CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
« 2012年01月 | Main | 2012年03月»
西田哲学とマインドフルネス心理療法 [2012年02月20日(Mon)]

西田哲学とマインドフルネス心理療法(SIMT)

 =自覚的直観・創造的直観

 日本の芸術家には、自他不二、自他一如の哲学を持つ人が多いようです。 千利休、松尾芭蕉、宮沢賢治など(もっと多数です)。
 西田哲学では、これを次のように言っています。2つの局面があるようです。 自己が自己の内(自分の心の内奥の場所)に世界(相手、家族、同僚、近隣、職場、日本、世界な ど) を映す。世界が自己の内に世界を映す。共に、 自己の中に世界があるので、自他不二。金子みすずも、そうなのかもしれません。  「科学と哲学との立場の相違及び関係を明にするため、行為的直観と自覚との関係について、 一言して置きたいと思ふ。私は我々の自己は行為的直観的に自覚するに至ると考へるが、行為的直 観が自覚と同一であると云ふのではない。但、抽象的思惟的に自覚するといふ如き考に反対するの である。私の行為的直観と云ふのは、我々の自己が、世界を映すことによって働き、働くことによ って映すと云ふことに外ならない。矛盾的自己同一的世界に於いての自己と世界との関係である。 自覚と云ふのは、矛盾的自己同一的世界が自己の内に自己を映すと云ふことである。世界が世界自 身に対する関係である。併し此の二つの事は、矛盾的自己同一的世界に於て一つの事である。 我々の自己が世界を映すと云ふことは、逆に世界の一観点となることである。世界の立場から云へ ば、世界は自己の内に自己を映すと云ふことは、自己矛盾的に無数の個物が世界を映すことでなけ ればならない。我々の自己の自覚と云ふのは、自己が何処までも世界を映す、自己が全世界を表現 する、自己が世界となるといふ立場に於て成立するのである。我々の自己が、一つの世界として、 自己の内に自己を映すと考へることである。科学と云ふのは、上に云つた如く、我々が現実に、歴 史的身体的に、即ち行為的直観的に、自己自身を形成する形を見ると云ふに基く。」 (『知識の客観性について』)(旧全集巻10-470頁)(初出:『思想』昭和18年1月-2月)

 「創造的自己の自覚的直観と云うのは、即ち此の論文の立場であるのである。考えるものが考えられるものである。之が自覚的直観である。すべての知識は此の立場から基礎づけられるのである。」(『自覚について』同562頁)

 マインドフルネス心理療法は、この人間の自己の有様を自覚するような方向で自己を洞察して、 精神疾患を治していくものであると言えます。患者さんは、やさしいところを実習します。
 アメリカのマインドフルネス心理療法も深い自己を言います。  しかし、欧米のマインドフルネス心理療法では、西田哲学ほどの論理的には説明がされていない のではないでしょうか。だから、別の説明方法(別の心理学で)をいうのでしょう。
 西田幾多郎は、2つの局面を言っています。第一が、自己の自覚で、自己が自己の内に世界を映 す。自己が世界を映すと云ふことは、逆に世界の一観点となることである。自己と世界の関係だと いいます。
 第二は、世界の自覚で、世界が自己の内に自己を映すということ、世界が世界自身に対する関係 である。世界の立場から云へば、世界は自己の内に自己を映すと云ふことは、自己矛盾的に無数の 個物が世界を映すこと。これを、自覚的直観・創造的直観といいます。
 精神疾患の治療の段階では、主に、第一の局面の範囲だと思います。うつ病や不安障害にとって 不快な現象が起きて、嫌悪して抑うつ症状や鉛様麻痺感が起きるのがうつ病。不快な現象(パニッ ク発作、不安など)を逃避したり回避するのが、不安障害といえます。
 ところが、西田哲学やマインドフルネス心理療法者がいうには、意識される心理現象は、意識上 に現われるもので、ACTでは「文脈」というようですが、世界の必然、意識された途端に、もう過去 です。自分の内に受け入れてしまっているのが事実、真相です。嫌ってももう遅い、入るなといっ ても入ってきている、つまり、「受容」し終わっている。必然で過去だから、自我で改変すること は不可能です。無駄です。こうして、現実はつらいことがあっても、それを受け入れる。そして、 その現実の中で、たとえ現われた現実はつらいものであっても、人は(自己は)自由な意志を行使 できる。世界を作っていく一角、要素である(第2の局面)から、自己と自己の属する社会の目的 にそう(つまり自己が生きる世界の立場で)方向の行動をする(マインドフルネス)ことで世界を作ることができる。この自由意志の行 使というところが、マインドフルネスの局面といえます。うつ病、不安障害は、この第一の局面を 実践できるようになれば、治るといえます。理屈は簡単でも、実際には、半年から2年かかってい ます。自己が世界をあるがままに受け入れ(内に)、映すためには、主観的、独断的、自己中心的 な評価的判断をやめる(自己なくして見、考え、働く)という実践が必要であるからです。
 第2の局面は、第一のと一つであるといいますが、世界の立場から見ています。自己も無数の個 人も世界を映し、世界を構成している要素です。すべての人が平等で、世界を創造する存在です。 自己や所属組織の何かの利益、立場に立たない立場、自己を含む世界の立場です。 「だれでも」世界を内に映す存在で平等です。 自分は価値がない、劣っていると苦しむ人の救済になるのでしょうか。
 また、個人の精神疾患の治療のほか、支援者の主観的、独断的、自己中心的な立場を批判する立 場になるようで、科学者、専門家が自覚すべきことのようです。専門家にも、自己の都合、自己の利益、自己の集団の保身という我執が起こり(他者を傷つける)、なかなか、この立場に立つことが難しいようです。西田哲 学は主観的、独断的、自己中心的な立場を捨てる実践を求める哲学のようです。
 たとえば、テレビで「この治療法で、うつ病が50%治ります」 (こういう言葉を見ると、1年もかけて治していくマインドフルネス心理療法は劣っているのでは ないかと心理療法を普及していこうという意欲をそぐかもしれません。「せっかく心理療法のスキ ルを習得しても、あの1、2か月で簡単に治すという治療法にとってかわるのではないかという不 安から」) と放送しましたが、この言葉は、世界の立場ではないですね。分母になる母数が限定されたグルー プですね。治療を受けた人だけですね。その治療法に向かない患者さんは最初から除外(来ない、 受けない)されていて、うつ病の世界全体ではなさそうです。非定型うつ病もその治療法で治るで しょうか。効果があったという論文を読むとか宣伝を冷静に判断する必要がありそうです。
 このブログは21日から29日まで休止になるようです。 何か情報がありましたら、ホームページにアップいたします。
Posted by MF総研/大田 at 21:34 | 新しい心理療法 | この記事のURL
金子みすずの世界は?(2) [2012年02月19日(Sun)]

