新しい心理療法(3)=セロトニン神経の生理学と薬物療法の作用
=自己洞察瞑想療法(マインドフルネス&アクセプタンス心理療法)
私どもの心理療法は、うつ病、自殺念慮、不安障害全般(パニック障害、対人恐怖、PTSDなど)
、依存症、自傷行為(リストカットなど)、心身症、がんによる落ち込み(うつ)、などの治療、
予防に用います。セラピスト(カウンセラー)が、研究すれば、適応対象は、ひろがっていくでしょう。
自己洞察瞑想療法(アメリカで、マインドフルネス&アクセプタンス心理療法というものと類似する)の治療
の進め方の概要をご紹介します。
第3、セロトニン神経の生理学と薬物療法の作用
第1段階は、その病気(悩み、問題)をクライアント(患者)から、説明してもらって、この療法で、改善できるかどうかを判断する。
まず、4,50分、クライアント(患者)の問題をきく。うつ病、不安障害などとわかったあとで、こちらの、心理療法が始まる。
第2段階は、その病気(悩み)になったわけ、治らないわけを説明する。セロトニン神経、前頭前野、体内時計、自律神経などの生理学の知見にもとづく。
第3段階の説明は、うつ病や不安障害(パニック障害、対人恐怖など)が、薬物療法で治らない場合でも、心理療法で治る可能性がある理由を説明する。
こういう障害が起きている人には、抗うつ薬(SSRI,SNRIなど)が使用されるように、ある程度、効果があることがわかっている。そこで、その薬の作用のしかたを説明する。末端のシナプスにおける再取り込
み阻害の作用である。セロトニンを生成している縫線核を改善するわけではないことを理解しても
らう。おまけに、うつ病や不安障害は、セロトニン神経の障害というよりは、前頭前野、大脳辺縁
系、自律神経、概日リズムなどの障害でも起きている。セロトニン神経のシナプスに作用させる迂遠な薬理
であるためであろう。効果がない人が2、3割、一度軽くなっても再発する人が5割いる。こういう状況が現在の薬物療法であるから、治る人もいるが、治らない人
が多いのも無理はない。こういうことを理解してもらう。抗うつ薬のセロトニン再取り込み阻害に
ついては、次の記事で紹介している。
次に、心理療法(自己洞察瞑想療法)で行なう場合、治る可能性があるわけを説明する。他の心理療法は、こういう効果はよくわかっていないだろう。自己洞察瞑想療法(以下、M&Aとする)では、「呼吸法」
「瞑想法(マインドフルネス・アクセプタンスの実践)」を行なうが、セロトニン神経や前頭前
野を活性化するような作業なのである。他の心理療法、たとえば、認知療法や森田療法、対人関係療法などとは、違う技法が多く、効果の違いが出てくる。
1、セロトニン神経についての作用が違う。心理療法(M&A)は、シナプスでの再取り込み阻害の作用ではなく、セロトニンを生成する
部位、すなわち、縫線核を活性化することを説明する。
2、心理療法(M&A)は、前頭前野を活性化する技法を用いることを説明する。注意集中、分散注意など前頭前
野の機能とされる活動をゆりうごかす。
3、心理療法で行なわれる生活習慣の改善の助言を実行してもらうと、前頭前野や概日リズム、自律神経の変調の
改善に効果があることを説明する。
こういう背景になっている脳神経科学の知識をカウンセラー養成講座では、詳細に学習するが、
クライアント(患者)には、ごく、簡単に説明する。宿題としての実践をしてもらわないと効果が
ないので、実践してもらう動機づけとなるように、説明する。2回目も面接指導に来てもらえるよ
うに、説明する。
初回に、2時間かけて、説明と実践指導をするが、2回目の面接に来ない患者が、現在、3分の
1いる。理由は、
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第一に、遠すぎること。重症の患者ばかりで、他県の人が圧倒的に多い。ここは、埼玉県であるが
、埼玉の人は、少ない。福島、栃木、茨城、群馬、千葉、東京、神奈川、新潟、愛知、大阪、福岡
など。2時間以上もかかるのでは、行きたくないのだろう。それは、当然である。
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第2に、うつ病になった人は、長期間の実践の後に効果があるという時間をまたいだ因果関係を想起することが難しくなっている。
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第3に、前頭前野の意欲がそこなわれている傷害であること。
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第4に、体調があまりに調子が悪く、遠くの外出ができない。
とにかく、薬物療法と心理療法では、改善の作用が違うことを説明する。
1回だけで、いけなくなることを防止する問題を解決したい。いくつかの対策が考えられる。
- (1)全国の各地で、この新しい心理療法のインストラクターを育成すること。
- (2)患者だけではなく、家族との同行を求めること。初回も、その後の、カウンセリングも。
- (3)ある程度集中して行なう方式をとること。入院、合宿方式である。
(1)は、さいたま市と静岡県で行なっている。他県からも、散発的に希望があるが、人数がふえれば、各地で、育成講座を開催するつもりである。ここ、蓮田でもカウンセラーが不足している。現在のカウンセラーが用事があると、カウンセリングを休業する。しかも、カウンセラーが多ければ、入院形式、居場所提供もできるのに、スタッフ、カウンセラー不足である。
(2)は、一部の人が、家族同行でこられる。その方は、脱落しにくい。これを今後も推奨したい。
(3)は、場所、施設がないので、いずれ、借用して行いたい。問題は、スタッフがたりないこと。
スタッフがふえれば、提供していきたいが、施設をもたないNPOでは限界がある。入院設備のある病院ならば、スタッフ(看護士など)も
いて、すぐできる。病院で、やっていただきたいものだ。少なくとも、採算をあまり考えず、研究
の使命のある大学病院で導入してもらいたい。アメリカでは、大学で、かなり、研究、実用化されているのだから。