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治りにくい非定型うつ病 [2008年06月19日(木)]

治りにくい非定型うつ病

 6月19日NHKがクローズアップ現代で、双極性障害、非定型うつ病について放送した。 うつ病患者が 100万人を超えた。うつ病の増加の背景には、患者の6割が再発し、その2割から3割が 慢性化する。 メランコリー型うつ病のほかに、過食や過眠、人間関係に過敏な傾向を伴う「非定型うつ病 」、軽い躁状態を伴う「双極性障害(躁うつ病)U型」など様々なタイプがあり、診断、治 療が容易でないことが分かってきた。機械で前頭前野の機能低下を計測して診断しようという 試みや、孤独な患者が集まってささえあう試みなどが紹介された。まだ画期的な治療はなく模索中とのこと。
 メランコリー型うつ病と違って、非定型うつ病が増えている。対人関係において拒絶過敏 性で、激しく怒る、落ち込むという状態が症状を悪化させる。薬だけではなくて、こうした 人間関係のストレス対処法が治療に効果があるだろう。また、不安障害という発作性のパニ ック障害や対人恐怖症などがあると、非定型うつ病になりやすい。 拒絶過敏性も不安障害 一般も発作的であるから、発症、悪化のしくみが似ているようである。発作的に起きる激し い感情が症状を悪化させるようだ。早いうちから、前兆(不安障害があるとか、対人関係に過敏)があ るのだから、うつ病(非定型うつ病)の発症に至らないうちに、心理療法を受けるのがいい と思う。うつ病になると、放送のように、なかなか治りにくい。人生の早い段階で、感情のコントロール法を学ぶのがよいのだが、そういう支援を受けるところが少ないのが問題だ。一向に減少しない自殺。こういううつ病の予防、治療に、すべての人が関心を持ってくださればいいのに。この地区でも、対策は遅れている。  
Posted by 埼メンタル協会/大田 at 21:51 | うつ病 | この記事のURL
自殺者10年連続で3万人超す [2008年06月19日(木)]

自殺者10年連続で3万人超す

2007年の自殺者がまた3万人超だった。10年連続となった。人数は3万3093人で 過去2番目に多い。全国紙が報道している。
 原因別では、健康問題、経済・生活問題、家庭問題、勤務問題の順である。そして、 健康問題の内訳では、うつ病が6060人で最多。  勤務問題の内訳は、多い順に「仕事疲れ」、「職場の人間関係」となっているが、この人 たちも、うつ病になっての自殺だろう。「仕事疲れ」、「職場の人間関係」もうつ病になる 要因であるから。
20歳代も3309人、19歳以下は548人で、小学生は8人、中学生は51人、高校生 は215人だった。こんなに若くして自殺する。
 日本はストレスが強い社会で、地域でのささえがなく悩む人が孤立する社会となっており、うつ病は誰でもかかるおそれがある。しかも、必ずしも薬物療法だ けでは完治しない人が多くて苦しみ続ける。長引くと自殺する。そんな苦しい病気である。
 うつ病は、どこの家庭でも起こりうる。もっと多くの人がうつ病の予防、治療に関心を持 ってほしい。
 うつ病は経済的貧困、勤務条件、多重債務、介護支援不足、いじめ、など社会的な要因がある。この改善対策が重要だ。そのほかに、うつ病の治療の体制の構築も必要である。社会的要因から解放されて、ストレスを軽くした状況での治療にはいいっても、うつ病が治らない人も多い。うつ病の治療法も遅れているのだ。社会的要因からと治療法の向上の両面の対策が必要である。
 うつ病には認知療法、マインドフルネス心理療法、弁証法的行動療法、行動活性化療法などの心理療法もある。だが、数ヶ月、通院が必要である。どうしても、地元のセラピスト(精神科医、カウンセラーなど)でないと支援できない。各県に数か所、うつ病を治す専門のカウンセリング所が必要である。
Posted by 埼メンタル協会/大田 at 21:22 | 自殺防止対策 | この記事のURL
精神科医、カウンセラーも燃え尽きる(5) [2008年06月19日(木)]

精神科医、カウンセラーも燃え尽きる(5)

 セラピスト(精神科医、カウンセラー、スタッフ)を燃え尽きさせない、治療意欲を喪失 させないように、弁証法的行動療法(*1)では種々の対策が組み込まれている。

(4)患者とセラピストとの合意

 患者さんが治療からドロップアウトしないため、また、セラピストの燃え尽きを防くための対策として、弁証法的行動療法のセラピーには、患者 が守るべき事項があり、治療の最初に合意する。
  • 期間の合意
     通常の場合、患者とセラピストは、1年間のセラピーを、毎年更新可能という条件で合意 する。継続するかどうか、セラピストが評価して決める(150頁)。
  • 打ち切り条件の明確化
     セラピーを連続4週間欠席した患者はプログラムからはずされる。復帰することはできない(150頁) 。ただし、患者の側はいつでも治療をやめられる(152頁)。
  • 自殺行動をしないという合意(153頁)。
  • セラピー妨害行為をしないという合意
  • スキルトレーニングに参加するという合意
  • 研究および料金に関する合意
 弁証法的行動療法では、スキルトレーニングが含まれていて、これを欠席するようでは改 善が見込まれないので、欠席する患者はセラピーからはずされる。マインドフルネス心理療 法のプログラムはいずれも、マインドフルネスやアクセプタンスのスキルトレーニングが中 核の技法となっている。1,2回のカウンセリングで解決するようなスキルの問題ではなく、相当期 間のトレーニングが必要である状況となっているので、規定のセッションを欠席する と患者の心身に改善の変化が起きる保障はないから、こういう条件の合意が求められる。悪化した時だけ無条件でいつ でも来ていいという方式では、患者が症状悪化からの変化に必要な行動をとる(長期間のトレーニングで習得すべきもの) ことがむつか しく、セラピストにとってむつかしいセッション(通常はグループ)となり、セラピストを 疲弊させる一因となるだろう。
 こういう条件の合意のあるほうが、ドロップアウトが少なく、治癒率が高いという。
 他のプライマリーケア医の場合、自分の能力を超える患者は他の専門医を紹介するのが当然の仕組みになっている。精神科医も自分の治療スキルの限界を超える患者さんの場合、他の専門機関(各県に1,2か所)を紹介できる仕組みを作るといいのだろうが、むつかしいのでしょうか。
    (*注)
  • (1) アメリカのリネハンが開発した心理療法で境界性パーソナリティ障害、物質乱用または物質 依存、無茶喰い障害、神経性大食症、うつ病に効果があったという。記事中の(xx頁)は「 境界性パーソナリティ障害の弁証法的行動療法」リネハン、誠信書房。

精神科医、カウンセラー、スタッフも燃え尽きる
Posted by 埼メンタル協会/大田 at 17:25 | カウンセラーのストレス | この記事のURL