金子みすずの世界は?

 =(2)こだま? いいえ誰でも

 金子みすずの詩は、不可解なものが多いです。
 「こだまでしょうか」の最後も不可解です。

→詩の全体はこちらのHPでご覧になれます。

最後が

  「こだまでしょうか、
いいえ、だれでも。」
こうなっています。
 日本の芸術家には、自他不二の哲学を持つ人が多いので、彼女もそうではないかと、その 視点から読むと腑に落ちますが・・・。
 自己と世界が別ではない世界。自己が自己を没して、自己が他者(相手)世界を自己に包み映す。だから、相手の言葉はそのま ま、自己の心(場所)に映す。相手が「馬鹿」というと、私の心にそのまま「馬鹿」と現われる。 これは、すべての人の本質。「誰でも」。
 相手が「遊ぼう」というと、私の心にそのまま「遊ぼう」と映る(詩はここをいう)。しかし、 その後に、口から出る言葉は 「いやだよ」かもしれません。ここは詩には書かれていない。見えないところを詩に表す。
 こう納得しています。解釈は「みんなちがってみんないい」のでいいのですから。 東洋哲学といわれるそこから読むと不可解な詩がわかるような気がするのがあります。
Posted by MF総研/大田 at 20:25 | 今ここに生きる | この記事のURL
金子みすずの世界は?(1) [2012年02月17日(Fri)]

金子みすずの世界は?

 =(1)みえないけれどあるんだよ

 東洋には自他不二の哲学があるといわれます。  気になる人が金子みすずです。
 人は自分を知っているつもりでいますが、知らないことがある、見えていない自分がある、見えていないけれどそういう自分がいきいきと働いているんだよ・・・。 そんなふうにも、見えるような・・。
 金子みすずの詩に、「見 えぬけれどもあるんだよ」ということがありますが、本当の自分のことなのではないでしょうか。自分の「お里」を知らないという言葉もあります。

「星とたんぽぽ」の詩です。
金子みすずの詩「星とたんぽぽ」を読みます。

→詩の全体はこちらのHPでご覧になれます。

この詩の中に・・・。
昼のお星は眼にみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
とあります。

 「お里」の詩に「私のお里は知らないの、どこかにあるよな気がするの」 という言葉もあります。自己の在所をよく知らない。

 西田幾多郎は、人を一人一人が個性を持つ「創造的世界の創造的要素」といいましたが、 みすずの詩もそう読みたいのです。

もう一つの詩 「わたしと小鳥と鈴と」を読みます。

→詩の全体はこちらのHPでご覧になれます。

この詩の中に・・・。

鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。

 「土」という詩には、これといって社会に知られた有名人ではない、 一般市民、99.99999パーセントの平凡な人間にやさしいまなざしをそそいでいます。
 「要らないか

 いえいえそれは
名のない草の
お宿をするよ」

 名もない人として生まれ、名もなく生き、名もなく死にゆく私たちですが 生まれ、生きただけで意味があるのです。世界をささえています。そんなふうに教えてもらいました。名もない多数の人を包むお宿です、名もない平凡な人同志、互いに受け入れ、ささえている、平凡だけどかけがえのないこの 世界を作っているのです。<私は>東北の名もない人たちにささえられてきました。日本中の, 世界中の人たちが東北の人たちをささえています。それなのに、私は何も。
 「誰でも」(「こだま」という詩の言葉)、名もない自己ですがみな個性的な「創造的世界の創造的要素」。何か金子みすずの世界に、をそんなふうに見ようとしてしまいます。 自分の生きた経験の色眼鏡、主観的、独断的、自己中心的な解釈。 そうですが、詩から受け取る意味はみな違うでしょう。同じであることはできません。 「みんなちがって、みんないい。」
 彼女が生きていた時は、彼女も名のない草でした。著名になった現在、多くのひとを感動させて生き続けているようです。そういう著名なみすずをささえているのがまた名もない多くの人です。本当は、その生きた時に、「ありがとう」とおかえししたかったでしょう。
Posted by MF総研/大田 at 22:41 | 今ここに生きる | この記事のURL
自己洞察瞑想療法 [2012年02月16日(Thu)]

自己洞察瞑想療法(2)

