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アイドルあいついでパニック症に [2018年12月05日(Wed)]

アイドルあいついでパニック症に
 マインドフルネス心理療法SIMTでも改善

ジャニーズ事務所に所属するアイドル2人がパニック症で活動を休止したという報道がありました。
https://www.asahi.com/articles/ASLCX7F63LCXUCVL03H.html

 パニック症は、過労やストレスが引き金となって発症することが多いです。 お二人もそうだったのでしょうか。

 パニック症は、つぎのような症状(1)(2)があります。
(1)時々パニック発作が起きる=激しい動悸、過呼吸または息苦しさ、はきけ、 気が遠くなる感じ、 死ぬのではないかという恐怖感などが押し寄せる。
(2)予期不安
(3)種々の場面を回避(人ごみ、電車・バス・飛行機、高速道路、歯医者、美容院、狭い場所、ひとりでいる)

 (3)があるひとは、広場恐怖症です。パニック症と広場恐怖症の2つの病名がつくことになります。 発作が起きなくなっても(3)の症状があって、種々の場所を回避するのが広場恐怖症です。 発作が起きることを恐れて外出することが難しくなる場合があります。10年も続く人もいます。

 マインドフルネスSIMTは、パニック症のひとも取り組むことができます。 これは、SIMTでパニック症の改善にとりくんだひとたちの経過です。(文字化けする場合、PF5を押してください)
http://mindfulness.jp/ma-therapy/jikodousatu/zu-jirei2.htm

 機関誌『マインドフルネス精神療法』第2号は、パニック症のマインドフルネスを特集しました。
http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/kikansi/hp-02/jjmp02-hp-index.htm

 マインドフルネス心理療法SIMTの課題を1年くらい実践できると治る可能性があります。

 せっかく夢を実現できたのに、パニック症になって無念でしょう。パニック症も容易でない病気であり、1年ほどかかります。 治って、また活躍していただきたいです。

http://mindfulness.jp/fuan/ix-panic.htm
★パニック症についての記事
(文字化けする場合、PF5を押してください)

http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/m&a/what-simt.htm
★マインドフルネス心理療法SIMTとは

最近触れたこころの病気の記事

http://blog.canpan.info/jitou/archive/3901
★子どもの自殺

http://blog.canpan.info/jitou/archive/3900
★産後うつ病

http://blog.canpan.info/jitou/archive/3899
★災害、事故のあとに起きるPTSD

http://blog.canpan.info/jitou/archive/3835
★非定型うつ病。これもSIMTで改善する人がいる
Posted by MF総研/大田 at 22:06 | パニック障害 | この記事のURL
パニック症・広場恐怖症(テレビ)不安に坐禅やマインドフルネスのトレーニング [2012年01月22日(Sun)]

パニック症・広場恐怖症
(テレビ)不安に坐禅やマインドフルネスのトレーニング
 長く坐禅瞑想する人は背内側前頭前野が大きくなる

 1月11日に、NHK総合テレビ(ためしてガッテン  不眠ストレス緊張撃退 簡単トレーニング)で呼吸法の効果を紹介しました。
 この中で、マインドフルネス心理療法の手法が2つ紹介されました。

パニック発作から不安を強める。
  • 過呼吸、呼吸が苦しい、動悸が激しくなるなどのパニック発作。これを紹介しました。 外出しなくなった。
  • 「次の発作で死んでしまうかもしれない」と思ってしまう。
 ほかに、仕事における不安から、次々と不安なことが拡大していったケース、 不眠になるケースも紹介されました。

背内側前頭前野(客観視くん)

     不安が拡大するメカ二ズムは、客観視くん(背内側前頭前野)が弱ってしまうことによるという。
    「心を客観視する力が弱まると不安が巨大化してしまう!」
    パニック障害の人は、背内側前頭前野(客観視くん)が弱まっている。
このように、紹介されました。

坐禅のすごーい効果

 不安の改善、予防のために、「坐禅のすごーい効果」
 「今や坐禅は世界中で大ブーム」と繰り返し、ナレーションがはいりました。
 坐禅を指導している僧侶のお話がありました。
 「ふっと考え浮かんだものをそのままふっと受け流していく」
 「それにいちいち取り付かない」

 2005年、アメリカで発表された研究が紹介されました。 坐禅などの瞑想を続けた人は、通常の人より、背内側前頭前野が分厚くなっているという。
    (大田注=これは、内側前頭前野です。デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)の一部としての内側前頭前野でしょう。うつ病になると、DMNの機能が低下していると言われています。 自己洞察法を織り込んだ瞑想で、うつ病が治る場合、内側前頭前野などDMNと外側前頭前野の両方が回復するようです。
     ワーキングメモリの中央実行系といわれる背外側前頭前野とは別のところですね。 瞑想には、止<サマタ>瞑想と観<ヴィパッサナー>瞑想があるそうですから、どちらを長く行っていくかで前頭前野の違いが生じるかもしれません。うつ病の人に、自己洞察瞑想療法(SIMT)<止瞑想ではなく観瞑想の特徴が強い>をやっていただくと、ワーキングメモリの機能も回復するのですが、背外側前頭前野の変化であろうと推測しています。ほかに、内側前頭前野も正常化するようです。しかも、この場合、わずかに1,2年で回復しています。瞑想と前頭前野の領域は、研究課題が多いようです。)
 番組では、熊野宏昭早稲田大学教授が下記の落ち葉、流す方法で実験してみて、効果を紹介しました。
「*坐禅などのめい想にはいくつかの方法があります」というテロップが掲載されました。
    (坐禅にもいろいろあります。宗門(曹洞宗、臨済宗など)が指導する坐禅は心の病気との関連を言わないようです。)

