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(1)専門家多数派のエゴイズムを考える [2019年11月08日(Fri)]

(1)専門家多数派のエゴイズムを考える

【書籍紹介を兼ねて】 「答えのない世界を生きる」小坂井敏晶、祥伝社

表現の自由をおびやかす事件

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48223110V00C19A8CR8000/
★愛知の芸術祭展示中止(2019/8)
愛知県で8月1日から開幕した国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で、元従軍慰安婦を象徴した「平和の少女像」などの展示が3日を最後に中止された。

https://www.asahi.com/articles/ASMC73J05MC7UTFK008.html
★オーストリアのウィーンで開かれている展覧会、両国の友好150周年事業としての認定を取り消した。外務省の「総合的な判断」で。(2019/10/30)

https://www.asahi.com/articles/ASMBS3RSXMBSUTIL010.html
★川崎市の「KAWASAKIしんゆり映画祭」で、「主戦場」が上映中止(2019/9/9)

【書籍紹介を兼ねて】
小坂井敏晶.jpg
「答えのない世界を生きる」小坂井敏晶、祥伝社
 以下、この書籍紹介を兼ねて、専門家多数派のエゴイズムについて考えたい。

 学問の世界にも、多数の団体の中でも少数派は排除される危険を感じる。なので、少数派はいきにくい。意見を表現しにくい。

 「日本は弱者に優しくとも、逸脱者や反抗者には生きにくい社会だ。 美意識にせよ倫理観にせよ、良いものの基準が社会的に強く規定される。だから均質化しやすい。本来好ましいはずの向上心が仇になる。より良い生き方を目指す時点ですでに我々は誤った道を踏み出しているのではないか。」(p144)

 トップ、上層部、多数派の方法、意見に反対しにくい。すれば、いじめられる、多数派から排除される。だから、忖度して迎合する。社会全体の中の、問題が解決されにくい。

 学問的に見える団体に、大学にも、忖度、排除がある。

 仏教の学問にもある。多数説に批判的な解釈が出ないところに、それが明らかである。

 マインドフルネス学にも起きているかもしれない。アメリカの定義に疑問が出ない。マインドフルネスの団体もあったのに少数派が多数派によって排除された。

 世界は常に変動していくのに、改革意見をいう少数派を排除したら社会は停滞し、ほろびゆく。

 日本の大学、日本に住まないで外部から見るから、客観視して「評価」観察するから見えている人によって、日本人の多数派の異様さを見ていく。

【第1期】専門家のエゴイズム
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2228
【書籍紹介】「答えのない世界を生きる」小坂井敏晶、祥伝社

この書籍を通して専門家多数派のエゴイズムを考えます
【第2期・連続記事目次】
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4413
もう一度学問にある専門家多数派のエゴイズムを考える
(参照)「答えのない世界を生きる」小坂井敏晶、祥伝社

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4413
(1)日本は逸脱者や反抗者には生きにくい社会
 「答えのない世界を生きる」小坂井敏晶、祥伝社

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4415
(2)自分の権威・権力の基盤を変えない
  「現在正しいとされる理論やデータ解釈、そして方法論が将来も正しい保証はない。 支配的潮流を優遇する近視眼的政策は発見の芽を摘むだけだ。 真に革新的な思想・価値観は常に社会規範に逆らって生れる。 主流派は自分の権威・権力の依って立つ基盤を脅かしてまでパラダイムを変更しない。」 「答えのない世界を生きる」小坂井敏晶、祥伝社(p131)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4417
(3) その内部だけでしか通用しない理論枠に縛られ
 ☆異邦人、少数派が社会を変革する起爆剤
 ☆全体主義に陥らないように、社会の暴走を防ぐ。
「それぞれの分野ごとに固有の組織が生れ、その内部だけでしか通用しない理論枠に縛られている。研究発表も内輪でしか行われない。・・・」(小坂井敏晶121)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4419
(4)研究者はどうあるべきか
 ☆少数説を知ることができる場を作る
★社会人のための学ぶ場が必要  「国民から遊離した大学の学問の現状を批判的に考察し、生涯学習を中心とした現場主義による学問の再編成を提言する。」(阿部謹也の『学問と「世間」』)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4422
(5)母親の愛、絶対の愛
青山拓央(2016)『幸福はなぜ哲学の問題になるのか』太田出版 https://blog.canpan.info/jitou/archive/4424
★講座の6回目
 大乗仏教者の崇高な倫理
 最も深い日本のマインドフルネス