 =マインドフルネス心理療法の一種

<第4> 自己洞察瞑想療法(SIMT)という名称の由来

 このように、欧米のマインドフルネス心理療法とは違う理論と背景を持つ(しかし、表面のマイ ンドフルネス、アクセプタンスの技法は類似する)ので、別の名称で呼ぶことにした。
 マインドフルネス、アクセプタンスをおりこんだ心理的治療技法でうつ病、不安障害などの改善支援 を行なってきたが、いつのまにか(大田の命名であるがいつであったか明確でない)、この手法を 「自己洞察瞑想療法」( Self Insight Meditation Therapy )とよぶようになった。自分の心を洞察 し、不快な症状、問題でも、回避せず、他者の傷害に向かわず、正面から自己に向きあい、不快な 事象の受け入れるべきは受け入れて、自己の目的を実現するという適切な意志を行使していくスキ ルを向上させていく。結局、自分の生きていく上での全ての精神活動を洞察するものであるので、 「自己洞察」の心の鍛錬といえる。
 禅は自己とは何かを探求することであるとして禅のスローガンに「己事究明」という言葉がある 。自己とはなにかを究明することである という。西田哲学も自己の探求が主題である。アメリカのマインドフルネス心理療法の源流をつく りあげたジョン・カバット・ジンは禅を学び、弁証法的行動療法を創始したリネハンなどは禅の実 践を応用したものだという。ジョン・カバット・ジンは次のようにいう。
 「一般的には、瞑想はあくまでも仏教の枠組みの中でとらえられていますが、その本質は宗教を 超えた普遍的なものです。注意を集中するというのも、基本的には自分の内部を深く見つめて、自 分を探求し、自分を理解するための方法なのです。ですから、私はとりたてて東洋の文化や仏教を 、ここでもちだすまでもないと考えています。注意集中力のもつ力は、あらゆる宗教やイデオロギ ーに依存していないところにあります。 つまり、誰でもその恩恵を受けることができるわけです。もちろん、注意集中力という考え方が、 煩悩からの救済と雑念をはらいのけることを主眼とした仏教の修行から生まれてきたことは偶然で はありません。」(4)
 日本の禅の開祖の位置にある道元(鎌倉時代)に「仏道をなろうというは、自己をなろうなり」 の語がある。自己を習うことである。自己について学習するという目標がある。
 また、アメリカのマインドフルネス心理療法者のうち、ある人は、仏教の瞑想実践を応用したも のだともいう。仏教の創始者とされる釈尊には「自燈明・法燈明」という語がある。これは次の言 葉を簡略にしたものである。
   「自らを燈明とし、自らをたよりとして、他人をたよりとせず、真理(法)を燈明とし、
    真理をよりどころとして、他のものをよりどころとせずにあれ」
 この言葉が法句経では短い詩句にまとめられて友松圓諦氏の美しい翻訳がある。
   「おのれこそ
   おのれのよるべ
   おのれをおきて
   誰によるべぞ
   よくととのえし
   おのれにこそ
   まことえがたき
   よるべをぞ獲ん」
 初期仏教も禅も個人が自己を学ぶことを通しての自立をめざしている。そのために「自己」とは 何か深く観察し新しい見方を発見(それが洞察である)して、自己をよくととのえて、その智慧を 指針として生きていくことを目標として、他人の教えに依存しないことを重要な方針としている。 心を病む人は治療を受けて治ったら支援者から離れていくものである。自己を深く洞察して、自己の精 神作用や自己自身を洞察して、修正すべき自らの精神活動がわかれば変えていくこともできる。自 己の洞察がすすめば支援者に依存することなく自立していくことができる。西田哲学も自己につい て種々の段階があるとして、自己の種々の作用、深い自己について論理的に考察している。
 こうして、瞑想(自己の精神現象、精神作用、自己自身を現在進行形で観察して洞察すること) を通して自分の種々の精神活動や自己自身、現実の世界を新しい見方で洞察して、つらい現実があ ろうとも自己の目標(価値)を実現する行動をしていく意志作用のスキルを獲得していくことを支 援する心理療法という事味から「自己洞察瞑想療法」と名づけた。
 これまで、うつ病、非定型うつ病、自殺念慮、パニック障害、対人恐怖症、外傷後ストレス障害 (PTSD)、不眠症、過食症、心気症、親子夫婦の不和などに効果がみられた。支援期間は、半年から 2年かかっており、それが薬物療法や他の心理療法でも効果がなく長期化した難治性の問題のゆえ なのか、それとも、理論や技法が不十分であるゆえなのか判明していない。
(注)
(1) 「マインドフルネス&アクセプタンス  ー認知行動療法の新次元ー」
編著=S.C.ヘイズ、V.M.フォレット、M.M.リネハン、 ブレーン出版、2005/9/10
(2)臨済宗の坐禅の目標は、一般的に悟りを得ることとされる。曹洞宗の坐禅は、一般的には、何の 目的を持たずにただ坐禅することとされる。どちらも、精神疾患などを治すことを目標とはしない 。初心者段階においても、精神疾患の改善支援ということは説かれない。そこで、 宗教的目標とはその宗教教団の標榜する「悟りを得ること」または「何の目的を持たず坐禅するこ と」とであるとしておく。これらは、共に、かなり高い立場に立つ境地をさしているようである。それぞれの開祖が、一般庶民(現在では僧侶でない一般市民)の現実の苦悩の解決支援を全面的に否定して、一挙に高い境地だけを主張したのかどうかは研究者の間で議論がある。西田哲学によれば、ある立場に立つのを深いとはしない。 釈尊の仏教は「苦の解決」であるとされる。現実の苦脳の解決を包含していた可能性がある。そういう宗教の思想問題の解明は、仏教研究者が課題としているが、医療としての心理療法の開発研究にはさして重要な問題ではない。関心は、現代人の苦脳、精神疾患等が改善する理論や技法の開発に貢献するかどうかの「有用性」である。 SIMTの目的は精神疾患等(他の心理社会的問題の解決支援にも適用可能と思われる)の改善、予防 である。
(3)1985年頃から、うつ病の研究、坐禅の実習、道元禅、初期仏教、大乗仏教、西田哲学の学習を行なっており、これらを参照した瞑想技法を指導すればうつ病などを改善できると確信して、1993年の臨床開始となった。
(4)「生命力がよみがえる瞑想健康法」ジョン・カバット・ジン、実務教育出版、 18頁。
Posted by MF総研/大田 at 21:07 | 私たちの心理療法 | この記事のURL
自己洞察瞑想療法 [2012年02月15日(Wed)]

自己洞察瞑想療法(SIMT)