不安から抜け出す簡単トレーニング

 マインドフルネス心理療法の手法が2つ紹介されました。
 紹介された方法は、数百もあるはずのマインドフルネスの手法の2つです。
 1週間で不安から抜け出す簡単な方法を熊野教授が紹介しました。
   「落ち葉が川を流れていくのをイメージする。 考えが浮かんだら、葉っぱに乗せて流す」
 こういう方法を紹介しました。
 もう一つの方法は、考えていたら、「「・・・」と思った。」と付け加えるというもの。

 1週間で、参加者はずいぶん変わったという。



うつ病、不安障害の治療にはもっと

 以上が、番組の内容です。
 「1週間ですごい効果」は、注釈が必要です。番組の参加者は、いわゆる「不安障害」のレベルの人ではないはずです。まだ、病気にはなっていない人で、わずかな工夫で回復できるレベルの人たち。1週間で、いわゆる不安障害(PTSD,パニック障害、社会不安障害など)や適応障害が治るのであれば、薬物療法は不要となり、画期的な治療法ですが、病理レベルの 不安障害や適応障害の治療はそう簡単ではありません。
 うつ病は、内側前頭前野、背外側前頭前野、帯状回、海馬、HPA系(視床下部ー下垂体ー副腎皮質)などにも変調があると言われています。 不安障害(PTSDなど)も一部、帯状回にトラウマが記憶(条件づけ)されていて、容易に消失しないと言われています。もちろん、専門家ですから熊野さんは承知されているのですが、番組は短い時間だからそういうことを熊野さんも紹介する時間がないのです。 病理レベルが深くなった人は、思考を水に流せないのです。思考が侵入してきて流すことが容易ではないのです。条件づけされた恐怖反応も強固です。この方法を 不安障害の人が1週間やってみて、治らないから、この方法でもだめだとは思わないでください。
 また、このテレビを見て、ご家族や職場の同僚などが、不安障害の人を責めないで下さい。 「1週間、真剣にやらないからだとか、やりかたがまずいのだ」 などと責めないでください。不安障害になった場合、病理レベルが深いです。 身体の足腰が衰える介護状態、膝の痛みでも、簡単なトレーニングで進行をくいとめるレベルと回復が容易ではないレベルがあるように、不安、広場恐怖には、回復が容易ではないレベルがあるのです。
 テレビで紹介された方法でも、半年ほど長期間やればいいのですが、不安障害の人は、この手法だけでは改善しないと感じて、長期間はできずに、まもなく止めてしまうでしょう。どうせ半年、1年やるのであれば、病理レベルでも効果が実証されている他の手法も加えて行うのがいいです。 マインドフルネスの手法はアメリカの種々のマインドフルネス心理療法者によって考案されて数百もあるはずです。私は、うつ病、不安障害の治療のためには、基本的な手法を50くらい助言します。

 不安障害、うつ病などの病理レベルの問題を治すためには、上記の手法のほかの課題 (内側前頭前野、背外側前頭前野、帯状回、HPA系(視床下部ー下垂体ー副腎皮質)などにも影響する) も行って、半年から2年くらいやって治っていきます。客観視は、自己洞察瞑想療法(SIMT)でも意志作用の一つの要素としていて似たような課題を実践します。
 番組で紹介された方法は、まだ病理レベルでない段階でも効果があるわけです。 番組で紹介されたのは、不安のとりこになって病気レベルに悪化するのを予防できます。病理レベルへの予防のために、おすすめしたいです。

<目次>パニック症・広場恐怖症
次の例は、簡単には治らない広場恐怖の例です。

最近、テレビで、呼吸法やマインドフルネス心理療法のいい効果が紹介されますね。
Posted by MF総研/大田 at 19:30 | パニック障害 | この記事のURL
長い距離、電車に乗れた! [2011年12月30日(Fri)]

長い距離、電車に乗れた!

 =広場恐怖のあるパニック障害

 色々な場面を回避する広場恐怖のあるパニック障害であった人から、 14駅あっさり乗れたという連絡を受けました。 ご紹介します。(プライバシーは含みません。)
 40代の主婦。14年前に発作が出てパニック障害と診断されました。 4年ほど前から症状は落ち着いてきましたが、広場恐怖が治りませ んでした。電車に乗れず、美容院、歯科医院、人ごみ、街中などがだめでした。車の運転も近所にし か行けないという状態でした。夫に車で送ってもらってセッションに参加しました。
 グループ指導16回、月1回程度の日記指導15回。治療期間は通算1年2カ月でした。  13カ月目に、電車に乗ろうと挑戦しました。1日目は駅のホームまで行きましたが、不安が強く て乗れませんでした。2回目で、思い切って電車に入りました。緊張がありましたが呼吸法をしなが ら一駅で降りました。帰りにも乗れるか不安でしたので、薬を飲んで乗りました。とにかく一駅往復 乗れました。14カ月目には、2回乗りました。緊張が少なくなりました。
 こうした時点で、指導を終結しました。この時点の症状は改善していました。
 その後、時々、一駅乗ることを繰り返していましたが、父の病気などがあって、遠距離を乗ること に挑戦することがありませんでした。 終結後9カ月たってから、14駅の区間を乗ることができたという連絡を受けました。 「驚くほどあっさりと乗れた信じられない気持ちです」とありました。
 ほかのことも心境の変化がありました。
 「私は、ようやく「ありのままでいい」「そのまま何もしないでいればいい」ということが心から 納得できるようになりました。今までは、「何とかしよう」「嫌なことをなくさなくては」「その方 法は何か」といつも思い探していました。気持ちがいつもそちらへ向いてしまっていました。少しず つですが自分自身のどんな部分も受け入れられるようになってきたのだと思います。エレベーターも 美容院も大丈夫になり、困ることがなくなりました。とは 言え、いい時ばかりではありません。何もかも不快な症状がなくなったわけではありません。まだ身 体症状が出るときもありますが減ってきているし、出方は弱くなっています。でも、その時その後の 気持ちが全く以前と違います。「騒がない」で透り過ぎることができるようになってきました。」
 (この方とは、広場恐怖の高い壁について興味ある応答があります。いつかご紹介します。)
 来年中に、快速、特急、新幹線などにチャレンジなさるでしょう。 従来の認知行動療法では、ハードルが高いエクスポージャー法に、マインドフルネス、アクセプタン スの心得を訓練し続けていると、恐怖の条件づけができた回避を克服できます。他の人も、パニック 障害、PTSD、社会不安障害の方も自己洞察を続けてください。課題を繰り返すほど、神経生理学的な影響が起きて、改善していくはずです。
 広場恐怖。電車、バス、エレベーターに乗れないとかで、子どもの学校行事に参加できないとか、 家族といっしょに旅行できないとか、仕事に行けないなど社会生活に支障をきたす人が多いのが、広 場恐怖のあるパニック障害です。長期間、多くの人が困っているでしょう。
 春に出版する本で自習できるでしょうか。希望あるところ、なるべく全国を回ります。1,2回、 実習に参加していただければ、治る方がおられるのでしょうか。新しい展開です。もう少し、お待ち ください。1月10日に、原稿を出版社に送付します。
Posted by MF総研/大田 at 20:53 | パニック障害 | この記事のURL
電車に乗れました [2011年11月11日(Fri)]

