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注意欠陥多動性障害(ADHD)の薬が大人にも [2012年10月25日(Thu)]

注意欠陥多動性障害(ADHD)の薬が大人にも

 10月24日の朝日新聞の記事に
「発達障害の一種ADHD、成人からの薬服用承認 国内初」
 というのがあった。  従来、子どもしか処方できなかった「ストラテラ」を大人も使えるよう になった。  「ADHDは発達障害の一つで、「集中して人の話が聞けない」「忘れ っぽい」「思いつきをすぐ言動に移す」などの症状が特徴だ。」 と書かれている。
 ADHDについては、下記のように、マインドフルネス心理 療法も効果があるかもしれないと期待されている。 私もそう思う。マインドフルネスは、一つには、注意集中のトレーニング があり、「集中して人の話が聞けない」という症状に効果があるかもしれない。もう 一つは、行動(内的思考、発言、身体行動)の抑制のトレーニングがある が「思いつきをすぐ言動に移す」症状を改善するかもしれない。 自己洞察瞑想療法の呼吸法は、瞑想の一種であるから、デフォルト・モー ド・ネットワークの機能を向上することと、ワーキングメモリ(作業記憶 )の活性化になることが、改善する可能性がある根拠である。 その具体的な方法は、6月発行予定の本に記載されるので、 その後でもう一度、詳しく述べたい。
 大人の人は、マインドフルネスの理論を理解できるから、薬で症状を軽 くできた段階で、マインドフルネスのトレーニングを試してみれば、もっ と改善するかもしれないと思う。
注意欠陥多動性障害にふれた記事
Posted by MF総研/大田 at 18:52 | 苦しみの生理学 | この記事のURL
グループ学習でした [2012年08月26日(Sun)]

グループ学習でした

 今日は、マインドフルネス心理療法の一種、自己洞察瞑想療法(SIMT:Self Insight Meditation Therapy)のグループ学習の日でした。マインドフルネスにはさまざまな流 派がありますが、得意領域(改善効果のある病気に違いがある)があります。すべてのマインドフルネスがうつ病や不安障 害に効果があるわけではありません。マインドフルネス認知療法は、3回以上再発を繰り返した人の再発防止の効果があるといいます。2回以下にはあまり効果がないという、不思議なことです。 欧米のマインドフルネス心理療法の研究者は、さまざまなマインドフルネスプログラムを開発してきました。痛みの緩和、うつ病の再発予防、トラウマの治療、パーソナリティ障害の改善など、それぞれ工夫をこらしています。
 SIMTは、1993年から臨床を重ねてきて、1,2年実践すれば、重いうつ病・不安障害、長期化したう つ病、不安障害、非定型うつ病にも効果があることが確認されました。 自分のさまざまな作用を観察し、不愉快な症状や状況を受容する心を成長させると共に、不幸にならない建設的、症状改善的な行動を選択していく作用は「意志作用 」であり、 それが背外側前頭前野を活性化させるでしょう。また、瞑想を繰り返し行 いますので、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN) を構成するといわれる内側前頭前野 や後部帯状回などを活性化させて、長期間のあいだには、症状を引き起こしていた脳 のさまざまな部位を正常化するのでしょう。うつ病になると、背外側前頭前野、DMNの機能低下がみられ、一方、長期間、瞑想する人のDMNは違いがあると報告されましたね。 瞑想を用いる第三世代の認知行動療法は従来にない効果を発揮するようです。 神経科学の研究からその原理が解明されるのはまだ先でしょうが、改善するという実績はあります。抗うつ薬がなぜ、うつ病を改善するのか正確なことはわかっていないのです(セロトニン仮説)が、一定の善 効果があるので用いられるのと似ています。SIMTでは、改善する理由、原理を西田哲学で 説明します。そして、その哲学に沿った行動ができるようなトレーニングをします。
 30分、自己洞察法を織り込んだ呼吸法をできるようになると、うつ病、非定型う つ病、不安障害などが改善します。以前の長期間の傷つけるような心の使いかたによ って生じてしまった脳の機能低下部位と機能亢進(過敏)部位を、呼吸法によっ て、リハビリテーションするようなものです。3ヶ月、6ヶ月で自覚できるほどの変 化を感じて、1年もすると、症状がもっと軽くなります。以前に受けてくださった多くの方 が証明してくださいました。こうしたマインドフルネス、アクセプタンスを、数年前ま では、襌の哲学・実践といっておりました。基本的には変わっていません。今は、西 田哲学、襌の実践、脳神経科学を参考にしたマインドフルネス心理療法としています 。前2つとも、かなり以前から日本にあったものです。 しかし、この3つを参照して創造したSIMTは、精神療法です。宗教としての坐禅(病気の改善を目的としない)でもなく、単なる哲学でもなく、神経生理学でもなく「苦脳を乗り越えていく手法」です。 無数の人が自由に行動するのが、現実の世界ですから、人生は決して思いどおりになりません。苦悩があります。苦脳がありながらも、自分の幸福と思える人生を生きていくことができればいいのです。そうできれば、苦しむ程度が軽くて、うつ病になりません。現実は思いどおりにならないもので、その動揺的な世界の中で、思いどおりでないことは受容して、その中で自分ができることを見出して自分の希望する幸福を実現するために行動していく、その生き方を練習していくのがマインドフルネスの精神療法と言えます。その悲しみ、苦しみのレベルが異なるため、そのレベルに応じたマインドフルネス、アクセプタンスが必要になります。深さは一律ではありません。
 もう19年になりました。その間、改善できないかたがおられました。現実に、さまざまな人のうつ病、不安障害を乗り越える手法の開発は、難しいものです。人の苦脳はかぎりがありません。みなさんの悲しみ、苦しみは深く広いです。 状況や個人に応じた支援が必要です。今は、グループ方式しか提供できませんが、 支援者が増えて、個人的支援方式で提供すれば、さらに多くの人の苦脳が克服されることは確実です。
 また、日本でも、これから多くの研究者が研究を重ねて、改善効果の高いさまざまな領域のマインドフルネスの精神療法が開発され、全国どこにでもマインドフルネスの支援者がいるようになることを祈ります。
 参加なさった方は、1,2年もかかるので改善が遅くても嘆かず、絶望せずに、こつこつと続けてください。 満足できる日がくることを信じています。また、変えることができない障害や問題は受容しながら、生きていく心をつかまれることを信じています。
 うつ病が治らないと「死にたくなる」のですが、決して、死なないでください。うつ病が治れば、死にたい思いは消えます。自殺対策大綱が改訂されました。 精神療法、心理療法の普及対策も期待できるでしょう。要請しましょう。
Posted by MF総研/大田 at 22:07 | 苦しみの生理学 | この記事のURL