 =マインドフルネス心理療法の一種

 このホームページにアクセスが増えています。テレビで熊野先生がマインドフルネス心理療法を 紹介なさったからでしょう。 このブログもマインドフルネス心理療法を紹介するものですが、マインドフルネス心理療法には種 々あって、これは欧米で開発されたものではなくて、日本で開発されたマインドフルネス心理療法 です。 自己洞察瞑想療法といいます。その内容はこちらに要約しています。  具体的な手法、50くらいを、セッション1から10まで実践していくと、1年から2年で、うつ病や不安障害が改善します。4月ころ出版される本「うつに効く坐禅 ー マインドフルネス心理療法」ですべて公開します。
 はじめてごらんになるかたが多いでしょうから、自己洞察瞑想療法の起源をご説明いたします。 マインドフルネス心理療法によって他の人を救済支援なさろうとする方の育成講座のテキストから 抜き出します。
 マインドフルネス心理療法は、種々の流派があって、欧米で開発されたものが多いです。マインドフルネスストレス低減法、アクセプタンス・コミットメント・セラピー、弁証法的行動療法、マインドフルネス認知療法などは、欧米で開発されたもので、翻訳書が多数出版されつつあります。 自己洞察瞑想療法(SIMT)は、これらとは違って日本で開発されたもので、その開始は 1993年です。研究と実際の臨床を重ねて、発展してきました。 禅の実践と哲学を応用した心理療法で、欧米のものと似ています。背景の理論が異なっていますが、開発された手法、課題は大変にています。認知を修正する技法を用いません。アクセプタンス、マインドフルネスの技法が用いられます。そこが、「マインドフルネス心理療法」という範疇に含まれるのです。
<育成講座のテキストから抜粋>今回少し加筆しました。

<第1> 自己洞察瞑想法(SIMT)の起源

◆自己洞察瞑想療法の臨床開始は1993年
 アメリカでは、2000年前後から、マインドフルネスおよびアクセプタンスの技法を取り入れ た心理療法プログラムが多数発展している。アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)、 弁証法的行動療法、マインドフルネス認知療法、行動活性化療法などである。これらは、2005年9月 に翻訳出版された書籍(1)によって日本に紹介され始めた。
 こういう流れとは別に、1993年から、坐禅の実践を宗教的目標(2)を達成することではなく、 精神疾患の治療に適用できると思った筆者が一般の人向けに、心の病気の予防、改善を主たる目的 としたグループ実習を開始した。これが自己洞察瞑想療法の始まりである(3)。グループ実習のほか に、個別面接により、うつ病などを改善するための呼吸法の実践指導をした。
 指導の方向は、うつ病、不安障害などの精神疾患についての脳神経生理学の研究成果を参照しな がら、その患者にみられる心理的な柔軟性の欠如があることを見出し、呼吸法によって改善しよう とこころみてきた。当時は前頭前野、セロトニン神経などの研究はまだ参照せず、もっぱら、呼吸 法に、注意集中、思考抑制、不快事象の受け入れ、執着(一時的な楽をとる心理)の解放の目標技 法をおりこんだものであった。これは、禅の手法からヒントを得たものである。大乗仏教の実践で は、禅定と智慧を同時に実行すべきであると主張されている。智慧は、禅定を行なうガイドライン 、目標といってよい。目標なく形式的に坐禅のみを行なうのではなくて、智慧をおりこみながら坐 禅を実践するということである。これにヒントを得て、呼吸法の実行(呼吸に意識を集中するので 禅定に類似する)をする時に、「精神疾患を治す智慧」を織り込みながら実行するという心理療法 を開発して、臨床を行なってきた。たとえば、感覚をあるがまま観察して言語との連想の解消をは かる、自動思考を抑制するとか、感情が起きても、すぐ行動に移らず観察して受容し、機能的な行 動に意識を向けるなどであった。

<第2> 神経生理学的変調の改善

 2000年ころから、前頭前野やセロトニン神経に関わる精神疾患の神経生理学的研究の成果を参照 して、目標技法の再編成、形式技法の追加、修正を加えながら技法を洗練させて臨床を行なってき た。呼吸法に目標技法をおりこんだ技法が主な技法であったが、2002年ころから、それらに加えて 、脳神経生理学の知見にヒントを得て、生活技法、脳機能活性化技法、運動技法などの追加が行な われた。
 その間、2000年に、ジョン・カバット・ジンに発するマインドフルネス・ストレス低減プログラ ム(MBSR)の存在を知ったが、まだ、アメリカのマインドフルネス心理療法の発展(精神疾患の治療 )については日本に広く紹介されていなかった。自己洞察瞑想療法は、すでに精神疾患の臨床に使 っていたが、MBSRは、痛みの緩和が主であって、自己洞察瞑想療法は、もっと広い領域に適用して いたから、MBSRは自己洞察瞑想療法にはほとんど影響を与えなかった。ただ、呼吸法実行中におけ るマインドフルネスのありかたをいかに言葉で指導するかについて多くの示唆を得た。 横臥して行なうボディスキャン技法は新鮮であったが、横臥していない時に刺激を受けて感情的に なることが多い精神疾患のクライアントに用いるのは限界を感じて、ほとんどすすめてこなかった 。しかし、横臥することが多い、がん患者、介護状態の人には積極的に用いることが期待される技 法である。今後、新しい領域で、考慮されるべき技法である。
 禅の実践や西田哲学を深く参照しているが、あくまでも、自己洞察瞑想療法は医療(治療と予防)であるから、単なる禅、単なる哲学にならないように、精神疾患や社会問題における神経生理学的な研究との整合性を検証しながら、理論と技法を構成している。心理的、哲学的な現実の世界と神経生理学的な世界とが独立自存しているのではなく、相互に影響しあって不一不二であることを表す概念として「神経生理学的フュージョン(NPF)」を導入した。 両者の関係の記述の作業は今後も続けられて、理論的説明や技法は改変されていくだろう。