電車に乗れました=Iさん

 嬉しいご報告をいただきました。
 パニック障害となり、医療機関での治療で治らず、 こちらのセッションに、12,3回参加して、 電車に乗れないとか、ビルの高層階に行けない(眠気、体が重いという、軽い非定型うつ病の症状も) という広場恐怖の克服に励んでおられる方から ご報告をいただきました。 セッションが終了したがあとは自主的に課題をこなしておられたのです。

 「先月より都心方面の電車に乗ることができるようになりました。 主に家族や友人と一緒ですが、20分ほど一人で乗ることも できました。(少し薬を服用しています。)

幸い車中では、少々の呼吸法と自己洞察でやり過ごせる程度の 予期不安が起こるぐらいです。」

 「苦手だった起床も、午前中のだるさもほぼクリアしました。(夏頃から)30分以上の運動等も続けています。 」 (これは、非定型うつ病の症状ですね=大田注)

 私が治すお手伝いをさせていただいた体験から、 メランコリー型うつ病は半年から1年でほとんど治るが、非定型うつ病、社会不安障害、 広場恐怖はもう少しかかっています。 完全な断薬は、症状、問題行動が消失してからというのが これまでの事例です。順調な経過といえます。
  こうした 経過を教えていただけるのは、大変ありがたいことです。 貴重なデータになります。<実績による科学的>データの 蓄積がふえていきます。 今後、治療を受ける人たちの目標になります。私たちが 効率のよい治療法に改善していくためのデータになります。
 これからも、長距離の電車に乗ることもチャレンジされるのです。 また、ご報告をいただけるそうです。
 私は、これから、でかけますので、次の記事で、 もう少し、この方の経過を述べさせていただきます。
Posted by MF総研/大田 at 07:33 | パニック障害 | この記事のURL
パニック障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)をマインドフルネス心理療法で治す [2009年11月19日(Thu)]

パニック障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)をマインドフルネス心理療法で治す

 =体験者の言葉

 マインドフルネス心理療法でパニック障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を治した方をご紹 介します。下記のおたよりをもって、1年半のカウンセリングを修了しました。
    問題は、パニック障害と心的外傷後ストレス障害でした。前者は、予期不安が起こり、電車、飛 行機、旅行、高速道路、美容室を避けていました。不快な身体症状もありました。後者は恐怖体 験の後、関連した話を聞くだけで頭痛、ひどい恐怖を覚えて、関連する話題やテレビなど避けて いました。音や影に敏感でした。

個別面接、5回のグループ・セッションに参加して課題を実行し日記(スケジュール表)指導、 その後は、郵便によるテキスト学習、自分での課題実習、日記提出指導により、ほぼ満足できる レベルとなり、カウンセリングを終了しました。初回面接から1年7か月です。毎月、熱心に課 題を遂行し、自分の心を探求されました。課題の実施量は貴重なデータです。 呼吸法<6つの心理的柔軟性の向上の心得を織り込む=これを「自己洞察」という>を30分か ら50分実施されました。

 もう大丈夫、カウンセリングを修了したいというお手紙です。他の方の参考になって治るのにお 役に立てればと、了解を得ていますので公表させていただきます。

 パニック障害も心的外傷後ストレス障害も薬物療法だけでは治りにくく、認知行動療法のカウンセラーも少なく、長期間苦悩する人がいる。このように、マインドフルネス心理療法で治る人もいる。マインドフルネス心理療法は認知行動療法の一種であるが、他の認知行動療法で治らない場合でも、マインドフルネス心理療法で治る人もいる。認知行動療法も多種あって、相当、手法が違うので、他の認知行動療法で治らない人でも治ることがある。いろいろ、試すべきである。1−2年の辛抱で治って、以後、何十年、満足して暮らすことができる。 特に、若い頃には、学業、就職、結婚、出産、子育てがあるので、治すのは大切である。

いつもお世話になりありがとうございます。スケジュール表の課題は、毎日していますが、コメ ントに書くことがなくなり、今は記入しておりません。(*注1)

○○先生が以前に「もう大丈夫」と思える時がくるとおっしゃっていたように、今、私は避けて いた事が行動できるようになり、パニック障害の事をあまり考えなくなっています。

