー展開となってしまっています。
特に、トリップというところは、折角の緻密な理論の積み立てを台無しにしてしまったようにも感じます。そこだけ、幼稚さを感じ、稚拙な理論展開という感じでした。まぁ、SFという視点で見ると、「これも有りか」と思えてしまいます。
そう言えば、「puzzle(パズル)」の元も、噂話からスタートしていましたっけ!「puzzle(パズル)」もSFですよね。

それでも、『存在しない場所』『ありえぬ場所』という命題は、いろんな角度から考えることができたし、『消える』というより『中から、出さない』という意味を考え、「閉じた世界」というのまで考えが及んでしまいました。
そう思ってみると、なかなか面白い本でした。
ねじの回転 FEBRURY MOMENT/恩田陸」 [2007年01月08日(月)] で紹介した半田広宣氏「NOOS理論」にも通じるものがありました。

SFが続いているので、ノスタルジーを読んでみたいのですが、次も神原恵弥の話になりそうです。なんだか、連続テレビSFミステリーシリーズみたいです。

1.光の帝国 常野物語 2.夜のピクニック 3.蒲公英草紙 常野物語 4.図書室の海 5.ライオンハート 6.六番目の小夜子 7.エンド・ゲーム 常野物語 8.不安な童話 9.球形の季節 10.ネバーランド 11.ねじの回転 FEBRURY MOMENT 12.麦の海に沈む果実 13.月の裏側 14.ドミノ 15.上と外 1〜6 16.三月は深き紅の淵を 17.黒と茶の幻想 18.木曜組曲  19.劫尽童女  20.象の耳鳴り 21.puzzle(パズル) 22.「MAZE(メイズ)」

この22冊は読んだ本です。数字.題名は「鳩居堂」に感想を書いたものです。
「puzzle(パズル)/恩田陸」 [2008年01月25日(金)]
恩田陸さんの読んでいない文庫本の山のなかから何気なく読みはじめたのが「puzzle(パズル)」でした。

最初の章は、パズルのピースがバラバラに置かれたもので、何のことやらさっぱり変わらず読み進めることになってしまいました。章のタイトルが「piece」となっている通りの内容です。

第2章は、謎解きゲームです。これまた「play」となってる通りです。
ここでの登場人物は黒田志土と・・・そう、関根春です。
別に意図としたわけではないのですが、「象の耳鳴り/恩田陸」 [2008年01月08日(火)] で出会ったばかりの関根春と再会してしまいました。すべての本にブックカバーをつけたままにしていますので、あらすじなども見ることなくタイトルや本の厚さや、その時の気分で手にとるのですが、読みはじめて出版社が祥伝社であることを確認し、だから関根春なんだと納得したくらいの偶然でした。
ということは、この謎解きという「play」は当然関根春の視点から書かれているので、今までの経験から(?)関根春的推察をしようと試みながら読むことになりました。
じょうちゃんは、黒田志土が以前この廃墟となる前の所に済んでいて(若しくは親が住んでいて)元々の町を知っていてなぞっていっていると思っていましたが、そこは当然ながら関根春(恩田陸さん?)の方が一枚上手でした。

とはいえ、第3章の「picture」は些か荒唐無稽なところがあり、推理小説として限られた文字数のなかでは致し方のないことかと理解することにしました。

ただ、偶然とはいえ、同じ人物を通してみられるというのは、楽しい経験でした。
読まれる方がいらっしゃいましたら、象の耳鳴り → puzzle(パズル)の順で読まれることをお薦めします。

1.光の帝国 常野物語 2.夜のピクニック 3.蒲公英草紙 常野物語 4.図書室の海 5.ライオンハート 6.六番目の小夜子 7.エンド・ゲーム 常野物語 8.不安な童話 9.球形の季節 10.ネバーランド 11.ねじの回転 FEBRURY MOMENT 12.麦の海に沈む果実 13.月の裏側 14.ドミノ 15.上と外 1〜6 16.三月は深き紅の淵を 17.黒と茶の幻想 18.木曜組曲  19.劫尽童女  20.象の耳鳴り 21.puzzle(パズル)

この21冊は読んだ本です。数字.題名は「鳩居堂」に感想を書いたものです。
「六番目の小夜子/恩田陸」 [2008年01月18日(金)]
「象の耳鳴り/恩田陸」 [2008年01月08日(火)] で、関根多佳雄が「六番目の小夜子」のどこに出てきたのだろうか?と思い出せないことです。もう一度「六番目の小夜子」を読んでみなくては・・・と本を手にしました。
ということで、読み直しをしました。