<第3> 自己洞察瞑想療法の文書化

 自己洞察瞑想療法の文書化は2003年に始まる。うつ病を改善し、自殺を防止するために、自己 洞察瞑想療法を提供できるセラピストの育成の必要性を感じて、自己洞察瞑想療法のセラピストの 養成講座のためにテキストを作成した。2004年から、講座を開始して、その後、講座は繰り返 し行なわれて、テキストに改訂を加えてきた。当初は、仏教や禅の用語も多く用いて、その哲学を心理療法化したものであるとして、現在の心の病気の人でも理解できるように記述した。後には、宗教に中立を求められる公共の場での普及活動を考慮して、仏教用語、禅の用語を用いないようにあらためられた。
 2006年春に上述のアメリカのマインドフルネス心理療法の翻訳書が前年に出版されたのを知った 時に、自己洞察瞑想療法と類似した心理療法がアメリカでは、マインドフルネス&アクセプタンス の心理療法(以下、マインドフルネス心理療法という)として広く発展していることを知って驚愕 した。2つの心理療法の類似性を自覚し、アメリカのそれを参考にして、自己洞察瞑想療法を心理 療法として再構成をして、2007年に、ほぼ現在の形に落ち着いた。自己洞察瞑想療法の応用範囲が 、種々の領域に発展する気配を感じたので、多数の要請に応えやすいように、2007年から2008年に かけてテキストをテーマ別にモジュール化した多数の小冊子のテキストに編集しなおした。
 基本的には禅の実践や禅の哲学が背景になっているが、禅の研究領域においては、思想的な研究 が重視されていて、精神疾患への応用に参照できるように論理的に記述した研究を発見することができなかった。そこで、 西田哲学を参照した。西田幾多郎は、禅を実習した人で、自己について深く洞察して哲学書を著し た。自己の作用、自己について論理的に記述していて、精神疾患の治療、予防の理論と実践の指針を得るための多くのヒントを西田哲学に見出した。西田哲学が 自己洞察瞑想療法(SIMT)の理論と実践方法に大きな影響を及ぼしている。
 このように、自己洞察瞑想療法は、西田哲学、日本の禅、大乗仏教、精神疾患の研究、脳神経生 理学などの成果をおりこんで、日本で開発された心理療法である。
 アメリカのマインドフルネス心理療法と自己洞察瞑想療法は類似するが、それは、両方とも、仏 教や禅の手法が中核に用いられているからである。ただ、禅定と「目標技法」の一部に相当する技 法は類似するが、他の補助技法と精神疾患の生起と治癒の理論がかなり異なっており、いくつもの 多様なマインドフルネス心理療法が開発されている。日本でも、ある領域、ある疾患、ある問題に 特化したマインドフルネス心理療法プログラムが開発されていくだろうと期待する。

<第4> 自己洞察瞑想療法(SIMT)という名称の由来

 このように、欧米のマインドフルネス心理療法とは違う理論と背景を持つ (しかし、表面のマインドフルネス、アクセプタンスの技法は類似する)ので、別の名称で呼ぶことにした。

 こちらに続く 

Posted by MF総研/大田 at 21:23 | 私たちの心理療法 | この記事のURL
青年期からうつ病、自殺に向かう兆候 [2012年02月14日(Tue)]

青年期からうつ病、自殺に向かう兆候

 =これを変えることができる

 前の記事でこう述べました。
     「学校教育から教えるべきことです。欧米では幼児、小学、中学からマインドフルネス(自己や 社会の価値あることに向けて行動)やアクセプタンス(不快な現実を受け入れ忍耐)の心の訓練を 始めているようです。大学生の時期や就職後、まもなくして、うつ病、パニック障害、依存症にな る人には、その前ぶれのように不安過敏、回避傾向、心理的柔軟性に欠ける傾向があった人がかな りあります。すでに学生時代に、ストレスの対処法がうまくなくて、自己評価が低い傾向がありま す。青年期または社会生活の初期、中期に発症して一生影響します。学生時代にマインドフルネス の心得を身につけることの大切さを痛感します。」
 青年期、社会に出た時にうつ病や不安障害になる人が多いのですが、 その兆候は、数年前からあります。不安やうつなどで不登校になるとか、不登校にならなくても 不安過敏とか、極端なひと見知りとか、回避傾向があるとかです。 こういう反応パターンは繰り返されやすく、成人後、就職するとストレスが強くて、若い頃の反応パターンがとられやすく、「障害」となってしまいがちです。
 精神障害(うつ病、不安障害)の定義の中には、「著しい苦痛、または社会的、職業的、または 他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。」(DSM-W-TR)という条件がついている ものが多いです。未成年の間は、社会的、職業的な役割を求められないために、こうした「障害」 とは認めないのですが、青年になったら、「障害」という定義に入り、本人も苦悩するようになる のが一般です。つまり、人間は社会的な生き物です。社会と孤立して一人で生きていくことができ ません。西田幾多郎は、人は「創造的世界の創造的要素」といったのです。世界、社会において役 割を果たすことで世界の創造的活動の一角をになっています。青年期以降になって、社会の役割を果たせない(創造的要素になれないという苦悩)と思うことが苦痛になります。うつ病の」症状が出て職場に行けず、不安障害で社会活動を回避逃避して苦しみます。長引くと30代、40代になって苦悩はいよいよ大きくなります。
   自殺予防学の権威、シュナイドマンという人がこんなことを言っています。
     「自殺は人生に前例がない出来事のように見える。しかし、人生全般にわたる対処のパターンに は深層心理に一貫性を認める。」
     「精神療法家は、患者が極度の焦燥感、苦悩、苦痛、威嚇といった出来事を以前にも経験したこ とがなかったかを検討し、心理的痛みに耐える能力や、人生で問題から逃避するパターンはどのよ うなものであったかを見きわめる必要がある。」
    こちらの記事=自殺に共通する一貫性は、人生全般にわたる対処のパターンである
 自殺に至る人は、若いころから一貫性があると言っています。兆候があるのです。この兆候を持 つ人は、自分が自分に責任を持つ年代になったら、この一貫性を変化させる努力をしたほうがいの でしょう。若い頃、何かの兆候があった人が、成人してから心の健康を獲得した人も多いのは、そ ういう自分の傾向を変える努力をしたのでしょう。
 大人、親もそういうことを理解しておいて、わが子を将来、自殺に追い込むような道に乗せてし まわないようにすることが大切なのです。
 有名な大学、有名な企業に就職するための、学力、職業的技術(スキル)の勉強も大切ですが、うつ病や不安障害 、自殺への一貫した傾向を持たないような心のスキルも極めて大切です。私も危ないところでした 。学歴、企業でのスキルがあったのに、うつ病になってしまって、社会の支援を得られなければ今 の私はありません。小学生のころ、瀕死の病気になったために、不安過敏、あがり、回避の強い人間となりました。そのためか、40歳でうつ病に。でも、この心理療法の源流となる実践で変わりました。病的な不安は相当長期間真剣にやれば、変わることができます。
 こういうことがわかっているのですから、青年期に生涯みまわれるストレスに対処できる心のス キルの訓練をしておくべきだと思います。親がこういう心のことを知らずに、わが子を脆弱な心に してしまうこともあります。これまでは、必要性を認識しても、有効な予防理論、予防実践がわかりにくかったと 思いますが、マインドフルネス心理療法はかなりわかりやすいと思います。 マインドフルネスの心理スキル(役割行動をする)と、アクセプタンスの心理スキル(不快事象が 起きても逃避回避しない)の向上により、意志作用、ワーキングメモリの機能向上の訓練にあたり ますから。学校教育や家庭の教育にとりいれられるべきでしょう。 自殺が多いのだから、国や県が本気で取り組むべきです。 心の病気の人に、復帰プログラムとして、 職業訓練は行われますが、うつ病、不安障害を治す心の訓練がないですね。
 学校でマインドフルネスをとりいれようと研究なさっている方がおられるようですから、期待したいです。全国展開は、はるかな先でしょうが。
Posted by MF総研/大田 at 20:29 | 自殺防止対策 | この記事のURL
(テレビ)NHK「ここまで来た!うつ病治療」 [2012年02月13日(Mon)]