あれだけ恐かった電車も高速も美容室も大丈夫になりました。また、恐い話を避ける事もなく、 テレビも見ることができています。

いつの頃からか、自分に起こる事象のある部分だけを意識し過ぎてつらくなっている事に気づき ました。
呼吸法でただ、自分自身を見失うことなく、自分に起こる事象を観て、今ある価値ある行動にう つっていく事で、自分をコントロールしていけるのだと思えるようになりました。

今は人間関係も良く、楽しい日々を送っています。ただ、まだ過敏なところが残っていて、自分 でも驚くこともあります。それでも行動できるし、薬を飲むわけでもないので、今の時点では「仕 方がないと思って、無理はしないようにしています。
「パニック障害は一生治らないかも?」と不安に思っていた頃もありましたが、先生のご指導のお かげで、ここまでこれました。
自己洞察は一生続けていくつもりです。
どうもありがとうございました。
    (*注1)症状がひどい時、指導助言を受けたいことがある間は、毎日の状況を克明に日記(スケ ジュール表)に記入した。しかし、最後の2か月ほどは平穏であったから、スケジュール表を記 入しなくなったのである。

  • パニック障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)をマインドフルネス心理療法で治す
  • PTSDが治ったという連絡
    マインドフルネス総研のホームページ
  • Posted by MF総研/大田 at 21:11 | パニック障害 | この記事のURL
    脳の変調は不安障害にも [2009年06月19日(Fri)]

    脳の変調は不安障害にも

     うつ病の人は、快を予測する前頭前野の領域は活性化せず、不快を予測する 領域が亢進気味である。不安障害のこういう研究は少ないようだが、同じ傾向があ るのは、不安障害の患者さんを観察すれば明らかである。
     不安障害は、社交不安障害(対人恐怖症、社会不安障害)、パニック障害、心的 外傷後ストレス障害(PTSD)、全般性不安障害、強迫性障害などがあり、障害 とはいわないまでも、あがりに苦しむ人も多い。あがりがあるため、俳優、スポー ツ選手、芸術家が実力を発揮できない。学生が自分の意見を言えない。働く人が、 会議で発言できない、司会できない、説明発表ができない。こういうことがあって 、仕事で実力を発揮できずに苦しむ。
     (私も、あがりで苦しみ、うつ病で苦しんだ。その当時は、脳に変調があったの は間違いない。がんばろうとしてもだめだったから。現在は、人前で講演、講義も して、うつ病は20年再発していない。脳が変わったのだろう。)
     不安障害とうつ病の併存は非定型うつ病が多い。
     不安障害には、予期不安(発作や悪いことが起きるのではと予測する思考をしば しば起こして苦しむ)や広場恐怖(電車、バス、人ごみ、歯医者・美容院などしば らく動けないと思う場所や機会などを避けることで社会的、職業的行動が障害され て、苦しむ)という特徴ある症状がある。この、予期不安も広場恐怖も、不快の予測が基 礎になっている。うつ病の人と似たもので内部前頭前野の亢進があるだろう。うつ 病の場合、不満、嫌悪の思考であり、不安障害の場合は、不安の思考である。似て いるせいか、マインドフルネス心理療法では、どちらも同じようなトレーニングに よって軽くなる。不安障害の場合、常に「不安を予測」するというフィルター、色 めがね、不安警戒の身構えがある。 見る、聞く、感じるなどの時、評価しないで受け止めるトレーニング、不快事象( 不安や動悸など)が起きても評価せず観察して耐えてその変容をみとどける(受容 )心のトレーニングを行っていく。
     長引いたり、重いと自殺を招く、うつ病や不安障害は、背外側前頭前野、海馬の 機能低下、内側前頭前野や扁桃体などの機能亢進があり、カウンセリング、相談も 、そういう変調の治療にむすびつけるようにしないと、恒久的な治癒にならないだろう。 一時的な症状の緩和(寛解)では、復帰が難しい。
     心理療法でさえも、しばらく症状が安定していると油断して、ちょっとした対人 関係で感情的になって(すぐ気づいて意識を転換するということを怠り)、あまりに激しい感情を拡大させたり、何時間 も否定的思考をしていると症状が再燃してしまう。これは、薬物療法でも心理療法 でも同様である。
     安定期間が短いとまだ亢進回路はすたれていないで、大きな感情的出来事ですぐ 復活する。相当長期間、再燃が起こらないと、亢進回路はすたれてしまう。こうな ると、ちょっとのことでは再燃しないから、完治となる。メランコリー型うつ病の 再発、非定型うつ病の鉛様麻痺感、パニック障害のパニック発作は、ちょっとした感情的出来事を処理できないと起きるという特徴が ある。マインドフルネス心理療法を受けても日常生活の行動中にも静かにいる時にも、自己洞察を入れることが大切である。常に「今、ここ」に全力で生きる。油断せず、早い時点で、今ここを見失い、 嫌悪、不安にとらわれていることに気づき、意識を価値実現のことに向け変えることを続けないといけな い。
     ただし、薬物療法とは違って、マインドフルネス心理療法を受けた人は、再燃の意味と再発防止の方法を知っているので、重症化しない。今度こそ、油断するまいという決意が起こり、本当に完治に向けてのさらなる自己の研鑽に励み成長していくだろう。
     このようなうつ病、不安障害の脳の脆弱性は、何年経過すれば消失するのかわか っていない。パニック障害の方が発作、予期不安、広場恐怖などがなくなり普通の 生活ができるようになって5年以上になる人がいるが、こうなると、もう相当のス トレスがあっても再発しないのではないだろうか。うつ病が薬物療法、心理療法で 治った人、軽くなった人も、5年くらいは再燃させないような心の使い方をしたほ うがいい(脆弱性の脳の回路が変わるまで)。ひきこもる、コミュニケーションな どを避けるというのではなく、自分の心を常に観察して、嫌悪的、否定的な思考を コントロールするのである。多少の感情は、受容すればよい。油断して、長く考え たり、激しく反応することがなければ、発作は再燃しない。感情のレベルがある限 界を超えると、非定型うつ病の鉛様麻痺感、パニック障害のパニック発作、過呼吸 、メランコリー型うつ病の抑うつ症状・自殺企図(他の障害の自傷行為、過食、ア ルコール、家庭内暴力も)を誘発するスイッチが入る。
     うつ病、不安障害、過食症、依存症、それらによる自殺、暴力、自傷行為、つら さをまぎらすことによる非行犯罪(大麻、覚醒剤、放火、万引き、虐待など)など 、若い頃に心の教育が充分に行われるならば、減少できる社会問題であると思う。
     大人になってからも、変わることができる。私は40歳から始めた。そして、今も続けている。心は広く深く、探求は生涯つづく。人の苦しみは広く、深く、その解決への助言、支援は途方にくれるほど難しい。 多くの人がマインドフルネス心理療法の研究、臨床に参画してくださる時がくるだろうと期待している。アメリカより20年ほど遅れているが、マインドフルネス心理療法は脳神経生理学の動向と合致しており、うつ病や不安障害など医療モデルの領域では心理療法の主流になるだろうと思っている。アメリカで盛んになっているのを知って心強い。種々のプログラム (弁証法的行動療法、行動活性化療法、マインドフルネス認知療法、ACTなど)がある。 まだ、うつ病についてのスタンダードは完成していない。日本では、 2、30年かかるかもしれないが、幸福を求める歴史の必然だろう。日本のあちこちに、外来のものと国産のものと、種がまかれているような状況にあると見える。
    Posted by MF総研/大田 at 10:39 | パニック障害 | この記事のURL
    パニック障害の神経生理学的変調 [2008年08月08日(Fri)]
     パニック障害は激しい発作が起こり、非常につらい病気です。内科的な検査をしても異常所見がみられず、精神疾患とされています。
     しかし、脳神経生理学的な変調が起きていることがわかってきました。
     薬物療法だけでは治りにくく、苦しむのでうつ病を併発することがあり、自殺も多い病気です。日本ではカウンセラーによる心理療法が健康保険の対象ではありませんので心理療法を研究する医者が少なくて、社会制度による問題になっています。アメリカでは認知療法やマインドフルネス心理療法でパニック障害の治療に成功しています。
     パニック障害は神経生理学的変調を起こしている部分は薬でなくても、呼吸法や運動などで神経生理学的な改善効果をおよぼして治せる病気なのです。通院、入院、往診など提供できればいいのですが、時間がかかるので、提供する医者が少なくて、何十年も苦しむ患者さんがおられます。なにかできないのでしょうか。
  • 満足できますか。自殺防止対策にもれることはありませんか
  • Posted by MF総研/大田 at 21:21 | パニック障害 | この記事のURL
    パニック障害の改善例ーその後(注) [2007年04月27日(Fri)]
    (後編)その後(本文)