「夜のピクニック」が一晩の話しとすると、「六番目の小夜子」はそれが一年間になった感じです。ちょっと逆の言い方をすると、一年間の「六番目の小夜子」を一晩に凝縮したものが「夜のピクニック」という感じです。
これは恩田さんの特徴である時間軸がストーリー展開の大きな要素となっていることの現れでしょう。

さて、所期の目的である関根多佳雄氏は三回登場していました。
既に、この時点で関根多佳雄氏のキャラクターは「象の耳鳴り/恩田陸」 [2008年01月08日(火)] の通り出来上がっていました。
大男、甘い物好き、洞察力などは全て揃っていました。
これまた逆の言い方をすると、よく処女作でここまでキャラクター設定をしていたものだと感心させられました。

ストーリーは・・・やっぱり面白いです。
恩田陸さんの「青春モノここにあり」って感じです。
恩田さんの母校的イメージがあり、そのに流れる郷愁を感じながら、学校特有の伝説が展開されていくわけです。
「サヨコ」というイメージと実像・・・それを演じようとする者とそのゲームにしってかしらずか参加している生徒たち。その感情と学校生活でだけもが経験する出来事が折り重なっています。
転校生・津村沙世子だけに知らされている事実に基づいた津村沙世子の「サヨコゲーム」。
しかし、それは三年間という限られた高校生活のなかでの出来事であり、高校生活をおくるみんなが共通して楽しめる儀式的なものであり、そこで共有した事実がその世代の共通した体験が思い出として残っていく、という手の込んだ思い出づくりのゲームです。
もし、自分が高校の教師だったら、こういうゲームを作ってあげるのも良いなぁ・・・いや今からでもどこかにこんなゲームを残していくってもの有りなのかなぁ・・なんて思っちゃいます。

超個人的には、生徒会室のロッカーのなかにウイスキーのボトルをおいて飲んでいたり、予餞会では体育館への入場・整列の仕方まで通常と違う並び方をして貰るための文化委員会を開催し実行して貰ったり、生徒会の余り予算を流用し過去一度もなかったという卒業生へのカーネーションを用意し、予餞会の海上から出で行く三年生へ一本一本渡したり、その手法を全てノートに残したじょうちゃんの高校生活と、竜巻と放火を除けばダブルものがありました。
そういう意味では、じょうちゃんの高校生活は全く悔いのないものとなっています。

「サヨコ」・・・三年毎に登場し、「三番目のサヨコ」は秋と九歳年の離れた兄・春が演じ、「その二年後の「渡すだけのサヨコ」を秋の姉・夏が演じていました。「象の耳鳴り/恩田陸」 [2008年01月08日(火)] では、しっかり「春と夏は二つ違い」と書かれていました。
「図書室の海」/恩田陸 [2006年08月25日(金)]では 「渡すだけのサヨコ」の秋の姉・夏から「サヨコ」を渡して欲しい人はいたけど誰に渡したかは判りませんでしたが、渡された方は「四番目の小夜子」ということになり、「六番目の小夜子」では「四番目の小夜子」は「無言の小夜子」と言われ四月の始業式に赤い花を活けただけで何もしなかったというところに、「図書室の海」/恩田陸 [2006年08月25日(金)]との違和感を感じてしまいました。また、夏のキャラクターも「図書室の海」/恩田陸 [2006年08月25日(金)]「象の耳鳴り/恩田陸」 [2008年01月08日(火)] では随分違った印象がありました。

何で、こんなに「関根家」を論じているのかなぁ、と思うと、それだけキャラクターの設定がされているが故のことでしょうねぇ。

さて、「六番目の小夜子」から「七番目の小夜子」へつなぐための「渡すだけのサヨコ」に津村沙世子は突発的に「サヨコ」を渡したのですが、「サヨコへの手紙」は渡ったのでしょうか?
恩田さんが、いつか、これから何十年後かに「●番目の小夜子」を書くような気がしてならないのです。
期待しています

1.光の帝国 常野物語 2.夜のピクニック 3.蒲公英草紙 常野物語 4.図書室の海 5.ライオンハート 6.六番目の小夜子 7.エンド・ゲーム 常野物語 8.不安な童話 9.球形の季節 10.ネバーランド 11.ねじの回転 FEBRURY MOMENT 12.麦の海に沈む果実 13.月の裏側 14.ドミノ 15.上と外 1〜6 16.三月は深き紅の淵を 17.黒と茶の幻想 18.木曜組曲  19.劫尽童女  20.象の耳鳴り

この20冊は読んだ本です。数字.題名は「鳩居堂」に感想を書いたものです。
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