(テレビ)NHK「ここまで来た!うつ病治療」

 自殺防止に、うつ病の治療法の進歩が不可欠です。 NHK総合テレビが、最近のうつ病の治療法を紹介しました。  次の3つほどが注目できます。

1、経頭蓋磁気刺激法(TMS)

 薬物療法が効果がなかったうつ病の患者が経頭蓋磁気刺激法(TMS)で治る人がいる といいます。うつ病では背外側前頭前野(DLPFC)の機能が低下していることは研究者の報告が多いです。そこが、意欲、判断を司りかつ恐怖、不安を起こ す扁桃体を制御する働きがあるとして、TMSによりDLPFCを休みを入れながら40分程度刺激すること によりDLPFCを活性化することによりうつ病を治療する方法がTMSであるといいます。これがテレビで紹介されました。
 (この治療法は、 「経頭蓋磁気刺激法 ウィキペディア」で検索すると説明が出てきます。)
 うつ病の治療に薬物療法だけというのはいかにも不十分です。生命がかかっている(自殺という死亡率 が極めて高い)病気であるのに、国の取り組みは遅れています。 長引く人、重症の人は、専門の特定の病院を紹介するという方式(他の病気はそうしている)もありません。 自殺の背景にうつ病、不安障害、依 存症があります。
 うつ病が治らないと自殺が起きることがあるので、TMSという治療法の選択肢が増えるのは喜ばしいこと です。県に1か所はこれを受けられるようになるでしょうか。
 ただし、私は、この治療法も限界があると思います。薬物療法もそうですが、TMSも、「物質」(薬、磁気)による治療という様子があります。しかし、内因性のうつ病でない、心理的な要因によるうつ病が多 いのです。うつ病は、脳の病気ではありますが、その元になるのはやはり、生き様、どう考えて、どう欲求して、社会(家族、友人、同僚など)とのかかわりの中でどう行動するかによって発症することが多いのです。 もし、TMSを受けて治っても、また強い心理社会的ストレスに出会うと再発する可能性が高い でしょう。TMSで治った後も、 家族や配偶者に守られるような高齢の人なら、TMSで改善して生きがいを見出して生きていくのでいいでしょう。 しかし、高齢者といえども、自分や家族の身体の病気(がんなど)、介護状況、死亡など心理的ストレスになる出来事が待ちかまえています。うつ病が再発しないでしょうか。 TMSだけによる治療は、 特に、若い人で、ストレスの強い現場に復 帰する人は再発しないとは限りません。物理的な治療法であるTMSでは、心理的(哲学的な自己洞察瞑の深まり)ストレスへの対処が変わっていないから です。若い人がこの方法で軽くなったら、認知行動療法(第2)、マインドフルネス心理療法(第3)も受けることが再発予防に なるかもしれません。
 また、この方法は、抑うつ症状が優勢なメランコリー型うつ病には効果がありそうですが、 心理的社会的(対人コミュニケーションの場で症状を悪化させることが多い)な色彩の強い拒絶過敏性による鉛様麻痺感、過眠を主とする非定型うつ病に効果があるのかどうか確認されてはい ないでしょう。また、TMSは、不安障害には全然関係ないでしょうね。 不安障害も、治らないと社会に出ていけず苦悩して抑うつを併発して自殺もあるのですが、治りにくいです。認知行動療法やマインドフルネス心理療法も効果があります。種々の精神疾患に汎用性があるのが、心理療法です。
 TMSもうつ病はDLPFC(セロトニン仮説でなく)に問題ありという仮説による治療法ですが、この点は、マインドフルネス心理療法(SIMT) も同様です。呼吸法、自己洞察訓練の課題を実行することでDLPFCを活性化させるという治療法です。扁桃体の抑制というよりは、不快なストレスがあっても、それに無用の反応をせず、自分の目的 価値を見失わないことに意識を向け、行動する訓練です。哲学的には「意志作用」の活性化、神経生理学的には、ワーキングメモリ(背外側前頭前野から帯状回など)の機能回復訓練です。それがDLPFCの機能であるために、そこが活性化するのでしょう。説明では、扁桃体を抑制するとありましたが、抑うつ症状を起こす部位の沈静化ではないでしょうか。扁桃体は感情を起こす部位であり、抑うつ症状は別の部位なのではないでしょうか。感情の激しい人でも、うつ病の症状がでない人が多いです。