    パニック障害の改善例ーその後
    (注) 大田のコメント
    • (注3)たとえば、次の弁証法的行動療法のところにみられる変化は大きい。難治性 の境界性パーソナリティ障害(BPD)でさえも、マインドフルネスをとりいれた弁証法的行 動療法で治っている。(ただし、BPDの場合、クライアントとセラピストに、相当の努力 が必要である)
    • (注4)これは、体験談の公表についての謝意をあらわした、協会のメールの言葉の 引用。
    • (注5)「第二の目」が自覚されている。次の記事でいっている「メタ認知」とか「 広い視野をもてるように気づきのカメラをずっと後方に配置する」というようなことであ ろう。大田が教えたわけではないのに、この方の瞑想実践が深まったのである。  マインドフルネス、アクセプタンスの実践を障害が治癒した後も、長期間継続している と、心の大きな変革がもたらされるようである。パニック障害やうつ病だった人が、治っ て後も、マインドフルネス心理療法の生き方を継続していると、見方考え方がさらに深ま っていく。マインドフルネスであることは、一言でいえば、注意集中である。その集中で きることが深まっていく。アクセプタンスは、一言で言えば、受容であるが、受容するこ とが拡大、深化していく。母なる心は、子のわがまま、母に向ける敵意、反抗、批判など でさえも受容することにおいて極地だろうか。たとえ、母ほどでなくても、他者に対して 受容の心が深まっていく時に、その人の生き方、種々のことの受け止めかた、人格的なも のが変化していくのだろう。
    • (注6)「その仏教を基本にした療法」とあるが、マインドフルネス心理療法は、仏 教や禅の実践を応用して心理療法としたものであることは、次の記事などで言及されてい る。  禅は弁証法といわれる。リネハンは、東洋の禅からヒントを得て、その心理療法を作 り上げて、弁証法的行動療法と名づけた。大田の自己洞察瞑想療法と類似するが、全同で はない。大田は、禅を応用して心理療法としたが、禅は「自己とは何かを洞察すること」 であると言われている。その時に、思索によらずして、もっぱら坐禅、呼吸法など(ここ に、マインドフルネスやアクセプタンスの実践がおりこまれているのが禅である)の実践 を通して直接体験的に自覚していく。こういう実践は「瞑想」の一種であるから、「瞑想 療法」と名づけることにした。
       この方には、仏教や禅の思想を教授したことはないが、パニック障害が完治の後も、実 践を続けていると、さらに、自己や世界の洞察が深まり、必然的に、「これは何だろう。 すでに仏教や禅で言及されているのではないか」と、そちらに関心が向かっていくのだろ う。心理療法としては、セラピストとクライアントとの関係は、障害、精神疾患などの治 癒で終結する。しかし、クライアントが、数年、何十年と、さらに実践を続けていくと、 深い禅や仏教に親近していく。だが、ここは、開祖への崇拝や来世について言及すること が多い、日本の仏教とはかなり違うだろう。あくまでも、自己洞察を深める初期仏教や禅 である。思想的なものがうすい。当協会は、3カ月から2年くらいの短期間の実践で、精 神疾患の治癒で終結する段階の心理療法としてのマインドフルネス、アクセプタンスの実 践を指導する。あまり深化したものではないが、クライアントが継続すれば、自分から洞 察を深めていく。
    • (注7)セラピストへの感謝の言葉があるが、セラピストのおかげではない。これも 、本人の力、瞑想の力である。セラピストの指導助言は、前編で終わっている。その後の 向上は、全く、ご本人の実践が生んだ洞察力である。この心理療法の興味あるところであ る。
    Posted by MF総研/大田 at 23:29 | パニック障害 | この記事のURL
    パニック障害の改善例ーその後 [2007年04月27日(Fri)]
    「パニック障害の改善例・手記」 (後編)

