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パニック障害が治った(1) [2006年07月20日(Thu)]
パニック障害の改善例・手記
 =自己洞察法によって症状が改善した事例

 埼玉メンタル・カウンセリング協会(マインドフルネス総合研究所の前身)の新しい心理療法(マインドフルネス、アクセプタンスを中心とした「自己洞察瞑想療法」)で、パニック障害が改善した方から、手記が寄せられました。
 同じようなことで、悩む人に役立つならば、自分の体験を発表してもよいということですので、ここに、掲載させていただきます。


「パニック障害の改善例・手記」
  • 初めてカウンセリングにこられた時、40代の主婦であった。
  • プライバシー保護のため、ご本人と同定されるような情報は含んでおりません。
  • カウンセリングにおいでになった年を【(0)年】とし、その2年前を【(-2)年】、翌年を【(+1)年】とします。 これは、大田の処置。
  • (注)は、手記には、ないもので、大田の加えたコメントである。
 薬物療法では治らなかったパニック障害で、面接前にあった症状がほとんどなくなって改善されたのは、貴重な例である。  
1)症状の現れ
【(-5)年】
初のパニック発作。(歯科医院か、バイト先のファストフード店で)
    症状=強い吐き気、冷や汗、動悸、いたたまれなさ(逃げ出したい気持ち)。
発作がない時でも、胃の不快感、下痢、頭痛が起きるようになった。
(※(-11)年より主人の両親と同居を始める。同居のストレスとバイトを始めた忙しさで心身はかなり混乱状態であったのに、それに気付かなかった)

【(-3)年】
バイトの時だけ症状が強い状態が続いていたが、そのうちちょっとした外出でも発作が出るようになる。夏に初めて心療内科を受診。
これ以降、6カ月ほど2週おきに通院。トレドミンやデパスを処方されるが、全く効かない。もう通院するのも苦しく、「薬をもらいに行くより家にいるほうがマシだ」と思い、これ以降、ほとんど引きこもり状態に近い状況へ。
最低限の家事をこなすだけで精いっぱい。 横になっていても動悸は治まらず、吐き気は四六時中襲う。うつ状態になっていった。

しかし、「これは、自分の今までが間違っていたという示唆だ」
「この解決方法は仏教関係の中にあるに違いない」
という確信もあった。根拠は全く分からないが・・・。

【(-2)年】
体調が少しマシな時、インターネットで仏教関係、心理関係などのページを読み、自分に合う所を探し続けた。
また、引きこもってもできる仕事ということで、自宅でできる仕事の勉強を始める。 しかし、つらい時間のほうが多かった。
【(-1)年】
些少ながらこうした収入も入るようになり、大きな自信になった。
しかし、まだまだ体調はひどい時のほうが多く、どうやって日々を過ごしていたのか、実はあまり思い出せない。駄目な時は駄目、動ける時に何とかやっていたんだろう、としか言えない。

2)カウンセリングに行ってみる
【初来訪の年=(0)年】12月
外出恐怖、あがりなどはかなり残っている。
カウンセリングに初めていった頃の状況は、こうだった。(注1)
    発作が起こるのを不安に思うので、次のような場所に出かけたり、人にあうことをなるべく避けている状態だった。
    以前会っている時に、発作が起きたようなことがあった人には、会いたくなかった。避けていた場所は、スーパー、人通りの多いところ、駅、地下街、電車、飛行機、エレベーター、美容院、歯医者などだった。
     一度座ってしまうと、退室したりすることが困難な状況になる会議や講習などの場も避けていた。(会議と講習では、一度、ものすごい発作の症状を我慢した経験があったので、かなり避けたい場所だった)。しかし、どうしても参加せざるを得ない場合は、わざと出口に近い場所に席を取るなどしていた。そうすると、「気分が最悪になった場合にも出ていきやすい」という安心感が生まれ、少しはマシな気持ちになれたからである。その経緯から、「映画館、コンサート」なども避けたい場所として後に加わった。
    人が多い場合でも、入退場が自由な感じの場、例えば動物園や何かのイベントは、自分の気分が悪くなったからといって、周りの人が気付く可能性が低いし、私がトイレに行こうと、しゃがみ込もうとあまり問題にならない。自分自身もどこへでも自由に移動ができる。だから、どちらかというと気が楽だ、というところが大きな特徴だったと思う。
    スーパーやどうしても外出しなければならない時には、出ていくが、つらかった。 外では勇気がなく、なかなかできなかったので、例えば、立ったり歩いている時ならば何とかしのぐしか方法がなく、また、スーパーなどでは商品を探すふりをして、しゃがみ込むことによって気分の悪さを軽減しようとしていた。
 以前から気になっていた埼玉メンタル・カウンセリング協会に連絡を取ることにした。 このHPになぜ興味を持ったかとういうと、「うつ カウンセリング 仏教」という語彙で検索して、上位にヒットした記憶がある。 そのHPを読んでみると、東邦大学の有田教授によるセロトニンについての研究にリンクしたりして、とても納得することができた。 早速、有田教授の著書を取り寄せ、自己流ながら、坐禅の呼吸法(腹式呼吸法)を試してみる。稚拙ながら自ら試してみると、とても落ち着くことができた。「これはやはり正しい方法なのだ」という思いが強くなった。
 また、こういう心の病になった者は、「なぜ、自分がこういう心の病になったか」と、疑問に思うものだ。「結局、自分が精神的に弱いからだ」というのが答えだとしたら、もうそれ以上には進めないし、その先には「自死」という言葉もあり得ると思う。しかし、このカウンセリングではそのようには言っていない。そこが救いだった。

 先生の所に通うのには、まだまだ外出恐怖との戦いはあったが、「これをクリアしなければ私は治ることができない」という確信もあった。思い切って、カウンセリングを受けに行った。 そして実際に坐り、呼吸法の指導をしていただくと、自分だけで実践していたのとは比べものにならない落ち着きが生まれ、とてもびっくりした。
    「今、この『今』はどうですか? 何もつらいことはないですよね?」と、先生。 「そうだ、確かにそうだ、」と思った。 「『つらい、苦しい』と『今』は思っていない」。
 非常に哲学的、宗教的な物言いなのかもしれない。「でも、確かにそうだ」と私は納得した。 「そうだ、その通りだ。これがずーっと継続すればつらくはない」。その「つらくはない今」を持続できれば、「私は治ることができる」と思った。そして、その状況は、「呼吸法、坐禅、日常の注意によって培っていける」と確信した。確かで明るい希望がやっと見えてきた。

 自分でできる呼吸法、坐禅、自己洞察法、日常の行為(歩くとき、食事のとき、家事を するとき、お風呂のとき、家族と過ごすときなど)で注意するべき点を具体的に教えて いただいたので、家でもできる限りやってみた。坐禅は毎日とはいかないが、できる時 は30分ぐらい頑張って坐った。うまくいく時といかない時があったが、あきらめずに 根気よく続けたことが良かったと思う。うまくいく時は、非常に穏やかな心境になるこ とができた。なぜなら、過去の嫌なことや未来の心配などで引き起こされる不快な感情 をとにかく捨てる、つかまえない、という方法が非常に効果的だったからだ。


パニック障害が自己洞察瞑想療法で治った(続き)

Posted by MF総研/大田 at 19:58 | パニック障害 | この記事のURL