2、正確な診断装置

 医師が、うつ病、非定型うつ病、双極性障害、統合失調症を誤診するという。診断が違うと薬が 違ってくるので深刻な問題です。
 誤診を防ぐために、脳血流の画像診断装置・光トポグラフィー(NIRS)による診断技法開発 されたそうです。前頭葉の血流量の変化を測定することにより、「うつ病」と症状が似ている他の心の病気 との鑑別ができるといいます。
 これもいいことですが、課題もありそうです。 非定型うつ病の鑑別はいいませんでした。これも薬がちがってきます。 この装置を導入すると病院にコストが増えます。患者さん、健康 保険の財政負担にかかわります。そして、うつ病と診断できても、それだけで治るわけではなく、治療の側面は従来ど おりです。薬物療法中心です。薬物療法の限界があるので、治らない人、再発する人の問題は解決しません。非定型うつ病という診断がついても、特効薬はありません。その状況は依然、かわりません。これは、治療法ではなく、診断法ですね。

3、認知行動療法

 やはり、認知行動療法を紹介しました。  ピッツバーグ大学で、認知行動療法によるカウンセリングで、DLPFCが活性化して、扁桃体を抑制 して、うつ病が軽くなったということが報告されました。認知行動療法やマインドフルネス心理療 法がうつ病に効果的であることは、もう常識です。社会的な人間として、自分をよく知り、ストレスのある、不満な社会環境でも 生き抜いていく心を向上させる人格的な医療法であり、生涯にわたってストレスの多い人生を生きぬいてい くのに重要な治療法です。これが普及することを期待したいです。 学校教育から教えるべきことです。欧米では幼児、小学、中学からマインドフルネス(自己や社会の価値あることに向けて行動)やアクセプタンス(不快な現実を受け入れ忍耐)の心の訓練を始めているようです。大学生の時期や就職後、まもなくして、うつ病、パニック障害、依存症になる人には、その前ぶれのように不安過敏、回避傾向、心理的柔軟性に欠ける傾向があった人がかなりあります。すでに学生時代に、ストレスの対処法がうまくなくて、自己評価が低い傾向があります。青年期または社会生活の初期、中期に発症して一生影響します。学生時代にマインドフルネスの心得を身につけることの大切さを痛感します。
Posted by MF総研/大田 at 20:15 | うつ病 | この記事のURL
ストップ自殺―足立区の努力に学ぼう [2012年02月12日(Sun)]

ストップ自殺―足立区の努力に学ぼう

 朝日新聞の社説が、自殺問題に触れています。  自殺が毎年3万人以上という悲しい状況です。 自殺を減少させる取り組みは自治体が本気にならにといけません。 秋田県も県や秋田大学が熱心にとりくみました。 社説では、 「参考になる取り組みの一つが東京の下町、足立区にある。」 と、紹介しています。
 「区は09年までの5年間で自殺者が都内最多だったことから、NPOのライフリンクと手を結 び、対策に力を入れた。昨年は自殺者が145人いたが、前年に比べれば2割も減った。 」
 2割減少は評価できるが、まだ、8割が自殺であるから、まだまだ対策が足りないと思います。 これまでの対策は上流の対策(それは、どちらかといえばうつ予防)に限定しているからだと思います。下流の対策、うつ病や不安障害になって しまって、薬物療法で治らない人の対策、うつ病や不安障害などを治す対策が、依然として薬物療法のみに依存しているからではない でしょうか。既存のネットワークに欠けているのが、心理療法を提供する団体がないことです。これがないと自殺防止対策は十分ではありません。 うつ病になってしまって、薬物療法で治らないと、もう上流の支援があっても、治らない人が多いです。非定型うつ病や不安障害は特に、上流の問題ではありません。 ここからも、抑うつ症状」を深めて自殺があります。こうした心の病気を治す心理療法者が現われないと、自殺が減少しません。
 認知療法やマインドフルネス心理療法がこうした心の病気を治すことは確認されているのですか ら、これを行うことを考慮してほしいと思います。
 どこかの市町村がモデル事業としてやっていただきたい。どんなに上流で対策をとっても、もれる人、うつ病、不安障害になって、薬物療法で治らない人が多数現れます。歴史が示しています。
Posted by MF総研/大田 at 20:26 | 自殺防止対策 | この記事のURL
埼玉・東京でもマインドフルネス心理療法センターが必要 [2012年02月11日(Sat)]