     ** 自己洞察法によって症状が改善した事例(後編) **

     埼玉メンタル・カウンセリング協会(マインドフルネス総合研究所の前身)の新しい心理療法(マインドフルネス、アクセプタ ンスを中心とした「自己洞察瞑想療法」)で、パニック障害が改善した方から、手記が寄 せられました。前編として、掲載させていただきました。
    パニック障害が自己洞察瞑想療法で治った(手記)
    (前編)苦しんだ日々、カウンセリング、そして、治るまで−(1)
    (前編)苦しんだ日々、カウンセリング、そして、治るまで−(2)

    今度は、その2年後のご様子を、メールの内容で、ご紹介します。ご本人の承諾を得てい ます。プライバシーにかかわることは含みません。
    • 初めてカウンセリングにこられた時、40代の主婦であった。
    • プライバシー保護のため、ご本人と同定されるような情報は含んでおりません。
    • カウンセリングにおいでになった年を【(0)年】とし、その2年前を【(-2)年】、翌 年を【(+1)年】とします。 これは、大田の処置。
    • (注X)は、メールには、なかったもので、大田の 加えたコメントである。
     薬物療法では治らなかったパニック障害で、面接前にあった症状がほとんどなくなって から、2年後にも、「外出恐怖も何もかもなくなり」と、全く発作も広場恐怖もないとい う。
     しかも、自分と他者、環境というものについての洞察が深まっておられることがわかる 。こういうものの見方の深まりは、マインドフルネス心理療法においては、よく報告され ている(注3)。すでに、セラピストからは離れている のに、本人が、その後も、呼吸法を中心にしたマインドフルネス、アクセプタンス、機能 分析法などを実践していると、セラピストの指摘によらず、自分からおのずと洞察されて くる。
     この方は、治療中においても、症状や環境について、自己について、洞察の深まりがあ った。いつか機会があれば、ご紹介したい。
    6)その後、再発せず、普通の生活が続く
    【(+4)年春】
     Mさんから、当協会の代表あてに、メールをいただいた。2年近く経過した頃であった。全く 発作が起きず、完治した状況が続いている。この人は、前編に記載されている時の面接以 後は、全く、来訪されていない。ご自分ひとりで、実践を継続して、自己洞察が深まって いった様子がみられる。
      XX先生 ご無沙汰しております、XXです。

      <一部省略>

      先生とこちらの療法のおかげで、私は普通の主婦の生活ができるようになり、 さらに、ささやかですが、家計の足しになるアルバイトができるようになった ことに感謝しております。

      今は外出恐怖も何もかもなくなり、穏やかに過ごせています。 でも、短時間ではありますが、坐禅(呼吸法)はしています。 頭の中がしんとなる心地よさは、ほかの何ものにも代えられません。

      でも、今まさに苦しいまっただ中の方もいらっしゃるわけです。 その方たちにも何とか良くなっていただきたいと、心から思っています。

      > 体験談を見て、パニック障害の方がよくおいでになります。
      > この心理療法への信頼を高める効果があります。
      > 社会へのご貢献ありがとうございます。(注4)


      私としてもうれしいかぎりです。 自分の症状が一番ひどかったときを思い出してみると、 「このつらさが一生続くのだろうか」「二度と普通の生活が送れないのでは?」 という不安が一番強かったように思います。 「つらい状態は固定的で、絶対に変化しない」と思い込まずに、 「自分は変化しうる存在なんだ」「永遠に同じ状態ということはあり得ない」 という希望があるかないかで、随分違う気がします。

      体験談というのは、そういう役割を持てると思っております。

      <一部省略>

      それから、私自身のことですが、パニックになったそれなりの理由というものが、 自分の気質・性格の中に大いにあったと気付きました。 環境のせいばかりにしていたのですが、自分の気質がそれなりの環境をつくり、 その環境からの刺激でさらに自分の気質が強まる、という因果関係のようなもの だったと、やっと気付いてきたこのごろです。遅いですね。 でも、この気質は先天的というか、心の癖のようなものかもしれませんね。

      私のようにパニックになる人は、他人と自分の境をつけ過ぎる、他人から傷つけ られることを防御するために、その人を嫌う方法をとる、ということが多いのでは ないでしょうか。
      つまり、「自分、自分」という狭い思考やものの見方のせいで、自分自身が苦しむ のではないでしょうか。

      いつか、先生から頂いたプリントの中に、心を病む人と病まない人の違いのような ものが列挙されていて、「母のように包み込む気持ちのある・なし」が 書いてあったように思います。
      あの当時はあまりぴんと来なかったのですが、なぜか心にずっとありました。 それが今になってみると、まさにそのとおりだと納得できます。

