急激な物価上昇
[2008年03月07日(Fri)]
米国のサブプライムローンに端を発した世界経済の不安定状態は、原油の高騰を招き、2007年初め1バーレル50ドル代だったものが年末には一時100ドルを突破する状況が現出し、高止まりのまま推移しそうな気配であり、米国の景気低迷を予測するむきが強く、それが株価下落を招き、世界経済は悲鳴を上げている。社会主義国のラオスでも昨年中頃から急激な物価高に見舞われ、軒並み3〜5割高くなっている。日本に比べると安いとは言え、給与が増えないのに食品を初め生活用品の高騰は、都市部の給与生活者にとっては厳しいのではないかと想像しているのだが、それが市民の不満として現われては居らず、従容として受け入れているように感じるのは、生来のノンビリしたラオス人の性格から来るのか、集会等を禁じられ、何を言っても仕方がないとの諦観に基づくのか分からないが、ラオスは平穏に過ぎているように見える。
公共交通機関が整備されていないラオスでは、最近バイクや車の需要が増えており、あちこちに車の販売店がオープンしている。それにつれてガソリンスタンドも増えているが、給油時に満タンにする人は少なく、特にバイクに乗っている人は1〜2リットル(1〜2万キープ)程度しか入れないから、ガソリンスタンドは仕事が終る時間帯になると何処も多くの人で溢れる。レギュラーガソリンは2年前7,800キープだったが1年前には8,900キープ代、昨年の12月にはついに10,000キープをオーバーし、高止まりしている。
物の値段がどのように決められているのか皆目見当も付かないが、二重価格制の故か外国人に対しては、やや高めに要求していると感じることがある。外国人が利用するマーケットではつい半年前は21000キープだった2リットル入り牛乳ボトルが昨年末には29000キープに、豆乳は一袋(500CC程度のビニール袋に入れてくれる。)が2000キープ(3袋まとめて買うと5000キープ)だったのに現在は一袋3000キープから時として4000キープになっている。心なしか豆乳が水っぽくなって来たと感じているのはけだし気のせいばかりではなさそうだ。
為替の変動も激しく、1ドルが10000キープを超えていた2年前の話は、遠い過去のことのように思えてくる。現在は9100を既に割り込んでおり、ドルで給与を貰っているラオス人は物価高とドル安の二重苦に喘いでいる。給与をドル払いにしているところでは、一部の社員から給与を上げてくれとの要求もあり、目減りしているのは明らかなため、それも当然の要求だろうと考えざるを得ない状況にあるようだ。
ラオスでは労働組合などの組織はなく、賃上げを要求して赤旗を林立させて集会をしたり、デモ行進する光景は全くない。禁止されているからとおとなしく国の方針に従っている。公務員給与と民間給与、あるいはラオスの企業と外国企業、国際機関との給与格差を監視する政府組織もなさそうで、どこでガス抜きをする作用が働いているのか分からないが、政府にとってこれほど統治しやすい民族は他にはないだろう。実に愛すべき稀有の国民は、明日のことを気にする風もなく、今日も100CC〜120CCの安物のバイクで老いも若きも、男も女も街中を走り回っている。