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4426
(6)世阿弥「離見の見」その1

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4427
(7)世阿弥「離見の見」その2

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4430
(8)企業大学人によるハラスメントを当事者側が調査認定する不公平
綿野恵太『「差別はいけないとみんないうけれど』平凡社

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4432
(9) 内集団びいき
綿野恵太『「差別はいけないとみんないうけれど』平凡社

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4434
(10)屈辱感から敵視=学者や宗教者さえも
 ☆いくつかの少数派説。社会を変革していく可能性のある芽。研究に参画してほしい。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4436
(11)自分の意見を断固として強制しようとする専門家 https://blog.canpan.info/jitou/archive/4438
(12)自由主義は反対者とも共生するもの
  ☆民主主義、自由主義の団体ならば、敵とも共生するはずなのに、大学や宗教、官庁などで失われている(オルテガ)。やはり、哲学や倫理学が必要か。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4440
(13)第3世代の認知行動療法のゆくえ

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4442
(14)仏教、禅、マインドフルネスも、幸福論の哲学も再検討を

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4444
(15)自分自身が研究対象に含まれる人文科学


https://blog.canpan.info/jitou/archive/4446
(16)悪の意識なく意図しないでやってしまう差別・偏見・排除
  綿野恵太『「差別はいけないとみんないうけれど』平凡社

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4448
(17)論文に海外の文献ばかりを引用



https://blog.canpan.info/jitou/archive/4450
(18)異邦人のまなざし

【さらに学問の偏り】
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4894
★未来をつくる力は多様性のなかにあるというのに大学から革新説を排除するのは困る
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4910
★大学の研究室はきびしいところもある(和田秀樹氏)
 〜 自由を束縛も!

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4903
★研究室も革新説を排除することがある=メディアや批評家が監視してもらいたい

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4896
★平野啓一郎さん =変化志す芽を育てないのが弱点

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4895
★観察する手法は多種ある。瞑想時だけでない。MBSRにも、偏見、我執、ハラスメントや差別排除する心の抑制の観察が出てこない。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4859
★学問、研究の自由のない日本

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4630
★専門家のテキストの独断的解釈によって、対立、支配、殺戮などを起こしてきた歴史

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4580
★共生の欺瞞、隠された抑圧

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2670
★フランクル=教育も一つを押し付けることがある
 〜 還元主義、画一主義、全体主義の学問、メンバーへのおしつけ

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3928
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4817
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4899
★村木厚子さんの言葉= 問題解決のためにまず動くのは現場を知るNPO。 学者が紹介するのはずっと後。

それなのに、現場でNPOが新しいことを開始した時点で、現場を知らない学者が妨害することがあってはならない。
学者は従来説を教えるので多数派となっている。それをこえたNPOの活動を見聞きすると自分のものを批判されたような気分で不快を覚えて、無視、傍観、排除するものがいる。
しかし、新説、新活動もすべてが「社会的」に「良い」わけではなく、詐欺、カルトもあるだろう。だからこそ、学者は感情にかられて学問的な議論をせず、無視、傍観、排除しないで議論すべきである。
【参考】
    次に、専門家、集団トップのエゴイズムの記事のリンクがある
    https://blog.canpan.info/jitou/archive/3764
    https://blog.canpan.info/jitou/archive/4218
    ★種々の形で、専門家、多数派のエゴイズム
    複雑なことを理解できないものは嫌いだというごく普通の市民も多数派になると、変動してゆく時代環境によって、じわじわと生活基盤が時代遅れとなり、それが自分の首を絞めるのに。

【参考】

【目次】このようなところに活用できそう
 マインドフルネスSIMT 2019

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4243
Posted by MF総研/大田 at 07:35 | エゴイズム | この記事のURL