      母のような気持ちがない=受容しない、包容力がない、排除する、慈悲心がない ということですから、そういう自分なんだと認めることはかなりキツいことです。 でも、見るべきものは見なければ、何も変わりません。

      ただ、生来の性格ですから、なかなか「母のような気持ち」を常に持つことは難しく、 周りの人を批判してしまったり、軽く嫌悪してしまったりという気持ちのほうが まだまだ多く、反省の多い毎日です。

      でも、そういう自分の状態を意識していれば、二度とパニックに戻ることはなく、 わずかずつでも変わっていけるのはないかと思っています。 以前、先生がおっしゃった「心の中で第二の自分が見ている」というようなことです。 (注5)

      心の悩みの答えは仏教にある――という直感は今も変わらず、まずは初期仏教から 少しずつ調べて勉強しているところです。 知れば知るほど、お釈迦さまは本当に素晴らしい教えを開かれた、と感動します。 その仏教を基本にした先生の療法は、絶対に世のためになると確信しております。 (注6)

       先生にはぜひご活躍いただき、苦しむ方を導いて差し上げていただきたいです。 そのお手伝いが少しでもできれば、これほどうれしいことはありません。 そのおかげで私自身も精進させていただくことができますから。 (注7)



      ありがとうございました。

    (注) 大田のコメント (次の記事)

     このように、発作も広場恐怖も全くなくて、普通の生活を送っておられる。ところで、パニ ック障害になる人は、中脳水道(または青斑核という説もある)に脆弱性、過敏性があっ て、そこが興奮した時に、発作が誘発されるという仮設が有力である。そのようなクライ アントが心理療法で完治した時には、脳神経はどんな変化が起きているのだろうか。
     HPA系の負のフィードバックは改善されたのだろう。縫線核セロトニン神経も強化されただろう。これで、就寝中の発作や、発作のない時の身体症 状も消失する。前頭前野が活性化して、意識的な抑制、広場恐怖への自動思考、予期不安が抑制される。しかし、解明されていないことがある。
     中脳水道の脆弱性、過敏性は、そのままであって、セロトニン神経の無意識の抑制と、 前頭前野からの意識的な抑制の2つの抑制力が発作の誘発を抑制しているのか。
     それとも、中脳水道(または、青斑核)の脆弱性、過敏性が解消したのか。このいずれ であるのかは、確認されていない。
     もし、脆弱性が残ったままであれば、何十年後、加齢による、セロトニン神経や前頭前 野のおとろえによって、高齢になってからパニック発作が起きることがあるのか、わかっ ていない。高齢者のうちには、介護などで、うつ病になる人は多いが、パニック発作を起こさない高齢者は多い。若い頃、パニッ ク障害となって、マインドフルネス心理療法で完治した人が、その後、高齢になっても、 再発しないのか、知りたい。心理療法は、中脳水道などの脆弱性を完全に修復するのかど うか。その後、高齢になっても、再発しないのか、知りたい。心理療法は、中脳水 道などの脆弱性を完全に修復するのかどうか。心理療法で完治した人を何十年も追跡調査 しないと判明しない。
     この心理療法は、マインドフルネスとアクセプタンスを重視した瞑想によって、ストレ ス耐性を向上させることにより、種々の心の問題を解決する心理療法であり、アメリカでは、 かなり盛んになっているが、日本では、まだ、これを行なうカウンセラー、セラピスト、 精神科医は、ほとんどいない。だが、研究が始まっているから、今後、日本でも、普及し ていくだろう。アメリカのセラピストは、開発者が、それぞれ、名称をつけている (ストレス緩和プログラム、弁証法的行動療法など)が、私の心理療法は、少し異なるところがあるので、独自の名称(自己洞察瞑想療法)をつけた。総称すれば、マインドフルネス心理療法であろう。そして、認知行動療法の一種である。
    Posted by MF総研/大田 at 23:25 | パニック障害 | この記事のURL
    パニック障害が治った(2) [2006年07月20日(Thu)]


    3)症状が少しづつ改善

    【(1)年】初夏
     このころ症状が悪くなることもなくなった。実家の父が大手術を受けた。かなり難しく危険な手術だとドクターが言われていたので、覚悟する部分もあり、かなり精神的にこたえた。手術当日は、早朝の電車の中でパニック発作がおきないよう、呼吸法を実践して乗り切り、手術中も待合いで、いすに掛けた姿勢のまま瞑想していた。そのおかげで、大きな発作に悩ませられることなく、何とかもちこたえられた。
     PTAの会合があり、自己紹介らしいことがあったが、以前のように、吐き気によって中座することもなかった。

    【(1)年】夏
     「もう何があっても大丈夫」というところまでは達していない。外出は、「やや億劫だな」と思うけれど、出掛ける。人前での発言は、「ドキドキするけど」、「あがっているからそれが周りにわかってしまうだろうけれど」取りあえず発言する、というところだった。動悸と緊張に対する嫌な感覚はまだ残っていた。

    【(1)年】夏
     カウンセリングに行った日は、外出不安が無い状態で行くことができた。この頃には、長年、悩まされていた下痢、頭痛がなくなった。スーパーでは、発作は起きない。吐き気が起きそうになると、呼吸法を行うと、発作にまでならない。だが、まだ、あまり外出しない。

    【(1)年】秋
     月1回くらいのカウンセリング。
    この頃には、避けている場所は、ほとんどなくなった。だが、まだ、美容院と歯医者が苦手だった。発作がない時にもあった、下痢、頭痛、のどがつまった感じ、動悸、疲れやすさなどが解消した。
     パニック発作らしきものは起こらずに済んでいた。「このくらいのストレスだと発作が起きるんだな〜」というレベルがわかってきたので、予測をつけて腹式呼吸を事前にしたりすることによって、防げているのだと思った。でも、この頃は以前に比べてそのストレスレベルが高くても大丈夫になってきた。 それまでは、急な仕事を受けると発作が起きるかもしれないという恐れから自信がなく、引き受けられなかったのだが、段々と自分に自信がもてるようになってきた。