埼玉・東京でもマインドフルネス心理療法センターが必要

 前の記事でスケッチしたマインドフルネス心理療法センターは東京や埼玉でも設立すべきです。 なぜならこの2つの都県は自殺が大変多いからです。 うつ病や不安障害が薬物療法だけでは完治しにくいのに、心理療法が提供されないことも一つの原因です。私どものもとにおいでになるかたは、 うつ病、非定型うつ病が治らずに、自殺したくなるかtが多いです。そういう人の一部が治っています。マインドフルネス心理療法(SIMT)が自殺防止の一翼をになうことができることは確実です。特に、若い世代は、うつ病や不安障害が治らないこと自体が自殺の理由の人が多いようです。治れば、就職活動もできます。就職は、うつ病を治さないとできません。
 誰が、心理療法を提供すべきか社会的な合意が得られていません。医師は医学部で認知療法やマイ ンドフルネス心理療法が教育されないので、学びなおさなければならず難しいです。心理療法の資料報酬が安いうえに、時間をとるので経営上、行う医師は少ないでしょう。何かの政策的な措置で、給料制で勤務する医者ならできるでしょう。 でも、そういう待遇なら、医師ではなくて、心理士ができます。こんなにうつ病、不安障害が治らず、自殺が多いのだから、特別の予算で県に一つ、心理療法センターを設置していいはずです。持ち出しばからになるわけではありません。薬物療法の薬代を節約できます。
 自殺を減少させるために、うつ病、不安障害を治すことは効果的です。医師が心理療法を提供し ないのであれば、直接患者さんにあう看護師が第一の候補です。看護師が行う心理療法が健康保 険の対象になることを期待したいです。または、看護師による心理療法を自費でも受けて、それを自治体が補助する制度も検討していただきたい。
 第2の候補は、民生委員です。民生委員はどの家庭にうつ病らしい人がいるかつかみやすい。初期の段階で重症化しない助言をする。民生委員の中から心理療法のスキルを習得したい人に教育する。民生委員のうち、1,2割が治すスキルを持つひとがいて、希望する家庭を訪問して助言する。

 いずれ、埼玉・東京でも、看護師養成の学校の学生やすでに看護師となっている人に心理療法の スキルを習得していただくように期待します。 ここ埼玉では、まだ新しい人材による自殺防止のためにうつ病、不安障害を治す心理療法のスキル を持つ人を育成しようという動きは見られません。地元の自殺の多いことも気になりますが、 東京では、認知療法(第2世代)のカウンセラーの育成が始まったようです。また、マインドフルネス心理療法(ACT,マインドフルネス認知療法な ど)の研究者も多くおられます(翻訳されておられる多数の研究者がおられる)から、まもなく東京、埼玉では普及していくでしょう。しかし、東日本大震災の被 災地は危機的な状況であり、そういう心理療法の研究者も少ないでしょうから、私どもはまず、そちらに普 及することを考えたい。
 東京、埼玉でも次のようになることを期待します。
  • 東京、埼玉の看護師育成の学校で、マインドフルネス心理療法の講座が提供されること。東京の研究者が推進していただきたい。
  • そして、資格を得た認定看護師が病院に勤務して心理療法を提供すること。
  • 健康保険の診療報酬が得られるようになるまでは、自治体の助成により心理療法を受ける患者に補助する制度を自治体に働きかける。(薬物療法が5年10年にならず短くなる し、職業に復帰して税金を払えるので健康保険の採算はとれると思う)


Posted by MF総研/大田 at 21:22 | 自殺防止対策 | この記事のURL
東日本大震災の被災地支援事業(2) [2012年02月10日(Fri)]

東日本大震災の被災地支援事業(2)

 補正予算8.8億円の規模で被災地支援のプログラムが募集されるそうですが、 今回は間に合いませんので、これから岩手県の方と協議体を作って、規則、会計制度などを決めて 、来年以降(来年も必ず予算がつくはずです)に、マインドフルネス心理療法の講座、カウンセリ ングを行うプログラムを開始したいと思います。3年ほどで、東北全県の受講希望者(看護師、心理 士など)の育成を行う拠点にしたい。うつ病や不安障害は薬物療法だけでは完治しにくく、被災地 に予測される自殺を予防する一翼になっていただきたいです。
  • 岩手県の団体(看護学校や心理学部のある大学やNPO)も協議体の構成員を出す。 マインドフルネス総合研究所は、その構成員でもいいし、協議体から依頼される心理療法団体でも いです。マインドフルネス心理療法(SIMTの初級講座)の講座やうつ病、PTSD ,パニック障害の人の治療プログラムを無料で行うために、県や助成団体から助成金の支援を受けま す。1年度は、150万円ほど必要です。
  • 岩手県の看護学校の教師、学生に、マインドフルネス心理療法(SIMT)の講座を提供する。 精神科看護師の候補生、現在精神科の病院に勤務する看護師を対象とする。岩手では、内科医もう つ病の治療を行う可能性があるので、内科の看護師も含む。 心理学部のある大学の学生やうつ病、自殺予防のNPOのスタッフも含む。 民生委員が希望すれば、これも含む。
  • 1年目は、岩手県内の看護師、心理士10数名に無料でマインドフルネス心理療法(SIMT初級)の講座を まず、3か月提供する。その間、病気の方の希望者を募集し、4か月目ころ、治療支援 プログラムを開始する。 カウンセラー講座を受講中の看護師(学生)も治療に参加する。会議体で治療指導をすすめる。 マインドフルネス総合研究所のカウンセラーがスーパーヴァイズする(そのために、3年間毎月3,4日滞在 する。滞在費がかることと、高齢であることから3年間だけ)。
  • 高齢の患者さんは脱落しがちです。私どもが行く中間に、毎月1回か2回、現地の受講生(3カ月先行して学習している)が呼吸法を指導してほしい。
  • 受講生は約10カ月の講座とフィールドワーク(MF総研の治療プログラムに同伴、同行)でスキルを習得する。
  • 受講した人は2年目からは、自分が勤務する学校、保健所、病院(または、協議体の中で)で自立して(指導医の 監督のもと)マインドフルネス心理療法を提供する。(月に、1,2回でよい)
  • これが、1、2年目です。3年目は、さらに活動を拡大できます。 3年目に新しいサービスを加えて、東北地方のマインドフルネス心理療法(SIMT)の拠点にします。地元の方が自立してマインドフルネス心理療法の研究、岩手および周囲の県のカウンセラーを育成する役割を持ちます。
こういう案ですが、岩手県の人の協力なしには、実現しません。講座を受講してくださる支援者、治療セッションに参加してくださる方が地元におられないと実現しないのですから。


Posted by MF総研/大田 at 21:57 | 自殺防止対策 | この記事のURL
| 次へ