    【(1)年】秋
     ほとんどパニックの症状が出なくなり、仕事の電話をもらって、商談に行くことになったが、以前、今年の3月にも同じように出掛けたときは、大変な思いで行った。今回はまるで正反対の、まるで鼻歌交じりの気分で商談に臨めた。自分の変化が本当にうれしかった。

     PTAの会議(校長や教頭も参加)なども、以前のように苦を感じず、自分の担当部分の発言(少しだが……)も落ち着いてできた。

     どこか体自体が不調だったり、天候の不順などで、「落ち込んでいるな」と思うことがあっても、そのときにもうパニックの症状は出なかった。

     この年の晩秋に同居の義父が急に他界。ただ、そのショックも先生の的確な助言があり、末期的なパニックに陥ることなく切り抜けられたことは大変意味深いことであったと思う。 しかし、これを機会に忙しくなってしまい、通うことがほとんどできなくなったが、より一層信頼感を増したことは事実である。また、私自身、つまらないことで怒ったり、思い悩んできた性格であったことに思い至り、死生観なども全く別の視点で考えてみるきっかけとなった。

    4)発作のことを忘れるほどに改善

    【(+2)年】春
     従来、発作をおそれて、発作が起きるようになってから、家族旅行をしたことがなかったが、この年春、久しぶりに、家族で旅行に行った。発作は起きなかった。

     生活上、仕事に専念しなければいけない状況などがあり、ほとんど先生のもとへ行けない状況であるにもかかわらず、教えていただいた呼吸法、自己洞察などを思い出しては時々実践し、それに基づいて内観を試みたりしていた。

    5)ずっと実践が大切
    【(+2)年秋】
     すっかりパニックも出ず、自分の心の癖なども把握し、自分ではもう大丈夫だと高をくくっていたところ、ある人の思わぬ言葉による攻撃に遭い、またパニックが軽く再発(吐き気、動悸、冷や汗)、大変驚く。2、3日、怒り、嫌悪が渦巻き、外出したくなかったが、呼吸法を行って、落ち着き、2週間後には、その人とあっても、何ともなかった。
     カウンセリングに行き、先生に話を聞いていただき、安心する(注2)。「まだまだ安心してはいけない」と、心を新たにした。
     その後、呼吸法などを実践して、発作は起きていない。また、以前のような、回避する場所も、特にない。
    (注)大田のコメント
    • (注1)これらは、「広場恐怖」と呼ばれる。パニック障害の人に、ほぼ共通にみられる。時間が経過すると拡大していく傾向がある。
    • (注2)責任部位であると推測されている中脳水道(さらに、扁桃体か帯状回の変調が推測されている)の過敏性が潜在化して、残っているようで、発作が起きなくなっても、何年間かは、油断せず、呼吸法や自己洞察法(ここに、感情の制御が含まれるので)の実践を継続して、感情的な出来事をある程度コントロールすることを忘れないようにしておくのがよいようである。こういうようなストレスの強い出来事があった時に、すぐ、自己洞察法を行えば、軽い発作でも誘発しないですむだろう。だが、自己洞察法で寛解になった人は、再発しても、大丈夫である。また、真剣に実行すればよい。
       この人は、自己洞察法を会得していたので、すぐ、それを実践して、落ち着いた(縫線核セロトニン神経や前頭前野の抑制が強くなったためと推測される)ので、ひどくはならず、広場恐怖も、パニック発作も、発作時以外の身体症状も再燃しなかった。
     このように、薬物療法では治らなかったパニック障害が改善された貴重な例である。本人の、呼吸法などに取り組む熱心さがあれば、予期不安、広場恐怖などが解消して、パニック障害は、ほとんど完治するといってよい。少し、付け加えておきたい。
    • この人の【(+2)年秋】の「パニックが軽く再発」の出来事は、パニック障害の再発ではない。その後、予期不安もなく、広場恐怖もなく、生活に支障をきたしていないからである。軽い「パニック発作」が起きたにすぎない。「パニック障害」ではない。再発ではなく、この人は、完治した。まだ、一度も発作が起きたことがなくても、脆弱性をかかえた人よりも、強い。この人は、発作がたとえ起きても、「障害」にはならない心得を身につけている。
    • パニック障害の症状の改善のほか、この自己洞察法の実践によって、この人は、対人観、人生観や死生観などについても肯定的に変化していかれたが、ここでは、省略されている。
    • パニック障害のほかに、ひどい「うつ」が併存している場合には、呼吸法などの実践の意欲が低下していることがあるから、もう少し時間がかかかる。呼吸法などの自己洞察法や行動活性化手法を中心として、うつとパニックを並行して、治療(心理療法)を行う。
    • 本人の広場恐怖(外出恐怖、電車恐怖など)がひどい場合、遠くのカウンセラーのもとに面接に行くこと自体が難しいので、行きたいが、いけない人がいる。対策としては、クライアント(患者)の自宅に近いところで、このような治療法のできる人を育成すること、時々クライアントの住む地区の会場でカウンセラーが出前指導すること、インターネットによる指導法の開発などが考えられる。うつ病の治療も同様である。遠くのカウンセラーのもとに、数カ月、通うのは、むつかしいので、カウンセラーが近くにいない人のために対策が必要である。

    パニック障害が自己洞察瞑想療法で治った(手記)
    (,後編)その後、人間的な深まり
    (,後編)上記の注

    Posted by MF総研/大田 at 22:20 | パニック障害 | この記事のURL
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